何度もライフスタジオではこの主題を耳にしてきた。
被写体そのものの美しさを表現する為に、最もインパクトがありながら最も慎重に撮影する必要があるクローズアップとは、何か？
 
一般的にクローズアップとは、被写体にできる限り接近して画面いっぱいに捉えたものであると言うことができる。
この接近するという行為は、撮影者である私たちカメラマンやアシスタントが被写体に対して、撮影中にする声かけや一瞬だけ見せるしぐさ、こちらから様々なアプローチをかけることで、その被写体が持つ特徴を捉えるということが必要となってくる。
 
クローズアップには、何かを強調しようとして被写体に接近し、その表現しようとするものや、動機が明確であれば、クローズアップに込められている被写体の魅力は生かされるだろう。
 
つまり被写体に、より接近しようと思えば思うほど、表現したいものが何かを見極めるためにその被写体に対する観察、洞察等が重要となってくる。この観察や洞察は、カメラマンがただ1人で行うものではない。カメラマン・アシスタント双方が行う必要があり、被写体の美しい角度、光の入り方、どのような小物を使用するのか？どこからどのように声かけをするのが良いのか、お互いが見極める必要がある。
 
観察や洞察するということは、日常生活の中では見逃してしまうような一瞬一瞬で見せる、その被写体の自然な動き、表情、それらを見落とさずに見つけるということである。また、被写体をより美しくするにはどうしたら良いのか？新しく探すということでもある。
 
私達はライフスタジオのカメラマン、アシスタントとして、それらを表現する必要がある。なぜなら、被写体が必ず持っている美しさというもの引き出さなければならないからである。
クローズアップというものは、スタジオ撮影以外ではなかなか撮影するような習慣は無いだろう。だからこそ、より美しく、大胆なトリミングをすることによってその被写体のもっとも美しい瞬間としてインパクトの強いものへとなってくると考える。