レポートReport

2009年事業計画書-2009年の核心主題

2009/1/30

1657

g. 2009年の核心主題

 

1.    日本の写真文化を変えるということに対する証明

 

それでは、Life studio内で“日本の写真文化を変えるということはどういう意味ですか?” と聞かれたらはっきりと答えることが出来る人が何人いるだろうか?

おそらく、お互いに違う意見を言うことになるだろう。Life studioの目標をみつめる場所が違うということ事態が問題の始まりであり同時に目標を合わせていく努力がLife studioの競争力を発生させる根本であると信じる。

 

Life studioの目的は“日本の写真文化を変えること”である。

そうならば“何を”という一つ目、そして“どうやって”という2つ目の質問がでてくる。

 

“何を?……”

 

まず写真館の構成要素を羅列し、要素についての相互関係を明らかにする。もちろん、ここに実行されなければいけないものは写真館の概念と私たちの写真館での共同の目標をもつ理由になって説明される必要がある。

 

写真館の構成要素はビジョン、目的、戦略、戦術、顧客、スタッフ、写真、デザイン、物流、インテリア、商品、価格、マーケティング、ホームページ、教育、関係、コミュニケーション………….

 

この全ての部分が何のために一貫した体系を持たなければならないのかを明確にし、選択と集中の過程を通って新しい価値を創出していくことが日本の写真文化を証明していくことになる。

 

 “どうやって?……”

 

文字で証明していくということはもちろん十分な条件ではあるが、必要条件ではない。論理を開発し教育を通して意識を共有し、それを実践に移す作業が一定のバランスと時期の一致と共に必要になる。

論理-教育-実践-評価の作業がなされたとき、Life studioが“日本の写真文化を変える”という命題が効力を発揮する、ということを証明するのである。

 

このために変化の基本単位に対する決定が必要だ。

Life studioのスタッフ、本社を中心にした先導事業、アカデミーを中心とした論理化及び様々な写真館を同時に施行するなどの方法がある。

基本単位はLife studioスタッフであるべきだと考える。

日本の写真文化を変えるということは、日本の写真館で仕事をしているスタッフの考えと行動を変えるという言葉と同じ意味だ。写真文化を変える主体である写真館のスタッフを変えるために技術、教育、システムの革新が必要である。

 

Life studio スタッフの変化のための2009年が計画されなければならず、その実践単位もLife studio  のスタッフを中心に実践されなければならない。論理だけの革新ではなく、革新の主体と対象をLife studioのスタッフとする。

 

彼らの口から日本の写真文化の問題と代案が話され、現場において顧客と共に関係とストーリーをつくっていきながら、写真館を美しさを表現し楽しい思い出を記録する場所として作っていくとき、日本の写真文化が変わったといえるのである。

 

実践方法としては

-. アカデミーの準備と実践の過程で論理化する作業

-. 教育プログラムの持続的な実行による学習と教育の日常化

-. 店舗の拡大と循環勤務を通した経験の立体化作業

-. ヒット商品とLife studio だけのマーケティング戦略

-. ホームページを通した論理と実践の過程の公開

-. 2009年 “ブルーオーシャン企業 Life studio”という名前の論文発表

-. 外部講義を通した論理拡散と幅広いLife studioスタイル確立

 

2008年を評価する過程で論議になった部分が、いったいどんなことが起こったときに日本の写真文化を変えているといえるのか?という質問だった。

 

テレビ放送にLife studioが出ることになったとき、Life studioに関する本が発行されたとき、多きな会社との取引関係が成立したときなど、想像するだけで嬉しくなるような話をしてきた。

 

このような話の中に Life studio人”という単語が出てきた。

 

売り上げ、利益、マーケティングの部分ですばらしい成果をだしたからといってそれが日本の写真文化を変えたというには限界がある。これらはどこまでも自己満足になってしまう可能性が高い。外部から見える部分で判断をするならば日本の写真文化を変える写真館は全国に400箇所に写真館をもっている“スタジオアリス”になるだろう。

