レポートReport

2009年事業計画書-2008年は私たちにとってなんだったのか?

2009/1/30

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g. 2008年は私たちにとってなんだったのか?

 

2008年 1月に計画して約束した部分を確認しながら

半分の成功、半分の心残り、という表現が適切だ。

方向を決め原則を守ろうとする努力に対しては肯定的な点数をつけることができるが

細かいところにおいては重要な部分に対処できずに事業を展開してきた。

しかし、原則と方向は正しく、それを守ろうとする意志を持っていた。

また、2009年もその延長上にあり、現在も進行している。

 

 

1.規模の拡大

 

6つの店舗拡大がもたらした影響をもう一度みてみると

 

·  規模の経済を実現できる売り上げと費用の最小条件の確保

·  システムを稼動してみることのできる直営・加盟店舗の数

·  加盟店のオープン、運営経験からできるノウハウ

·  より広いマーケティングを行うための資金・スタッフ・地域の確保

 

2008年は規模が大きくなることによって様々な問題が発生し、それを解決していく過程で私たちの技術とシステムがよくなっていくという結果を見せた。

また、規模の拡大が本社を構成するだけのものをつくり、Life studioを中央舞台に進出させるための最小単位が作られた。

毎月平均¥1.300.000~\1.600.000 程度のロイヤリティが発生する。本社運営のための最小費用が人件費¥1.700.000、事業費¥500.000、運営費¥200.000、合計¥2.400.000程度が必要だ。現在は毎月¥1.000.000程度の金額が不足しており、また直営店の利益、オープン過程で発生するロイヤリティで総裁している。そして2009年にも2~3店舗のオープン予定があり、アカデミーなどの収入事業を本社で独自に進めていけば本社の財政は徐々にバランスをもつようになるだろう。

 

何よりも規模の拡大の大きな長所は状況にあわせた展開をするのではなく、発生する問題とこれからの方向性について先に予測し、主導権をもって進めていくことのできる条件ができているという点である。また、システムに対する必要性が少しずつ共感をもちながら効率と持続性を確保することのできる本社の活動が重要になる。

 

Life studioは売り上げと利益に執着しない。もちろん経営を営む上で規模、売り上げ、利益も重要な要素ではあるがLife studioは目標をもってその目標を達成しようとする意志を十分にもっている。規模が拡大されたということは単純に数字が高くなるという意味よりは、目標を達成することのできる最小条件が満たされたということが、重要だ。もう一度Life studioの目標をみてみるとしよう。

 

私たちの目標が明確になりその目標を実現するための費用、スタッフ、実践単位が

整う必要があり、規模の拡大によってその最小単位が2008年に構成された。

これからは主導権をもって事業展開が可能になるということが

2008年の最大の成果だと言える。

 

加盟店のオープンによりLife studioの主体性と基準をあわせていく過程の中で、全く別の理解と要求が衝突し、協議の過程を過ごした。衝突と協議は発展の動力になり、今はまだゆっくりではあるが同じ考えとバランスが少しずつ確保されてきている。

直営店と加盟店の違い、そして1~2店舗の直営店から6店舗の直・加盟店の構成は主観と客観の質的差をもたらした。会社のビジョンと計画をもっているオーナーが直接主観していた1~2店舗の直営店ではその価値というものが主観的になるしかない。その主観が問題になる要素を必ずしも持ちえるということではないが、“日本の写真文化を変える”という考えを実現させるためには1人の直接的な介入ではない、すべてに通用するシステム、理論、技術が必要だ。すなわち、どんな場所でも適用可能な普遍的な模範解答があるとき、私たちの目標が実現されるのだ。

 

6店舗という規模は主観から客観に

個人の経験からシステムに変えていく基礎を提供した。

 

そして私たちが注目しなければならない部分は規模の拡大がそのまま質的な拡大にはならないということだ。規模だけが大きくなり内容が不足していくという状況をもっとも警戒しなければならないが、この部分で2008年は限界を感じさせ、その発展速度もやはり私たちが期待していたよりも遅い速度である。日本と韓国、既存スタッフと新しいスタッフ、現在のトレンドを変えるという創造的活動、スタッフ個々人のエネルギーがひとつに集まるということ、本社の論理と方法がいかに各支店に早く浸透していくかということが重要になる。

 

規模の拡大を通した条件の成熟を質的拡大というシステムで

迅速に、そしてどんなときも変化するための努力が2009年に要求される。

 

 

2. Life studioの主体性

 

主体性(アイデンティティ)の辞書の意味は、変わることのない存在の本質を見極める性質、またはその性質をもつ独立的な存在だ。

Life studioの主体性を確立するということはスタッフすべてがLife studioの存在の本質を悟り、それをすべての部分に適応させるというイメージである。

