レポートReport
Life studioは何が違うのか? part 1
2009/1/15
2284
★この文章はライフスタジオのオーナーであるMr.Leeが2008年スタジオ写真フェアにおいて写真関係者たちの前で講演をしたときの文書である。
2008年7月スタジオ写真フェアワークショップ用資料
目次
1. はじめに
2. Life studio 写真の特徴
3. Life studioのインテリアはどのようにつくられていくのか?
4. Life studioの顧客感動
5. Life studioの計画
2008. 07 Mr. Lee
1. はじめに
たくさんの日本の写真館を実際に目でみて感じ、経験をした上で共通して感じることがあります。
それは、何か大変なことが起こる直前の静けさというか・・・・・・・・
日本にある写真館の写真とシステム、文化などが不安定に現れている状態であり、
向かうべき方向が見えていないということは事実です。
その根源は以下2つの理由からくるのではないでしょうか。
-. 写真館は何を基盤にしている産業であるのか?技術なのか、サービスなのか?
-. 日本の写真館は発展の動力である“競争”が存在しているのか?
Life studioは、この2つの問いに対し、次のように答えます。
-. 現在の写真館はサービスを基盤にしている。
しかし、写真館は写真を媒体にして顧客に“感動を”サービスするところでなければいけない。
-. 日本の写真館の発展が滞っている一番の理由は発展のための競争がなされていない。
競争がないので発展も滞り、顧客の理解と要求に対応できずにいる。
しかし、時代はとても早く変わっている。
したがって、Life studioは写真館の概念を“美しさを記録し、楽しい思い出を記録する楽しみの空間”と新しく規定し、写真館を構成するすべての要素に顧客とスタッフが同時に満足することの出来るシステムとサービスを何よりも優先順位に盛り込むこととします。
また、写真館の競争の根源はスタッフ自身の競争から始まると考えます。ですから、写真館という空間はスタッフが“自己実現”の場として構成されなければなりません。自分自身との競争から発生するエネルギーが顧客と共に過ごしたいという気持ちにつながっていく仕組みを目指します。すなわち、“人をつくるスタジオ”になりたいと思うのです。
今から約20ヶ月前、青山にLife studio1号店をオープンしながら始まった“日本の写真文化を変える”という目標には説得力があります。
写真館を楽しみのテーマパークとして規定し、自分自身との競争を目指すLife studioが、本当のブルーオーシャンとなることを信じています。
今回の講義で理論的な部分は口論しません。事実、自分がよく理解しているわけでもなく特別関心を持っているわけでもないのです。ただ、Life studioはいったい何が違うのか、顧客がどうして選択してくれるのかについての説明をしたいと思います。
それでは、はじめていきます・・・・・・・・・・
2. Life studio 写真の特徴
写真館の写真を構成する要素を2つに分けてみると次のようになる。
Hardware
インテリア / 商品と価格 ホームページ / カメラとレンズ 照明と光の種類 / スタッフの関係 |
Software
写真館のアイデンティティと写真に対する規定 / いい写真の基準 / システム カメラマン教育システム 競争要素の有無 |
■Hardware
<インテリア>
· 立体的なセットの構成でどの方向からでも撮影が可能
· 光の方向が2-3箇所から差し込む
· カメラマンの動線を考慮し、最小の移動で撮影効率を上げる
· イメージ化されているセットは迅速な撮影と完成度の高い写真が撮れる確立をあげる
· 様々なフレーミングとアングルが可能
インテリアに関する部分は後に詳細を説明
<商品と価格>
· すべての撮影は無料、いい写真だけが売上につながるしくみ・・・
撮影前に商品を決めず、モニターをした後の決定。
したがってスタッフは最善を尽くすほかなく、スタッフ間の競争が可能。
· 主力商品は原本CD
- 撮影された状態のままレタッチなしで顧客に渡るため、撮影をするときから別途加工する作業のない状態の写真を撮らなければならない。
- 顧客に提供される70カット前後の写真が完成度をもっていなければならず、その中に決定的な写真が3-4カット含まれてこそ、顧客の満足と商品購入につながる。
- 原本CDのファイルがインターネット上で自由に行き来する。
