レポートReport
2017.11.25 「ONE POINT通信5」no.3
2018/4/23
2429
殿堂入りは3つの側面からONE POINTが行くべき方向を鮮明に提示しています。
1つ目に、ライフスタジオ独自の方法で自らを表せる最適の方法です。
[優れるよりも違い]と言う言葉がマーケティングではよく使われています。会社は自ら生産した物を販売するための戦略として競争している他社よりも安くて性能が良いと広告します。しかし[優れる]は他の競争者に真似されやすく、顧客の目を引く最高の方法と言うには足りないところがあります。大量生産の体制では[優れる]で競争していたなら、今は[違い]で勝負しなければならないと言います。製品を構成する価格・性能・デザインなどはすでに頂点に至り、これ以上の差別化を測れない状況で顧客が本当に求めている[響き]がなければなりません。そのため[自分らしさ]とも言える[違い]で勝負しなければならないのです。[自分らしさ]は[違い]に繋がり、[違い]は顧客の[自分らしさ]として認識されると言う論理です。[自分らしさ]とは人間の普遍性が自身だけの特殊性で表現された状態です。その[違い]が顧客の普遍性を刺激します。スーパーに陳列されている製品が、見た目はほぼ同じであるのに10円安い商品と、買うと10円をどこかに寄付する商品があるとします。この2つの内、1つをカゴに入れるとしたら何を選ぶでしょうか。あまり違いがない様に見えますが、10円安い商品よりも10円を寄付する商品の方が忠誠度の面に置いては質的に違いを産みます。1回の購入ではあまり違いがないかも知れませんが、そのメーカーが販売している他の商品でも一貫性があるのであれば話は変わります。
私の経験談を1つ紹介します。韓国で私が運営した写真館Aと、同種他社のB写真館が韓国のベビー写真の大きな2つの柱だった時代がありました。AとBはホームページと写真、商品の構成、スタッフのマインド、お客様の性質が正反対の位置にありました。ホームページで紹介している写真だけを見てもその違いを感じるほどでした。Aは近所でよく見るような極一般的な子供達がモデルで、衣装も特別すごいものではありませんでした。ただ面白おかしい子供達の天真爛漫な表情が主なイメージでした。良く言うと[自然]であり、反対側から見ると[ダサい]と思われたかも知れません。Bは1000人に1人いるかどうかぐらいの顔立ちがはっきりしている子供達がモデルで、衣装はフランスのどこかで仕入れたような高級感溢れるものでした。よく言うと[品]があり、反対側から見るとあまりにも[現実離れ]していて、果たして我が子もあんな風になれるのか…と言う疑問が残るかも知れません。AとBのこの様な雰囲気はどこから来るのでしょうか。様々な理由があるでしょうが、私は[概念]にその原因があるのではないかと思います。写真館とは何か、と言う概念からその[違い]が発生します。Aは子供が持っている普遍性に注目し、Bは子供が持っている特殊性を重視します。Aは、子供は社会が育てるものだと思い私達の子供と言う認識から対象を見つめますし、Bは世間一般の基準を超えた特別な条件の中でその子をより目立たせる戦略を取り入れていました。何が良いとは言えません。ただ、どちらがより持続的に[自分らしさ]を強化しお客様に[違い]を認識させるかがポイントです。値段・性能・デザインなどはこの[自分らしさ]を強化し[違い]を認識させる素材です。
ライフスタジオもAの延長線上にあります。写真館とは人と人が出会う場所であり、写真を媒介に美しさを表現し思い出を記録する遊びの空間と言う概念を、現実で実現して行きたいのです。この様な言葉は誰でも話せますし、色んな写真館のホームページにも似た様な表現が溢れています。しかし、具体的に現実で実現できているかについては疑問が残ります。自らの方法で写真館の概念を実現させるための内部運営システムがONE POINTです。ライフスタジオだけの、ONE POINTならではの方法で写真館の概念を実現させる具体的で現実的な方法が[殿堂入り]です。殿堂入りになるためにはまず自身に対する蓄積が必要です。そして、その蓄積された内容に同意するお客様からの要望がなければなりません。その要望に蓄積された自身の内容で応えなければなりません。お客様と構成員が作り出す結果物に対する規定と記録が伴うべきです。他の写真館では簡単に真似できないことです。これを成し遂げるためには写真館の構造を全面的に変えなければならないからです。ライフスタジオがここまで来るのに10年がかかりました。[自分らしさ]が[違い]として認識され、その[違い]によってお客様に[響き]を伝える第1回目の事業として[殿堂入り]があります。この[殿堂入り]はライフスタジオがやるべきのことでもあり、ライフスタジオにしか出来ないものです。[違い]はライフスタジオが過去10年間立て通してきた原則であり、[人が人を人として]で表現しているものでもあります。その原則と方法で自らを表した時、それがライフスタジオの目的が実現される1つの証拠になれると思っています。