 

顧客はLife studioの主体性に対する好奇心、同感、関心などの過程を通って関係を形成する。すなわち顧客は技術、商品のいい悪いの前にLife studioが追求する主体性に対する疑問から関係を始める。

またLife studioは経済活動をする、という意味と共に自分の人生のなかで自らの主体性を確立し、自己実現をするための空間になる必要性をもっている。

 

Life studioの主体性を一言で定義することは難易だが、簡単に説明をすれば

 

写真館の概念を新しく設定し

写真、顧客、空間を既存の写真館とは全く違う視点でみる。

すなわち、写真館は技術と関係から価値が発生すると規定し

“共にする楽しみ”“自律の中の秩序”を運営原則とする。

すなわち、Life studioは内部・外部顧客が同時に自己実現をすることのできる

経済共同体の性格をもつ。

 

これら全てを表現する言葉が

[Life studioは日本写真文化を変えることを目的にした自己実現共同体である。] 

 

2008年が始まったころ、多くは新入社員であり適応していく過程に退社をしたりしながら大きな危機にみまわれた。これはLife studioの主体性に対する論理と確信の欠如からきた結果だと判断し、全体会議と教育プログラムを展開した。

 

スタッフが毎日Life studioで顧客と出会い、少しずつLife studioが追求する主体性と顧客が望む価値がどのような競争力をもつのかということに対し、考えるようになった。Life studioで個々人の能力の差を少しずつ認めていく雰囲気がつくられ、その基盤の上で全体会議と教育プログラムの稼動は全体をひとつにしていく機会になった。これはLife studioが論理化の段階に移動した姿を見せている。

Life studioの目標は“日本の写真文化を変えること”“顧客との関係形成が重要だということ”

“技術・システム・マインドで価値を作り出す構造”“共に過ごす理由と自律の中の秩序を守った価値創造”などの内容に対して正確な理解ではなくても、それがLife studioを支える柱であり強化、発展が必要だということに対しては理解している程度の水準だ。

 

主体性が確立されるということは、各自の行動に意味を付与することであり、価値判断をする基本の土台を提供する。その中で眠っている各自のエネルギーが発散され、それが集まって相乗効果をもたらすということが、私たちが望む理想的な状況だ。

 

2008年は主体性が確立されたということではなく、

全てが同意する方向が設定されたという意味で点数をつけることができ

2009年には具体的にLife studioの主体性に対する論理化の作業と

スタッフに対し同意と確認の過程を必要とする。

また、Life studioの主体性を明確に表現することのできる事業を

創造するという課題がある。

 

ひとつ注目すべき部分は顧客が自己実現の主体になることができるか?ということだ。私たちが顧客を写真館に1-2時間程度滞在させ、顧客を認識することもできるし、経済的な利益を与えてくれる対象とすることもできる。

しかし、Life studioはまた違う考えをもっている。

自己実現ということは自己の潜在的にもっている可能性の実現と解釈するのでれば、これは自身がそうだと信じることに対する衝撃、信頼、評価、確信の過程を繰り返して自己を高めてくれる。

Life studioは顧客が忘れていた、または追求しようとすることをどのように提示し、一緒につくっているのか?

 

以前、水戸店からの報告にあったように2番目の子供を妊娠した顧客を撮影した場合の例などが的確な例だといえる。

顧客は様々な困難の中で授かった2番目の子供に対する期待、不安、愛情に対しての感情をもっており、2番目が誕生することに対する長女の好奇心、嫉妬を心配する思いや期待の思いも同時にもっていた。だからこそ撮影された写真をみながら、言葉にすることができない感情が涙に代わったのであり、その事情を知った2人のスタッフもまた、その出会いが喜びの涙になって現れたのである。

 

写真館での関係設定により自分がもっている様々な感情の扉が開き、撮影過程を通してもともと持っていた写真館への概念が少しずつ変化し、自分が美しさに向かっているが故に、ある一定の信号をうけるようになる。好奇心と期待で満たされている状態で撮影された写真を見ながら、その言葉にできない感情と動揺が瞬時に現れ、自分自身を発見する。そしてスタッフも自分の携わっている仕事に対する自負心と共に自分のいとおしい子供のように感じることができたのだ。

 

Life studioの主体性が“顧客とスタッフが同時に自己実現をする経済共同体”だという言葉は、今はまだ大げさにきこえるが、私たちの考えと実践の方向性を提示する宣言的な表現であり、同時に写真館で行われる日常的な行為から少しずつ、その意味を知ることになるだろう。

 

 

3. これからが始まり

 