インターネット上で各支店やカメラマンに見えない評価がなされる。
<ホームページ>
· Life studioの顧客はほぼ100%インターネットと関連のある顧客
顧客はホームページの写真をみて、それを基準に予約する。
そしてホームページにある写真は一定の基準を超えた写真であるため、カメラマンは顧客が考える一定の基準以上の撮影のみを提供しなければならないという責任と負担を持つようになり、同時に創作意欲が発生するようになる。
· 一定の基準があるということは、カメラマンにとってはとても幸せなこと。
各支店で新しい写真が撮られ、その写真がホームページにアップされながら一定の基準をカメラマンに提示していく。
その基準は自分の撮影技術がどの程度なのかを判断することになり、どこに向かうべきなのかに関する方向性を知っていくようになる。
持続的な支店のオープンも新しく、高い基準を提示する役割を果たす。
支店をオープンしながら、その間の問題点を確認し、顧客の理解と要求をもう一度点検しながら新しいインテリアと写真の流れをつくっていく大切な時間になる。
基準と方向性を持つことが発展の動力である。.
<カメラとレンズ>
· 特に決まっていない
<照明と光の種類>
Life studioはストロボを使用しない。理由は、不便な点が多いから・・・・
Life studioは自然光、蛍光灯、タングステンを使用する。理由は、簡単だから・・・・
· 照明は写真館が表現しようとする写真に最も適切だと判断される照明を使用すればいい。
Life studioは自然な写真を掲げている。自然な光を演出するには自然光、蛍光灯などが有利であり、タングステンはハウスの暖かみによく似合う。
照明はただ使うのではなく、写真館のアイデンティティと光の種類を選択してもらうように・・・・
· 蛍光灯の長所は
- 光が見える。カメラマンに精神的な安定を持たせ、表現しようとするイメージに近づけることができる。
- 光がやさしい。自然な撮影をするのに有利。
- 自然光と適切に調和する。メインになる光と補助光―自然光と蛍光灯の場合によって調整
することができる。
- 低価格で購入できる。スタジオのスタッフが直接作ることができるので、経済的で運用が可能。
- 蛍光灯照明をインテリアに活用することができる。
- 製作が容易である。
実際にストロボを使用しない決定的な理由としては、その照明を使いこなすことが出来ないと考えるためだ。
蛍光灯を使用する理由は、少し、知っていると自負しているからである。
知らないものを長年使用しているとしたら、そのこと自体問題ではないだろうか?顧客はストロボと蛍光灯の違いをほとんど理解してはおらず、できてきた写真のみで判断をする。
蛍光灯の長所はいろいろあるが表現しようとすることを、正確に表現することが出来るという部分が大きい。もちろん、自由自在にストロボを使いこなすことが出来る、光のよめる人ははぶくが。蛍光灯は全体を明るくして、その決定的な瞬間を収めていくのにとても有利だ。自然な撮影のためには、被写体が自由に動き、美しさをカメラが捕らえた瞬間を1枚の写真の中に収めていくことが重要になるためだ。
しかし光の種類よりも
光の拡散と遮断、強度の差、方向、性質が重要・・・
ここでも、蛍光灯の長所が発揮される。
(誤解しないで下さい。蛍光灯には短所ももちろんあります。あくまでも、使う人によって、天と地ほどの違いがでてくるものなので・・・・・・)
· Life studioは撮影空間がセット化されていてやさしい照明が2箇所以上から入ってくるという条件
- 光の粒子が豊富
- 階調が豊富
- 光の露出比を利用しやすい
- 遠近感を上手く利用できる
- 被写体と背景、小物のバランスを維持しやすい
- 光の拡散と遮断の過程が便利で、光の魅力を発見
<スタッフ間の関係>
“誰でも、きれいな四角形を作ってシャッターを押すことはできる。
しかし、カメラマンの実力は被写体を動かす力で決定される” … Mr.Lee
撮影室に顧客が入り、撮影が始まったらまず最初に解決されなければならない部分。
まずは顧客の心の扉を開く必要があり・・・・
その次に顧客が自ら動けるようにしてあげること・・・・である。
キレイな四角形をつくることは、誰でもできる。結局カメラマンがすることは、人の心と体を自然に動けるようにしてあげること。しかし日本では、それが最も難しいようだ。全体的な撮影条件も問題だが、カメラマンが形だけ仕事をしているのではないかという気持ちになる。顧客の中に入っていって撮影をすることなしに、どうやっていい写真を撮ることができるだろうか?
