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つなぐ、糸、心
投稿日:2014/1/31
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家族とは何か。ライフスタジオにいてそれをずっと考え続けているように思います。家族写真をどう撮りたいのか。その結論のようなものは自分の中にずっとあって、イメージは日々構築されていくものの、根本の概念は入社したときからずっと同じだったように思います。
子どもにとっての親の存在、親にとっての子どもの存在、絆や血や時間や関係で作られたその運命としか呼べない縁を真っ白な空間で残すこと、それが私の中の使命のひとつであるような気がしているのです。
インテリアを一切背景の中に入れないで真っ白の場所で、家族だけの空間を演出するからには、家族の間に広がるつながりの糸のようなものがより明確に見えるように、人の動きや配置を整理して、映画監督のように主導権を持ちながらも相手の動きに身を任せなければいけません。それはつまり、こうしてああしてと指示を出しすぎないというルールが私の中に存在します。すべてが指示したものの中から得られる写真は写真としての完成度は高くなってもそれはただの作品作りでしかなく、私の中でそれは私の目指す写真ではないのです。大人と子どもが混在する家族写真はバランスが重要です。重さの比重が重要です。どちらかに傾くようなバランスではなく、見ていて安心感が生まれるような写真。その安定感こそが、ただキレイなだけの写真の中にあろうとも、私の心は動かないのです。出来るならそこに温かみと安らぎを見出していきたいのです。
技術を、クオリティを、高めていく努力をしていくのは当然のことです。でも、何年写真を撮っていても、私はこの感覚だけは忘れないようにと心がけているのです。でも安定感の中に少しの動きや作りこみすぎていない何かをプラスの要素として足していくことで、私は私の中の安定感を作り上げていきたいなと感じています。
AOYAMA photo by FUNADA coordinate by SOLBEEN
AOYAMA photo by FUNADA coordinate by SOLBEEN
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