現在日本の写真市場の問題は着物を中心とした伝統と時代が要求する部分が調和をもつことができていないということから始まる。この不調和の原因は人々の静かさだ。その静かさの主体は日本の写真館に行ってみると写真館のオーナー、マネージャー、スタッフだ。すなわち、すべての問題の原因は人だということだ。

日本の写真館に行ってみると、オーナーをはじめとした管理者とスタッフの間には超えることのできない壁が存在しているという印象をうける。管理者が新しい概念と方法をもち、スタッフが現場で変化と発展の理想的な構造を作っている姿を見つけることができない。内部・外部のすさまじい競争がないということが発展の動力を持てない大きな理由である。

 

Life studioが日本の写真文化を変えるということを証明する最も基本的でありながら確実な方法は変化の主体でありながら核心になる価値を実現しているという“Life studio人”をつくりだすことだ。

すべてのスタッフが参加する全体討論書Life studio のミッション宣言書が作られた。

 

“変わらない共通の価値を主導権を持って実践する。”

 

“マニュアルに頼らない、歩くシステム”,

“自己の主体性をもってLife studioの核心価値を実現するLife studio人をつくること”

2009年の最初のポイントとなる主題である日本の写真文化を変えるということに対する証明の基準になる。

 

 

2. ブランド

 

l       ブランド – 物を売る人の商品及びサービスを識別するのに使用される名称、記号、デザインを総称

l       ブランド戦略 – ブランド、すなわち商号を広告宣伝などによって広く広めることにより競争者の同一の商品と自らの商品と差別し、競争上有利な立場を構築することを元にしたマーケティング戦略

 

Life studioで必要なことは新規顧客よりもLife studioを支持してくれている既存顧客に対し、Life studioを明確に確認させるための論理とイメージだ。もし、それがブランドとブランド戦略であるならば、2009年には必ずしなければならない。

■ 1,2名の優秀なスタッフで維持された組織ではない

 個々人により戦術的顧客管理と共に

 顧客の忠誠心を維持し、私たちの戦略と戦術を性格に認識することのできるブランド

    ■ 日本の写真文化を変えるという鮮明な旗

■ 日本写真市場での主導権確保

 

 

3. システム管理

 

ここで定義するシステム管理とはLife studioの目標と追求する状態のためにLife studioを構成する要素を適切に調節、配置、創造する管理を意味する。

Life studioを構成する要素としては価格、商品、予約、撮影、モニター、デザイン、物流、環境、ホームページ、コミュニケーション、各部分での関係、日程管理などを意味する。

 

今までは特定の個人によって、何らかの状況が展開されたらそのつど決定をする状態だった。そのため一貫性の不足とその場限りの判断によりミスが発生するという状況を多く目にした。

また問題が発生してから代案を模索していくような状態が連続しながらお互いの信頼を少しずつ崩していくような事態が発生した。

特に支店が6つになり、2009年にも2-3つの店舗のオープンが予定されている状況の中、全体を見渡してシステムの調整、配置、創造という過程が絶対的に必要になり、各支店で発生する共通の問題をひとつに集めて問題の予防していく努力が必要だ。

 

システム管理に追加しなければならない部分は各支店とスタッフをつなげることのできるコミュニケーションと情報の公開部分である。各支店が共通してもっている問題と各支店の独特な問題は全体的な視覚でみてみると簡単なことが多くをしめ、公開された空間での論議と決定を必要とする。これらが持続したときに簡単な問題が危機をもたらすほどの大きな問題になることもあり、スタッフのストレスの原因になっている。

システムを管理し新しいシステムの創造の過程が各支店とスタッフをつなげる具体的な方法になるような効率的な会議及び疎通のチャンネルを多様な角度で準備する必要がある。

 

本社でシステムを担当するスタッフが決定し、一定の期間Life studioのシステムを最初から検証し調整する仕事が、2009年の最初に実践されることになっており、新しいシステムに対する同意と討論の時間が必要だ。

 

 

4. 学習と教育

 

