レポートReport

2008年8月~2009年3月 教育プログラム

2009/4/2

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■      目的

 

スタッフのリーダーシップを高め、ライフスタジオ独自の文化を創造

 

■      根拠

 

現在日本の写真館が見せる事業形態と文化は長い時間を通して日本の社会における固有の文化、そして写真の需要と関係を持っている。様々な要因が複雑にからんでいるということであり、この時代に合わせていくことができないことから問題が始まっている。

このような状況に納得できる理由がありながらも、同時に時代にあっていない、後進的なサービスを行っているということである。

 

ライフスタジオの競争力はどこから出てくるのか?

ライフスタジオはそのビジョンを“感動のある写真館によって、日本の写真文化を変える”と設定した。写真の文化を変えるということは、現在ある日本の写真館の形態と写真に対する根本の認識を変えることから始まる。また、根本的な認識の変化と共に行動→評価の過程を要求する。

 

革命を夢見る多くの人がいた。しかし、難しいのだ。今すぐに右利きの人に対し左利きになれというようなものである。信念なくしては成りたたない。また、既存の物事に対する適切な評価と新しい代案を創造する過程が待っている。

 

根本認識に関して議論するときのポイントは

 

1.       日本の写真館とライフスタジオは何が違うのか?

2.       ライフスタジオの実態とポイントは何なのか?

3.       顧客にどのように提示するのか?

4.       事業をどのように展開するのか?

5.       核心価値を認識し、事業を展開するスタッフが準備されたのか?

6.       なぜ個別にリーダーシップの発揮が必要なのか?

 

そして感動のある写真館によって、日本の写真文化を変えるためには最小限の実践単位が必要であり、各支店にいるスタッフがそれに当たるのである。

報告書を通して何かを叫んだとしても、私たちの目指す姿に到達することはできない。現場で実務を受けもつスタッフが自らその根本認識を変化させながら行動しなければならない。考えを統一させ、現場で代案を探していく過程が何よりも重要だ。このために、各自がリーダーになる必要があり使命感をもたなければならないのである。

 

すなわち、“感動のある写真館によって、日本の写真文化を変える”とは論理と代案を考えるのではなく、現場で実現されていくものである。

 

スタッフがリーダーシップを高め、ライフスタジオだけの特別な文化を創造するために教育プログラムを展開する理由は、すべてのことが現場でなされているためである。

 

現場で私たちの約束を実行しそれがひとつになったとき、ライフスタジオの特別な文化の創造、それがすなわち、感動によって日本の写真文化を変えるための過程なのである。

 

教育プログラムは、ライフスタジオにおける最も重要な事業として規定する。

 

■      方法

 

-          すべての過程は1ヶ月基準

-          各単位(センター・支店)は月に2回以上の討論を通して結果を出す

-          設定された主題を討論

-          全体会議の場で支店ごとにまとめた討論内容をもとに、結果付けをしていく討論展開

-          総15回の過程を進行

-          基本的に各単位の責任者が進行

-          理論の勉強ではない、現場での代案を提示することが原則

 

[以上、2008年センター長報告書より抜粋]

 

■      内容

 

-          ライフスタジオは何が違うのか?(ビックサイト講義資料)

-          7つの習慣

-          ブルーオーシャン戦略

-          犬と鬼

-          菊と刀

-          戦後史

-          ビジョナリーカンパニー②

(2009年3月現在)

 

■      進行と結論[2009 年3月現在]

 

①      ライフスタジオは何が違うのか? 2008年9月1日:横浜店

-          ライフスタジオの写真を規定しなさい

「撮影の時間と人とのつながりで美しさを表現するもの」

-          ライフスタジオのインテリアは何を追及するのか?

「顧客感動のために時代のニーズに合わせた空間をカタチにし、お客様とスタッフの夢を実現していく場所」

-          ライフスタジオは何によって顧客感動を実現するのか?

「想像以上の満たされた時間と心の触れ合い、そして思いもよらない美しさの発見」

★      それぞれの希望する内容はほぼ似通っていたが、最終的に1文にする段階で言葉の選択に苦戦し、現在は最終的にでたものが最終決定には至っていない。今後再度この内容についての整理と文章化のための過程が必要である。

★      ライフスタジオの最も根本的な部分であるため、すべてのスタッフが常に自分の中で整理しなければならない内容である。

 

②      7つの習慣 part1  2008年10月3日:横浜店

-          ライフスタジオのミッションステートメント作成

「変わらない共通の価値を自らが主導的に追求していく」

★      一般的ではあるがそれぞれの過程を通過しながら進んできているという安定感があることが長所だと考える。これからは変わらない共通の価値とは何なのかということを捜し求める時間になっていく。

★      今後、誰かにライフスタジオで働く理由を尋ねられたら“一緒に価値を探していくため”だと、短くても意味のある答えが出てくることを願う。

 

③      7つの習慣 part2  2008年11月7日:所沢店

-          各自のミッションステートメント作成

-          各自最も優先すべきことは何か?

-          ライフスタジオと自分の関係を説明

★      各自が1対1でスタッフ同士に発表・共有の時間を持った

★      Veryveryの内山さん参加

 

④      ブルーオーシャン戦略  2008年12月5日:所沢店

-          写真館の代替品となりえるものを3つ以上上げる

-          ライフスタジオがブルーオーシャン企業だと考える明確な理由を5つ以上上げる

★      それぞれの考えを共有し、グループごとでの討論を通してお互いの意見を知る時間に宛てた

-          ライフスタジオがブルーオーシャン企業になるための戦略キャンパスを作成

★      12月の所沢店・1月の水戸店での討論の末、ライフスタジオでまとめた戦略キャンパスは以下の通りである。(上記添付ファイル参照) 

★      12月に2つのチームに分かれて出した結果を、討論を通してひとつにまとめた。

 

⑤      犬と鬼  2009年1月9日:水戸店

-          ライフスタジオにおける犬と鬼は何だろう?