専門のモデルを撮影すると、彼女たちのポーズはすべて自分たちで積極的に自然に出てくるものであるということもあるが、基本的に心と体の扉を開いてあげて、積極的に撮影に参加できるようになるためにいい写真が撮れるのだ。
だから、カメラマンは人生の勉強を優先することになる。露出、照明、インテリアなど・・・よりも、もっと重要な勉強が心理学、リーダーシップ、人間関係、哲学、文学、時事など・・・
Life studioでは、学習をして勉強をしていくことが日常化できるように努力をしている。読書と読書感想文の提出を勧奨し、毎月一つの主題を設定して内部の討論と結論を導き出しLife studioのすべてのスタッフが集まり、共に勉強することを計画中だ。
Life studioは関係設定に対して執拗さをみせる。スタッフがお互いに心を開いて接することができなければ、顧客とどのようにして友達のようにフレンドリーに接することができるだろう?
だから、いつも注文をする。
“ もっと深く入っていきなさい・・・・・人に、写真に、そして自分自身に・・・・・・”
この部分が本当に難しいが、3年間は待つ。私たちが自ら変われるときまで・・・・
また、7歳以下の子供や赤ちゃんの撮影の場合、2人一組の息が合っていることが重要。
現在日本の写真館でアシスタントの役割は着物の線が問題ないかどうかのチェックやカメラマンの身の回りのことをこなす程度の場合がほとんどである姿を目にしてきた。それでは、いい写真が撮れるはずがない・・・・・・・
人の心と体の扉を開かせるということは、スタッフ間の心が通じていることが必須である。
韓国のベビースタジオではスタッフのデニムが3ヶ月で破けてしまう。1日中子供の心を開くために、床をはいつくばっているからだ。
日本のどんなスタジオで、このような姿を目にすることができるだろうか?
緊張で固まってしまっている子供に
春の雪解けのように心と体を自由にほぐすことのできる
2人1組のすばらしいコンビが、いい写真のための魔法だといえる
■Software
<写真館のアイデンティティと写真に対する規定>
· 何も見えないところにいる人が恐ろしさに対する恐怖を誰よりももっているという。
それは、どこに行けばいいのかがわからないからである。
写真館のビジョンが明確になり、写真に対する規定が明確になったらどこに行くべきなのかが自らわかるようになり、そこから何が必要なのかを探すようになる。
· “素材を撮るのではない。ポイントを発見しなさい。”という言葉がある。
ポイントが明確になっていれば無限の美しさの世界に向かっている自分を発見するようになる。
それは素材を探してエキスポや海外にいくことよりも、写真館のポイントを選定する写真館のリーダーになることが核心である。
· 写真館のポイントが選定され“私たちの写真館が追及している写真はこれです”ということが決定したら、スタッフは自分とそのポイントになる主題を一致させるためのスタートをきる。それは特別な方法をもちあわせず、共に学び、討論をしていく方法しかない。
そうすると、追求してきたポイントにあった商品を探すようになりながら、考えが具体化していく。
そして条件を作り出す段階に入り、インテリア、小物、衣裳・・・・など様々な部分を準備するようになる。もちろん、1度ではだめだ。インテリアをつくっても全く使えない、魅力がないなどの可能性は80%以上である。自分が満足して使えるようになるまで、繰り返さなければいけない。そのように継続して続けていくことの出来る力は結局
“写真館が追求するビジョンと主題意識である”
次のような質問を受ける。
“話はわかるけど、そのポイントはどうやって探すんですか?”
