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青山店
閉じ込める想い
投稿日:2012/8/13
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男の子は生き生きと、わんぱくで、楽しく、元気ハツラツを求めている私にとって、
こういう状況はなかなか回避したいものです。
でも突然、本当に突然、彼はすごく退屈そうな顔になりました。
目が遠くに、遥か遠くに向いてしまったのです。
さっきまであんなに元気だったのになぁ…
ポーズを決めてカッコよくもしていたのになぁ…
お天気雨のように突然雲行きが怪しくなったこの状況…なになに??
退屈なときにあくびが出たり、伸びをしたりするのと同じように、
彼は立てかけてあったトランクにだるそうに寄りかかりました。
さっきまで元気の良い笑い声が聞こえていたのに、
このときは目に力が宿っておらずまったく生き生きとしてはいませんでした。
でもこういう表情は指示して出せるものではありません。
喜怒哀楽。
そのどれもがその人を作る構成要素で、
この表情もまた普段は残すことのない貴重な瞬間の一つだと私は考えます。
そしてこの姿をどんな風に切り取ればいいのかを考えたとき、
画面の中に広く余白を作ってポツーンとしたイメージもったり、
極力余分なスペースは作らず、圧迫されたような窮屈な写真で魅せるなど表現方法は様々です。
こういう瞬間はとっさに頭の中でイメージを展開することが出来ないとシャッターチャンスを逃してしまうのです。
モノトーンの落ち着いたコーディネート。
顔に落ちるグラデーションの影。
このとき私はクローズアップで寄ってしまうのではなく、
この立てかけたトランクに寄りかかる身体のラインを魅せつつ表情を曇らせるという部分に
この一枚の価値を残そうと思いました。
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