繰り返し説明をするがLife studioの競争力は人から発生するものだ。

Life studioが追求する価値革新も最終的には人を革新するという言葉である。

もう一度強調するが、写真やインテリアでもない人が価値革新をする対象だ。

写真やインテリアはいつでもほかの写真館で同じようにまねできる部分であるが、人を価値革新の対象にし、人に100%依存する会社は誰も真似できない、無限の競争力を持っている。

 

“日本の写真文化を変える”ということと “日本の写真館スタッフを変える”は同義語である。

 

学んで力にしていくこと(学習)と教え、方向を提示すること(教育)はこのような関係で分離して考えることはできない。2008年初期には教育のみがあり学習はなかった。だから、受動的であったし維持も不可能であった。2008年後半に始まった教育プログラムは学習と教育の相乗効果をほんの少し、垣間見ることのできる時期であった。

 

本社で教育を担当するスタッフが決定し、持続的で体系的な教育が必要だ。

 

■現在進行中の教育プログラムの教育の質を高め各支店の水準を一定に保つための努力

■特定の主題を定期的に教育

■Life studioのスタッフの中で特定のプロジェクトを学習し実践する集まり

■“ブルーオーシャン企業Life studio”の学習と全体教育

 

 

5. トレンドメーカー

 

“日本の写真文化を変える”ということはほかの言葉にすると

日本の写真市場の傾向を Life studioが主導的にひっぱり

最終的には Life studio styleに再編する状態ではないだろうか?

 

既存の日本の写真館が持っている問題を提示するのではなく、新しいトレンドを提示し実践していくこと事態が市場の主導権をもって日本の写真文化を変えるという最も早い道である。2008年の核心主題をヒット商品の開発と考えていた。しかし、ヒット商品の開発のポイントになる課題設定は間違った設定であり、具体的な事業として展開することができなかった。

 

トレンドをつくり傾向を主導するということは内容と形式の調和を必要とする。

 

内容と主題に対する研究が必要であり、その対象は上記の“1.日本の写真文化を変えるということに対する証明”で説明した。証明するためには学習をし、教育する作業がより重要になる。

 

形式は様々な形態で表現することができる。

■各店舗で顧客と共に動くスタッフの行動と言葉

■ホームページにLife studioの主題に対する主張とスタイルに対する広告

■同伴者的な協力業者との共同プロモーション

■アイディアをイベントに連結

 

トレンドメーカーということに対する明確な認識が不足なようなので、ひとつ例をとると

 

“ナイキの競争相手は任天堂だ”というトレンド関連の本がある。

ナイキの競争相手がアディダスやプーマではない任天堂だという理由はナイキの主な消費対象者が小学生・中学生が任天堂のゲームに明け暮れて運動をしなくなり、ナイキの主力商品である運動靴の消費が少なくなるためだという。トレンドが変わり顧客と消費パターンが変わるという説明だ。

この本の著者は新しいトレンド8つを提示しているが、いくつか上げてみると

-. ライバル者と顧客シェアで戦うのではなく

顧客が自社の商品やサービスを利用する時間のシェアを高めろ

-. 商品者は有益で便利なものこえ、楽しみを重要に考える

すなわち、エンターテイメントの要素をとりこめ

-.story telling、すなわち単純な販売ではない、そこに物語がなければならない

顧客との特別な物語、何か意味のある物語を与えることができなければならない

-. 口コミでのマーケティングが確実な方法だ

などの8つがある。

 

この部分をLife studioの戦略と戦術に当てはめてみるととても多くの共通点を探し出すことができ、新しいアイディアを創出することができる。

 

Life studioの構成要素が産業の境界をこえ

新しいトレンドを提示するということが

ブルーオーシャンに向かうための最も早い近道だ。

 

 

6. カメラマン確保

 

リピートと顧客紹介の急速な増加はLife studioに対する期待を高めている。

しかし、規模の増加とカメラマンの技術的な完成度はそれに比例していない。

 