それも特別な方法はない。
“本屋に行ってみてください。それを読んで、考えてみてください。そして、書いてみてください。これしかありません・・・・・” .
<いい写真の基準>
写真館のリーダーたちに言います!!
スタッフに、 “いい写真の基準”を提示してください・・・・・
Life studioはホームページのギャラリーにある写真が基準になっています。
その基準をもってカメラマン、アシスタント、コーディネーターがそれぞれ話をする。足りないところは埋めなければならず、適当であれば、移動をする。より、高い世界に向かって・・・・・・・・・
Life studioは、一定の基準を超えることが出来なければ続けていくことは難しいだろう。
一定の基準は顧客との約束であり、また自分自身との約束である。
そのような基準がないとしたら、どうやって基準をつくるべきだろうか?
何もしないで、基準だけを高くしてもいいはずがない・・・・・・・
結論は“革新”であり、“全体を変えよう”と、決める。それはとても難しいことだ。
インテリアを少し変えたからといって、写真は変わらない。全体を変えなければならない。
そのため、“革新”なのである。
どのように“革新”を?
今読んでいるこの文章のすべての内容はつまるところ、“革新”に関する内容だ。
Life studioがすべてを満足いくようにこなしているわけではない。しかし、“革新”しようとする意志と、どんな形態であっても実行しているということが重要である。
写真館のリーダーたちに言いたい。
“革新”をしよう考えるなら、
まず自分が持っているものをすべて捨てなければならない。
一つの方法は写真館のスタッフに自分の追及する写真のサンプルを持ってくるように支持し、それを壁にはり、その写真と同じように撮影をすることを繰り返し行わせる。同じように撮影をしていくと、すべてを変えていかなければいけないということを知るようになる。インテリア、照明、システム、小物、スタッフの管理、マーケティングなどなど・・・・・・・・
プライドはずたずただが、もっとも早い方法でもある・・・・・・
<システム>
日本の写真館をコンサルティングしながら、このようなことがあった。
着物撮影のための準備は2時間かけ、インターフォンでカメラマンを呼び、営業用の微笑を軽く送ったあとには5分間の撮影をし、また事務所に戻っていき、そのようにその日1日を繰り返しているどうしようもない姿・・・・・・・・・
そのカメラマンの失敗というよりは、システムの問題だ。そのようなシステムでカメラマンの撮影技術やその写真館の写真が良くなることは、当然ない。
Life studioは写真館に1度の訪問で終わり。
電話予約-撮影-3週間後に宅配にて配送を済ませたらシステムが終了する。
顧客が撮影にきたら、10分間の説明(会話)、1時間の撮影、10分間の分類、30分のモニターをし、商品の決定と進行状況の確認などをして終了するシステムである。顧客からオーダーが入ったらそれから3週間、もしくは1ヶ月後に配送される。
そして写真館のスタッフは2名。
可能だろうか?これが、システムなのである。写真館のリーダーが作っていかなければいけないシステムである。
Life studioの特徴はすべての作業がオンラインだということ。
基本的に紙がない。
顧客管理、作業管理、会計管理、職員管理、情報交換や連絡などまですべてオンラインで処理している。スタッフは不必要な書類に追われて仕事の効率を落とすこともない。
そして撮影と顧客満足に集中する。写真館のすべての価値は、顧客と過ごす時間から出てくるものだ。
リーダーがしなければいけないことはいい写真と顧客感動が日常的に行われていくようなスムーズな仕組みをつくってあげることであり、スタッフが同意し、共に進んでいくことが出来る道を作ってあげることである。これからは、カメラをきちんと扱っているのかといったことを確認して回る社長から再生産の仕組みと人間を感動させる経営をすることの出来るリーダーが必要だ。
<カメラマン教育システム>
“自由、経験、システム”
Life studioは
· カメラマンに撮影の自由を与える。3ヶ月後に自分で一定の基準を超えるようになる。
· 新しい環境と条件を提示する。支店別の循環勤務、新規オープンインテリアチーム、各種プロジェクトチーム・・・・・・・・・ 見て- 感じて- 行動する。
· 効果的なシステムだけがいいカメラマンを作りだし、維持、発展していくことができる。
これからは、カメラマンが必要のない労働から抜け出すことが出来るようにしてあげなければならない。
カメラマン教育システムといっても、特別なものはない。写真館で過ごすことだけでも発展することのできる条件をつくることが、最も効果的な撮影教育システムである。
<競争要素の有無>
地域の写真館と写真で競争しているか?
