Photogenic
青山店
人柄とつながり
投稿日:2017/5/31
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この手は6ヶ月の女の子の手と
86歳になったひいおばあちゃんの手の家族の繋がりです。
写真を撮る時、もしくは撮る前には何を伝えたいのか考えます。
この子の目が可愛い!ムチムチの太ももがたまらん!この仕草がこの子らしい!このパパさんがこの家族の盛り上げ役なんだ!この子は今写真撮られることが恥ずかしいんだ!など
伝えたいものがあって写真を撮り、それをさらに伝えるために言葉を使い説明をします。
来店されたお客様はどんな人達なんだろうか?この家族はどんな想いを寄せて今日を迎えたんだろうか?この子は今何を考えているんだろうか?
それを知るためにも言葉が必要だったり、観察する事が必要だったりします。
3ヶ月前
普段、予約を電話にて受付し仮予約を本予約へと確定させています。その内容の中で今回はどういった内容の撮影を予定されますか?と聞きます。するとこの日の電話で
『今回はハーフバースデーがメインですがひいおばあちゃんも来れそうなのでひいおばあちゃんも一緒に撮影出来たらと思います』
青山店は階段を登り、撮影場所に行くにあたって更に階段を登る形になります。足腰に不安がある方は場合によっては難しい可能性がございます。と説明しました。少し不安さの残る電話になりました。
撮影当日
撮影時間の30分前におばあちゃんとひいおばあちゃんが先に来店されました。
見るとかなり元気そうなひいおばあちゃんでした。
お時間が少しあったのでお話をさせていただきました。
なかなか会えないひ孫の顔を見る事や、成長具合をみるのが今一番楽しみにしていることとおっしゃってました。
だから今日がすごく楽しみに待ってた日なのです。
私はこの時、あ、どこか自分の考えが中心すぎてどこか自分の持っている固定観念を砕きたい!と叫びたかった!
「何を伝えたいか?」という考えだけでなく「何が伝わってきたのか?」
伝えたい写真を残すだけではなく伝わってきたものを残すということ。
そう頭の中を少し砕きました。
写真を撮るということは自ら条件をつくり、イメージに寄せて撮影をするということだと思いますが、スタジオにいらっしゃる家族はみなそれぞれの形がありそれを自然な形として表現をするという事が私の今する仕事なんだと改めて思いました。
このご家族はひいおばあちゃんにこの子を見せたいという想いが伝わってきます。
ではなぜか?と考えた時にこのひいおばあちゃんの人柄がそうさせているのだとわかりました。
撮影中もじっと微笑ましくひ孫さんの事を見守る様な姿勢でわざわざスタジオの端っこに常にいて私たちスタッフの事まで気を使ってくれている様でした。そんなひいおばあちゃんだからこそ見せたい、一緒に撮影したい、この思い出をつくる撮影の日に来てもらいたいとなるのでしょう。
あーしよう!こーしよう!ではなくてもこの今の条件で残せるのもを残そうと思いひいおばあちゃんに聞きました。
『座ってる状態ならひ孫さんを抱っこできますか?』
するとひいおばあちゃんは
『この子が少し動くと難しいかもしれない』
という事で手を重ねるという事を提案しました。
それならできると言ってくれました。
この繋がった手と手を撮影しながら私をつなげてくれました。
撮影はこうしようと考え事が多かったりする私ですが、お客様と話をして見えてくる物を残せる力を私自身身につけていかねばと思いました。
ひいおばあちゃんが来てくれたこと、30分前に来店したことも、撮影中端っこで見守ってくれたのも、抱っこではなく手と手を重ねることなら出来ると言ってくれた事も人柄が出ると感じました。
このご家族とひいおばあちゃんの人柄がわかったから押せたシャッターです。ちいさなきっかけでも作って、今残せるものを提供しこの撮影の背景やこの手の感触、大きさ、を忘れてほしくはありません。時間と共に消えゆくものは多かれどこの瞬間は美しいと胸を張って言える写真であると表現者の私は言えます。
表現をするチカラと聞くチカラ、見るチカラこれらを整理すること。
喜ばれる空間を創れる人になるためにまた日々精進していこうという力を私はいただきました。
ゆえにこの手と手にはこのご家族と私たちの想いが詰まった写真となりました。
伝えたいのもを残すことのも仕事ですが、伝わって来たものを残すことの大切さ、そして一家族一家族にあるストーリーを知る事がいかに学ぶ事が多いのかと改めて気づかされました。
様々な出会いのある仕事ですが、それだからこその楽しみがここにはあると思います。
このご家族との出会いに感謝したいと思います。
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