韓国のサガナムスタジオの場合にも同じような例がある。1,2人の特別な能力と時代が要求する状況での適切な登場により、ある程度の成果を得ることができた。すぐに4~5つの店舗を基盤に本社をつくり、多様な事業(海外進出、海外デザイン本部、フランチャイズ事業など)を展開した。しかし、結果は事業の不振と情報の歪曲、各部署を勢力化していくという悪い結果をもたらした。

特別な個人の能力を超え、本社が構成されシステムで転換されるときは、必ず明確な何かが必要だ。

 

すべてのスタッフが同意する原則とビジョンが、それである。

 

最高の選手を集めたドリームチームだからといって必ず最高のチームになるとは限らない。その場所に所属するスタッフすべてが共に同意した原則とビジョンがなければ、個々人の能力は分散し、縮小する。私たちが共に学んだ“7つの習慣”にも、互いが同時に勝利し、相乗効果をもたらさなければならないと説明している。同時に勝利するためには、スタッフすべてが同意する原則とビジョンがなければならず、それを学習し、教育する努力が重要だ。

 

上記に述べたように、規模の経済が確保され、主体性の方向に対しての同意が得られたということは、これから何かが始まるという出発点に到着したことを意味する。そしてすべてが同意した原則とビジョンがあるということは、2008年に勝利が保障された段階をつくりあげたのではなく、お互いが勝利することのできる出発点を作り上げたという意味にうけとめなければならない。反対に、Life studioが失敗する方向に行くこともある、ということも同時にもちあわせる。がんばって運動をし、国家代表になってオリンピックに行ったからといってその選手が成功したということはできないが、成功のためのスタートラインにたったということができる。すなわち、それは機会が生じたということなのだ。

 

. 6店舗のスタジオという経済的規模

総合的な判断と実践力を持つことのできる本社の構成

規模、内容、経済力をもった市場の主導権を確保

リピート、顧客の声を確認できる顧客満足の競争力

. Life studioが追求する原則と方向に対する確信 

 

これらは2008年が不足な部分も多かったけれど、Life studioが原則とビジョンのある価値の革新をなす会社として質的な向上をすることのできるスタートラインに位置しているということを付与している。

 

何か始めることのできる地点に立ったということの、何が重要なのだろうか?

 

“ビジョナリーカンパニー 2 飛躍の法則”という本をみると、ハリネズミコンセプトという原理が出てくる。謀の多いきつねよりはひとつのことに命をかけるハリネズミのような会社の方向こそ、単純明瞭に設定して継続して実行していけという意味である。

偉大な企業を分即してみると、3つの円(世界で最高になることのできる仕事、経済的に助けになる仕事、深い情熱をもつことのできる仕事)の深い理解を反映し

ひとつの単純な概念を作る共通点を発見することになる。企業の力量や規模よりは

世界で最高になり、経済的な助けになりつつ深い情熱をもてる状態をすべて包括している共通の要素を簡単かつ明瞭に整理し、ハリネズミのように持続的に追求しろということだ。

 

Life studioの論理は単純だ。

現在通常の日本の写真館は伝統と記念の枠の中ですべてを行い、顧客とスタッフを同時に挫折させるようなシステムで写真館を本当に“写真館”として、維持している。

Life studioは

-. いい写真を撮り顧客と友人のような関係を形成し、写真館をもっと楽しい空間にしよう。

-. 主体が人であるため、顧客とスタッフが同時に自己実現をすることのできる環境とシステムを作ろう。

-. その中で自然に Life studioの運営原理が

共に過ごす楽しみ、 自律の中の秩序となった。

 

2008年が始まったころには内部のスタッフもLife studioが追求する企業の方向に対する確信がなく、市場での反応も新しいことに対する一部の選択程度だった。しかし、1年の時間が経ち、規模が拡大されながら市場で成功的に安着していく姿を目の当たりにし、主体性と競争力を確保しながら少しずつ3つの円の中にある単純な概念が姿を現した。何が価値であり、革新の対象なのか、顧客とスタッフが同時に望む状態に対する検証と確信をもつようになり、その原則とビジョンを継続して実践する出発点にきているという共感が形成された。

主題を把握し目標地点が明確になったということは各自に動機が付与されていくことを提供し、一貫した政策生産と実行を確保する。そして規模の拡大を通した写真市場の先導的な事業の進行とその単位を可能にした。

 

 

4. Life studio 競争力の確認

 

冷静に考えてみると私たちが顧客を写真館まで来させるために特別に努力したことは、何もないといえるほどの2008年だった。エキスポに2回ブースを出して顧客を集めること以外には特別なことはなにもない。

それにもかかわらず、損益分岐点を心配しなくても良い状態になったということはほんとうにありがたい状況である。

 