写真館が写真で競争しなければ、いったい何で競争をするのだろうか?
現在、日本の写真館の共通した形態をみると
- 長い歴史と伝統を保有した写真館の存在
現在日本で2代目以上が写真館をしている場合が、全体の50% 以上だという。
以前からやってきた運営方式と撮影形態を維持しながら、地域を根拠に営業をしている。しかし新しいコンセプトの写真館の登場とハウスウェディングなどの増加により以前と同じ名声にだけ頼っていられなくなり、危機意識を感じている。伝統を貫くことと、新しいことを受容していくその間で、決定的な認識の変化とシステムの開発がついていかない状態。
- 記念撮影(七五三. 成人式. ウェディング…..) に頼った営業形態
どこの国でも記念写真の形態は存在し、写真館の重要な営業形態になってきている。特に日本は着物の着用が記念と記録の意味としてとても強く関わってくるため、写真館は記念写真と着物着用システムに変わっていった。特にマーケティングを記念写真にだけ限って潜在顧客を縮小する結果を招く。
- 着物着用を中心にしたシステム形成
写真館は写真を中心にシステムがつくられるべきである。しかし、着物の過重な比重により、写真はその次となってしまう結果を招いた。
結局、顧客が判断をする上で決定的に影響を与える写真の質的な下落をもたらしながら、写真館に対するいいイメージの形勢を妨害した。
また、着物着用ということはそんなに簡単な問題ではない。
• 前もって衣裳を決定するために、写真館を訪問(スタッフの補強と顧客サービスの質的な低下)
• 撮影当日のメークアップのために1~2時間を所有
(顧客の在留時間が長くなることによって生じるスタッフの不足と顧客サービスの低下)
• 七五三の場合、着物着用とメークアップによって被写体の精神的、肉体的疲労が重なり、円滑な撮影を妨害
• 多数の衣裳を保有するための衣裳購入と、空間拡大による費用の上昇
• 着物の着用とメークアップが追加の利益になるという手段よりは、マーケティングの手段として活用されながら、費用が上昇
- 非競争体制による単純マーケティングが主流をなしており、オンラインマーケティングの不足。
地域を根拠にした営業をする写真館は固定顧客が存在し、特に努力がなくても顧客が来店してくるような構造を持っている。新しい撮影の需要が開発されることがないままでいると、インターネットマーケティングも、あそこもやっているから私もやろうか、的なスタイルになってしまう。しかし、アリスを中心としたジュニアに特化した写真館の出現は既存の写真館が生存を脅かす水準にまで拡大しており、その他着物業社などの介入、オンラインで積極的に顧客を集めるところなどがでてくると、地域の顧客も奪われてしまう若い写真スタジオなどによって、競争体制に入っていく姿である。
- 写真館に対する不信の拡散とイメージマーケティングの弱み
顧客の見る目は徐々に高まっており、新しい写真と顧客サービスを要求しているのにもかかわらず、写真館は非競争体制、伝統の行き過ぎたこだわり、写真館を技術だけで認識し、顧客サービスの機能が縮小されている問題などから、日本社会の常識的な水準からかけ離れた顧客管理とサービスがなされている。また、写真がもっている美しさ、喜び、思い出などの命題を実現することができないでいる写真館に対し、“暗く、複雑で、高い”というイメージだけをもってきた。
時代は変わり、既存のパラダイムを修正しながら変化発展しなければならない。しかし、写真が持っている記録と美しさの表現という根本問題は変えずに、それを時代にあわせて修正をしながら活かしていくことが必要だ。特に日本はインターネットが徐々に普及している状況であり、すぐに訪れる世の中に対し、準備しなければならない。