2つ目に、今まで話してきた観念的な希望を現実で客観的に証明出来る装置です。
韓国映画[8月のクリスマス]で有名なセリフがあります。
[私の記憶の中にある無数の写真の様に、愛もいつか思い出に過ぎないことを私は知っていました。
しかし、あなただけは思い出になりませんでした。
愛を秘めたまま送りだしてくれたあなたへ、感謝の言葉を残します。]
写真館で数十年働き、余命を数日残している人にこんな質問をして見ました。[あなたの人生は何でしたか?] あなたの答えは何ですか?写真館で働き、お客様と出会い、子供達と笑いながら撮影をし、給料をもらいながら生活をおくり、、どうのこうの。。。と。11月の全体会議で[殿堂入り]を発表したそのかが途中で涙を流しました。その涙を大げさに解釈するとこうなります。[殿堂入りは写真館の本質に触れている]と。ライフスタジオの構成員のほとんどは写真が好きで入社をしました。撮影して表現し、写真を見ること自体に興味を持ち、それを仕事にしたい人が写真館のドアを叩きます。しかし、写真は対象がいます。撮影を続けていくと対象との関係が本質であることに気が付きます。カメラのシャッターを押す行為は撮影の過程の一部に過ぎません。私がよく引用する話があります。アメリカ大統領の専属カメラマンに誰かがこんな質問をしました。[どうやってこんな写真が撮れましたか]。答えは簡単です。[その立場にいると誰もがそんな写真を撮ることができます。重要なのはその立場まで行ったことです。] 当たり前の言葉です。撮影の対象と真に出会い、その過程の中で発生する何かはわからない変化が人生の意味です。写真を撮影する行為はその過程の一部分です。全ての写真館のホームページで掲げている希望の羅列は、逆説的に現実ではなかなか見られないからかも知れません。全ての人が望んでいるのに叶わないため、あえて羅列しています。ライフスタジオなら出来る、と言っていますが本当は[私達もなりたい]のです。しかし、問題はなりたいからといってなれるものではないということです。偶然として通り過ぎる写真館の本質を、写真館のシステムとして定着させることが[殿堂入り]です。観念的な希望を現実で客観的に証明し、その証明が日常的に発見されるということ...とても魅力的なことです。
3つ目に、強力な経済エンジンでブランド形成の先発隊の役割を果たします。
ライフスタジオはどんな会社として認識されて欲しいですか?[写真といえばライフスタジオ]、[楽しく遊べる空間]、[経済的に安定している会社]等。様々な意見に分かれるかもしれません。ブランドの定義はある商品を別のものと区別するために使う名前や記号、ロゴなどを総じて指す言葉です。
iPhoneといえば思い浮かぶもの、ディズニーランドと言えば思い浮かぶものがブランドの役割です。私は[原宿]と言えば[複雑さ]が思い浮かびます。だからなるべく行きたくない場所です。しかし[原宿]が[新しさ]であれば頻繁に行くべきホットプレイスに認識されるでしょう。そのため、ブランドは経済エンジンと繋がっています。パワーブランドはブランド自体に力があると言うことです。ブランドに力があるとマーケティング費用が下がり、それ自体で商品販売に相当な影響を与えるため多くの会社や商品がブランドになるために努力します。
写真館は写真の競争力を先に考えます。しかし、私は自らの経験のせいなのかも知れませんが、何より写真に対する競争力の維持が一番難しいことだと思っています。写真の撮影技術は知的財産権を行使することができません。特許を取ることはほとんど不可能です。小顔効果を出せる角度を自分が発見したからと言ってそれを特許登録することはできません。ある写真館で作った新しい写真はコピーする水準でいくらでも真似ができます。つまり競争力を維持することが難しいのです。ライフスタジオと言えば思い浮かぶ、自然な写真は私達の強みにはなれますが、それが確固たるブランドに繋がるかと言うと簡単ではありません。写真の競争力を保つために日々努力することはやるべきことですが、やりたいこととは別の問題です。やるべきこととやりたいことが違うこともあります。写真の競争力維持はやるべきことではありますが、個人的にはやりたいことではありません。では、やりたいことは何か?そして、やりたいことが会社のブランドと関係があり、それが強力な経済エンジンとして作動するなら、それ以上のものはありません。
ライフスタジオと言えば、人々の頭に何が思い浮かんで欲しいですか?