オープンは3ヶ月あれば十分だが、Life studioが認めるカメラマンを育成するのに少なくとも1年かかる。Life studioに入社して約3ヶ月は写真館の構造、システム、写真の傾向、顧客との関係などLife studioの基本的なことを学ぶことになる。その後3ヶ月は写真の教育と学習が進み、実質的に撮影をすることができるようになるには入社して約6ヶ月程度の時間が過ぎてから、開始である。そして6ヶ月程度の撮影過程が過ぎたらある程度Life studioの写真とスタッフとしての雰囲気を持つようになる。この過程の期間の間、自己が決めた目標を達成するためには本人が休みはないと決意するくらいの強制が必要になる。

 

撮影を担当した2人のスタッフがセンタースタッフとなり、オープンする店舗にてカメラマンに対する需要が増加するが、それに合わせた技術がついていかない現状だ。

基本的にLife studioが安定するということは、どのような状況でも撮影が可能なカメラマンの確保から出発する。

 

2009年の目標はLife studioが認めるカメラマンを10名程度育成することが目標であり、現実が要求している条件である。

 

 

7. 2009年の規定

 

2009年を “持続可能な企業-Life studio”と規定する。

 

2008年の目標だった[Life studioの旗を掲げるための準備完了]の期間の間、Life studioの目標と戦略、そして戦術の正当性を確認した。

上記で述べたように2009年事業の核心主題はこれからLife studioが日本の写真市場で市場のシェアを象徴する規模の拡大ではない、主体性、人、傾向の主導権が重要だということを示している。

すなわち、量ではない質でLife studioの競争力を強化し、持続可能な企業としてつくらなければならないという意味を含んでいる。

 

持続可能な発展という意味ではおおよそ経済的、社会的、環境的部分を意味する。経済的には未来を見極め環境にやさしく高付加価値事業に対する育成を、社会的には質の高い商品とサービス、雇用、納税、寄付などの社会的な部分の企業の責任を、環境的には地球温暖化が加速しながら環境にやさしいエコ事業の創出を通した持続可能な発展をなせる企業などを説明している。経済、社会、環境が適切な調和をもち、環境にやさしい上で継続して発展が可能は社会と企業をつくらなければならないという意味で持続可能発展という表現を使っている。

 

私たちが2009年を“持続可能企業Life studio”と設定した理由は経済的、社会的、環境的な部分の中で2009年にはまず経済的な部分で価値の革新を通した内部再生産構造にピントをあわせ持続可能な企業として進まなければならないという意志の表現として受け止めるべきである。もちろん、社会的、環境的な部分も同時に行う必要のあるものとして理解しているが、Life studio全スタッフがLife studioの価値と経済力に対する確信と実践が確保された状態で可能になると判断する。2009年にも経済的な部分での持続可能性を確立するため、Life studioをどのように安定させ、効率を高めていくかに私たちの活動の方向性を設定しなければならない。

 

•. Life studioは基本的に規模の拡大が不可能な組織だ。

1年に20~30店舗をオープンする方式の既存のフランチャイズ事業とは全く違う経営方針をもっている。規模の拡大は私たちの競争力が高まることを前提にするため、1年に2-3店舗が適切な政策でありそれ以上の展開を考えたとき、無理がかさなり原則の修正を要求することになる。

 

•. Life studioは目標と原則を保守的に運営し、新しい技術とシステムに対してはより進歩した行動を望む。

 

•. 企業の価値をスタッフの競争力に作り上げていくためには、システムと速度調節が必要だ。すなわち、望むスタッフを育てるための持続的な活動とゆっくり流れる時間の美学・・・を楽しむ必要がある。

 

•. そして売り上げ、成長、利益などの既存企業が持っているパラダイムから抜け出し、価値、人間関係などを重要に考える。それが企業が社会に対して責任をもつことの始まりだ。

雇用、税金、すぐれたサービスなど、それから人と人がともに明るい社会を作り上げる企業の社会的責任も共に実践しなければならない。

 

•. Life studioの主題は事業を持続的に維持することによってのみ実態が少しずつ見えてくる性質をもっている。よく耳にする“大成功”ではなく持続可能な企業-Life studioが適切な方向性であると判断する。

 

日本の写真市場で一定の成功と競争力を確認した2008年、

2009年は持続可能であり内部の再生産構造がしっかりした企業を夢みている。