Life studioは
・スタッフ間の競争
・支店間の競争
・自分自身との競争を勧める。
いい写真を撮るためには一定の緊張感を持たせなければならない。
まず、すべての情報が公開され、売上、撮影件数、客単価、来店経路、リピート率、商品などの統計が出てきて、それらが支店別に比較され、自ら目標をたてて基準をつくる。
Life studioは水平な組織形態を持っている。そして共に成長したいという気持ちをもたずに過ごしていくことをとても警戒する。また、勉強や学習をシステムの中で強制する。すなわちそれは、組織の文化とシステムで自分自身との競争を誘導し、そこで発生したエネルギーを顧客と共にするということを根本と考える。
どうしたらいい写真を作り出すことが出来るのかに対する答えを出すときだ。
いったい、どうしたらいいのか?
写真を作り出す要素の中から最も重要なものを選べといわれたら、
写真館のアイデンティティと写真に対する規定とし、いい写真の基準を提示することだとする。これがあることによってインテリアをしなければならない理由が生じ、商品と価格が変わっていくのである。
写真館で本当に心から接してくれる人がいたとしたら、その人と共にすぐにでも時間を過ごし、学習し、写真館の全体を明るくしていく作業を勧めたいと願う。
私たちの写真館は何だろう?
私たちの写真館はどうすればいいのだろう?
まず初めに、何をどうしたらいいのだろう? に対して答えることができたら、半分は成功したも同然だといいえる。
これがなされずしては、必ず時間、お金、人がなくなっていく・・・・・・・・
また、一つの重要な部分は写真のいろいろな構成要素が実際の撮影中に使用されているのかということだ。レンズ、アングル、フレーミング、照明、ポーズ、インテリア、遠近感、質感、対比、バランス、露出比などが同時に撮影の中で使用されているかいないかでは、大きな違いが見える。
既存の日本の写真館を訪問したときだった。
ウェディングのサンプル撮影をしていたのだが、背景紙の上にモデルを立たせてカメラマンはいすに座り、ズームレンズだけで距離を調節しながら撮影していた。アングルはいすの高さそのままにあわされており、口でモデルのポーズをかえ、撮影する姿をみながら“何だこれは”という言葉が自然にでてきた。経歴が長いカメラマンであり、そのスタジオではそれでも上手いといわれている人なのに・・・・・・・
写真のいろいろな構成要素を適切に使用するということは、写真の根源に近づくということだ。写真の根源に近づくということは結局、その中のポイントを探すことであり、カメラマンの自由意志と美への追求意識を追求していく行為である。
しかし、今まで日本で経験してきたカメラマンはいくつかの構成要素のみでモデルを四角の中に入れることだけに集中してきたという結論だ。何年もの間、いつも同じ空間で撮影をしながら創作行為ではない、機械的な反復過程のみだったためである。しかし、スタジオのコンサルティングをしながら、若干のインテリアを加え、1,2ヶ月程度教育をすると確実に発展する姿を確認することができた。
それはどういうことか?
全体を知ることが出来なければ“太陽が地球を回っている”という無知で終わってしまう。
-. 写真の構成要素が全体に集約された状態での撮影
-. カメラマンの自由意志と美しさへの創作意欲を求めるの行為が確保されるシステム
難しいことだ・・・・・
part 2へ続く・・・・