現在顧客の来店経路を見ると各支店で少しずつ内容の違いがあるが、顧客紹介40%、リピート20%、検索10%、その他20%という結果である。

これはLife studio内部の競争力といえる顧客紹介、リピートの比率が60%を上回るということだ。

 

Life studioの売上が安定的に維持され

未来を希望的に判断する決定的な要因は

Life studio内部の顧客再生産の構造がしっかりと構築されているということだ。

 

次に顧客はなぜ Life studioを選ぶのかという説明が必要だ。

 

進化した大衆性を持っている写真

顧客が緊張をすぐに解き、関係を形成するLife studioセラピー

予約をして商品を受け取るまで全過程が簡単で楽だというワンタッチシステム

楽しい空間としてのLife studio

美しさを目指して被写体を動かせる創造の過程

 

日本社会で誰かに紹介をするということは簡単ではない部分であり、自分の確信がなければそのように広く広がっていくことは難しい。

また、写真館のいろいろな構成要素で特定の部分がいいからといってこのような顧客紹介やリピートのパーセンテージを見せることは不可能であると考える。

それは、既存の日本写真館とは質的に“ちがう”ということと、人を魅了させる“吸収力”を持っていることだと考える。“ちがう”と“吸収力”の間にはある関係がある。単純に既存の写真館と形態や機能が違うから新しいし稀少価値を持っているという要素だけではない。希少価値がある商品が人をひきつける吸収力をもつということではないからだ。

 

結論は Life studioが普遍性を訴えているためだと考える。

そして生きているからだ。

 

インテリアショップやかわいいイタリアンレストランよりもLife studioのインテリアの水準が、まだまだ低いし、その完成度もやはり、すこしいい・・・という程度だ。しかし、Life studioは写真館の全ての構成要素が一括した考えの中で直接つくられ、その結果である写真もその基盤の上で顧客が期待し、要求するものを提供している。顧客との関係もインテリアや写真、システムの品質に維持されている。

 

すなわち、誰でも望む普遍的な一貫した考えで

写真館の全ての構成要素とつながっている。

 

そしてLife studioはスーパーのような場所で一定のきまった商品を購入する形態とは違う。

顧客とスタッフがひとつになって顧客だけの創造の世界を作り出しているため、より生きた感動が発生する。すなわち、写真館の存在理由でありながら最大の競争力と言える創作行為は生きた新鮮さと写真の高いクオリティーを基盤にして新しいストーリーをつくりだしている。

 

顧客と共に新しい創作物を一定の技術を基盤にして

常に新しく作り上げるということ自体が

生きた感動があるということである。

 

それは普遍性と共に、私たちが生きているという事実に対する

適切なバランスを維持していることである。

これがLife studio の競争力の根である。

 

もちろん、完成しているということではない。

顧客を紹介して自分の経験から普遍性はつまらないものになってくるし、新しいポイントや形式を要求するようになる。

変わらない主題の強化と形式を新しく変えていくことのできるLife studioにならなければならない。

 

Life studioの発展は

主題の強化と新しい形式が発見されるという前提の下に、有効である。

 

 

 

5. 犬と鬼

 

目では見えないが持続的に進めて行かなければいけないことがある反面、一度の決定で実行に移していくべきこともある。

2008年の活動を評価するに置いて、目に見えすぐに行動を要求することはある程度の成果を見せているが、本当に重要で私たちの器を作ってくれる難しい事柄はほったらかしになっていたり、進めることができなかった。

 

その代表的なことがブランド、簡単なシステムの構築だ。

 

ブランドというものは目にはみえないが、数量を表示することもできない知的財産権にあたる。専門知識も不足であるし、その空間をうめるだけのスタッフも配置しない状態で必要だという理由だけで守れない約束をすることになっていた。また、全体を判断して方向を設定したあとに実行に移していく作業であり、規模が大きくなるにつれ、徐々に必要になっていく作業である。

システムというものも生きた有機体ともいえる部分であるが、担当の不在や持続的な検証がなされることはなかった。

 

規模の拡大と顧客の急速な増加によって目に見えない現実に対してのみ、事業をすすめていた。本当に重要な部分に対する設計と作業が停止していたということは、私たちも犬と鬼の中に深く入り込んでいるということだ。自動車を作るうえでもっとも重要なエンジンとデザインなどが完璧であるとしても、タイヤがなければどうやって自動車が前に進むというのか?

 

できないことであれば、それは勇気をもってすてなければならず、必ずやらなければならないのであれば、条件を作る必要がある。

本当に重要なことと、持続的にしなければいけないことに対する計画が、2009年度に設定さればければならない。