「目に見える判断の容易なことから優先することを鬼とし、

 目に見えない時間のかかる根本的改善を犬とする。」

★      ライフスタジオの中で簡単に見つけることのできる理念と実態の矛盾に対し、各自がいる場所においての考えをまとめた。

★      すぐに目に見えるものばかりを追い求めるのではなく、すべての事柄についてそのつながり、理由、原則、関係を深く考え、全体をみて判断できる目を養わなくてはならない。

-          日本の文化的危機を特徴付ける最も大きなものの一つを“統制することのできない過剰”としていますが、この部分に同意しますか?同意するのであればライフスタジオで主張している“自律の中の秩序”はその反対の概念でしょうか?

「自律の中で統制できる過剰システムを作らなければならない」

★      日本の写真文化を変えるということは日本の写真館のスタッフを変えるということでもあり、スタッフを作り上げていかなければならない。統制できない過剰がすべて悪いのではなく、既存のすべての否定で終わるのではない平等な目が必要になる。

 

⑥      菊と刀  2009年2月6日:名古屋店

-          恩・応分の場を占める・義理というものをライフスタジオらしく実現するとはどういうことでしょうか?

★      実際の討論時には下記の質問に変更して討論実施。

-          スタッフ間の関係における応分の場とは?

-          顧客との関係における応分の場とは?

-          自分のおかれた立場における応分の場とは?

これらをライフスタジオの立場、一般の写真館の立場でそれぞれ考えてみた。

★      名古屋店では討論の時間がとても短かったこともあり、結論出しが難しかった。またここからライフスタジオのスタッフが一般の既存写真館に対する認識が全くないという問題点も明らかになった。

★      次回もう一度集中して討論を行い、結果を導き出していく。

 

⑦      菊と刀  2009年3月6日:成城店

-          ライフスタジオにおける顧客との応分の場とは?

-          ライフスタジオにおけるスタッフ間の応分の場とは?

-          ライフスタジオで自分の置かれた立場における応分の場とは?

これらを

  「私たちの考える応分の場とは       である。そのための今現在の障害は

          と考え、       によって解決策を模索する。」

という文章にあてはめて発表することにした。

 

*      西・加藤・小出・辻・古関

「私たちの考える顧客との応分の場とはお互いの居場所を作れる関係である。そのための今現在の障害は関係が重要であるといいながら行動に移せないことと考え、手紙やHPやコメントなどを実践して義務的でも始めることによって自分なりの目標を見つけることが可能になることによって解決策を模索する。」

 

*      ジョン・加藤じゅん・矢川・ピョン・しゅんくん

「私たちの考える顧客との応分の場とは顧客の人生の写真館となれるように顧客満足度を求めるである。そのための今現在の障害は固定概念によるサービスと考え、各スタッフが顧客感動を伴う自ら発するサービスによって解決策を模索する。」

 

*      足立・古田・李仙姫・前田・加藤・内山さん

「私たちの考えるスタッフ間の応分の場とは共に笑い共に泣くチームである。そのための今現在の障害は問題がないと思うこと(見てみぬふり)と考え、目標を定め、それを必死に追い求めることによって解決策を模索する。」

 

*      李・金・南さん・ウニョン・ヒョヌク・趙

「私たちの考えるスタッフ間の応分の場とは必要とされる人になることである。そのための今現在の障害はお互いの違い・差と考え、必要とされる人を育てる文化作りによって解決策を模索する。」

 

*      寄崎・川原・大内・小川・篠原

「私たちの考える自分たちのおかれた立場における応分の場とは自律のものに自己実現可能な場である。そのための今現在の障害は各個人の目標設定の不明確さと考え、自発的な目標設定によって解決策を模索する。」

 

★      戦後史は歴史を知るという意味での本の選択をし、プログラム上での討論は菊と刀で代行した。

★      今回は討論の時間を集中して話ができるように3時間を振りあて、各チームごとに自由に討論を実施した。

★      各チーム5~6人の少人数制で行い、具体的な業務に討論の内容がすぐに活きていくことのできるように討論の結論だしを導いていった。

★      討論を始める前から全体会議における支店別報告の時間を今回からグループに分けて実施した。それによってスタッフが自分のいる現場に対する統計と分析の認識や各自の問題点などについて考えた後に討論に臨むことができるようにした。

 

■      今後の方向性

 

2008年8月から開始した教育プログラムは当初の目的どおり、スタッフ個々のリーダーシップを高め、ライフスタジオ独自の文化を創造していくために進行している。

ライフスタジオを知り、自分を知り、ライフスタジオにおける自分の立場を知っていくために自身の歴史を知り、それについて考える。そしてそれを土台にして私たちの具体的な方向性を知る・・・・という過程であった。

現在までの進行を振り返ってみると、本を読むこと、支店ごとに討論の時間をもつこと、そして討論を通して結論を出すことに精一杯であり、具体的な業務との関連性が低かった。これまでの結果を踏まえ、ライフスタジオのミッションステートメントである「変わらない共通の価値を自らが主導的に追求していく」を実践していくために

・      全体会議のグループ化:スタッフ個々人が所属している支店ごとの状況を知り、自らの言葉で発表することを通してより深く支店を把握していく。

・      集中討論:小グループでの集中した討論により1つの結論を出していく過程でのそれぞれのもつ考えを共有し、出した結論と各自の思いを具体的にリンクさせる。

これらを通してすべてのスタッフが自主的に参加しやすい会議の文化作りをしていく。