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家族写真

投稿日:2023/2/20

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photo & write by Reiri Kuroki

coordi by Ayaka Matsuda

 

@AOYAMA

 

 

家族写真が好き。

 

家族という繋がりの人たちの前でカメラを持つと、その関係性とか、それぞれのキャラクターとかが何となくわかる。できるだけ、それを大切にしたい。

とは言え複数人の構成はそれなりに整えるべきところもあって、被写体に好きにやってもらうだけでは良い写真が撮れる訳もない。だから、多少の作為的な働きかけや干渉は良い写真を残す為に必要でもある。

ただ、初手の働きかけでは、二手三手先を想定しながらもある程度自由に動かせるような幅を残すようにしている。例えばそれは、最初からべったりに密着させ過ぎないとか、カメラの方を意識させ過ぎないとか、その程度のことだけれども。

家族には家族同士の、居心地の良い距離感がある。写真的に言えば、普段の距離感より密着させてしまった方があらゆる面で構成しやすいのだけれど、そこに至るまでの段階と、ある程度柔軟に対応できる幅を残しておいてから始める方が、私は好きだ。

相手任せでは写真は洗練されず、固め過ぎてはぎこちない。ちょうど良いところを探る。ある程度、その人たちが自分たちらしく動けるような余裕を持たせつつ、無駄な余白は削り、家族という繋がりが醸し出す空気感を感じられる空間を大切にする。

このひとたちにはこんな感じが素敵そうだ、とか、こう言ったらこういう表情をしてくれそう、とか、そういう予測は観察に基づいて立てておく。ただ、自分のそんな予測をちょっと超えたくらいのところで顕れてくるものの方が、そのひとたちらしさ、だったりすることを、私はよく知っている。

 

ぎゅっとしてみて、というシンプルな声掛けが、3歳の女の子のこんな表情や動きを誘発するなんて、予測できていた訳じゃない。ただ、天真爛漫な彼女と、彼女を見守るパパさんママさんの温かな眼差しを見ながら、良い瞬間が訪れそうな予感はあった。

突っついてあげてください、というひと言が、このシーンの仕上げ。パパさんに突っつかれた彼女がきゃっと笑って猫みたいに体を丸めた、その戯れている感じと、ママさんの表情と、パパさんの口元がとても良い雰囲気だった。画角を少し広く、遠巻きにして、家族3人だけの、その空気感が溢れる空間をまとめた。

 

複数人の構成は、整えるべきところが幾つもある。そして、そのひとたちが、そのひとたちらしさを発揮できる幅を残して構成する。

それは物理的な余白だったり、気持ちの面での余裕だったり、自分の予測の範囲を超えてもらうつもりでの予測だったり、そういうものの組み合わせ。

あとは、撮影者が被写体の感情を、動きを、そのひとたちらしい美しさを、引き出していけるかどうかだ。

 

 

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美しさを表現し、思い出を記録する、楽しい遊びの空間

人生の写真館ライフスタジオという名前に込めた想い。
それは、出会う全ての人が生きている証を確認できる場所になること。
家族の絆とかけがえのない愛の形を実感できる場所として、
人を、人生を写しています。

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