ここで[響き]という言葉を使いたいです。やりたいこと、そしてそれが会社のブラントと強力な経済エンジンとして作動できるキーワードが[響き]です。写真の強力な魅力は短時間に自分の中に積もっていることを[確認]できるということです。フランスのパリに憧れている人がいます。パリといえば、エッフェル塔ですよね。小さい時から憧れていたパリにやっと到着し、ドキドキしながらエッフェル塔を見ました。すると、自身の中で何かの響きがあります。[大したことなかった]、[長い憧れが現実になる虚無感]、[想像以上の喜び]等。自身の中から湧き上がるその響きは真実です。その真実に確実なハンコを押すための行為として目をつぶって自分の内面に起きている変化を感じる人もいれば、ハガキに現実の自分へ宛てた手紙を書く人もいます。音楽を聞く人も、写真で記録する人もいます。中でも写真は自分の行為と響きを効果的で繊細に記録できる媒体です。今度は写真館を例に挙げて見ます。妊娠して、陣痛を感じ、子供を育てながら無数の粒が自身の中に作られます。子供に対する無数の粒は嬉しさであり、苦痛であり、自然の摂理であり、同時に自身の力で創造した崇高なことです。写真館に入り、撮影者により子供の姿が1つ、2つ撮影されるのを見ながら自身の中に積もっていた粒が動き始めます。普段よりも集中して自身の子供を見つめます。最高に集中する行為自体が写真撮影です。状況を演出するということは集中することと同じことです。撮影された写真を見ながら多くの方が涙を流します。自然なことです。いつも見ている子供ですが、その写真は自分の中にある粒たちの集合体だからです。その粒が瞬間的に確認できた時、[響き]という単語が登場します。その響きの写真館バージョンが[殿堂入り]です。普通、写真館とは写真を撮る場所、記念を残す場所として認識されています。しかし、写真館が[自分の人生を確認する場所]だとするとゲームのルールは変わります。写真館が[写真を撮る場所]であるのと、[自分の人生を確認する場所]であることは似ているようで決定的な違いがあります。自分の人生を確認する場所として写真館の概念が変わるなら定期的に行く場所になります。昔、写真館は記念日だけに行きました。伝統的な文化として記念日だけに役割を果たします。しかし、自分の人生を確認する場所は自分の意思によって年に1回かもしれず、3年に1回かもしれません。人生の写真館という言葉もこの部分と関係があります。重要なのは[響き]があってこそ自分の人生を確認することができます。こんな想像をして見ましょう。毎日一生懸命働いたあなたが、東南アジアの高級なスパを思い浮かべると自然に[あぁ、行きたい!]という言葉から出ます。ライフスタジオを思い浮かべて同じく[あぁ、行きたい!]の言葉が自然に出ることはあるのでしょうか。もちろん、あるかもしれません。今もライフスタジオをそう思ってくれるお客様がたくさんいらっしゃいます。その想像が日常となれるようにするのが今話したい内容です。ライフスタジオを[自分の人生を確認する場所]、[いつでもまた行きたい場所]として思ってもらえるなら、それ自体がブランドであり、強力な経済エンジンです。[殿堂入り]はその響きに至るまでの過程を整理した報告書です。その響きはブランドとして、強力な経済エンジンとして写真館が確保できる確実な武器です。[響き]に対する蓄積が[殿堂入り]に集まり、その[殿堂入り]がライフスタジオのアイデンティティと競争力の根拠として位置づけされると信じています。人と写真、空間と共にする楽しさが1つになった結晶体が[殿堂入り]であり、それはつまり私達のブランドとなれます。
このように[殿堂入り]が持つ意味について3つに整理して見ましたが、いかがですか?大げさすぎましたか?もう1つの空論になるのでしょうか?
[殿堂入り]を、2018年ONE POINTの集中すべき事業にするというのは、失うものはなく得るものだけがあります。問題は集中事業といえるほどのものとなるためには、それなりの効果と結果が必要です。具体的に説明するとこのようになります。
ー ONE POINTの構成員のうち、10名以上が[殿堂入り]という決定的な武器を自身の中に装着すること。
ー [殿堂入り]の結果として給料が上がり、個人の評価基準が作られること。
ー 2018年1年間、100名のお客様が[殿堂入り]を通じてONE POINTと決定的に繋がること。
ー お客様が[殿堂入り]を行っている店舗に移動していく傾向が可視的に確認できること。
ー ライフスタジオのお客様が[殿堂入り]を通して、ライフスタジオの競争力として一部認めてくれること。例えばアンケートなどを通してライフスタジオを経験したお客様の30%が[殿堂入り]を知っており、その内の10%がライフスタジオと言えば思い浮かぶ事業として認識してくれたら成功。
[殿堂入り]のための常設ギャラリーを東京の中心に作るという共感体が形成され、推進されること。これくらいの効果と結果ならば、[殿堂入り]が2018年に集中してやるべき事業となれるのではないでしょうか?2018年にこれくらいの効果と結果が表れるなら、2019年はライフスタジオの代表ブランドとして、お客様と撮影者の理想的なモデルの現実的な方法として、ライフスタジオだけができる世界初、日本初の事業として発展できるのではないでしょうか?
4. 店舗のイベント
店舗イベントを、ホームページアクセス数を増やしたり、お客様のためのサービスだと思っています。この程度なら2018年の集中事業とは言えません。ONE POINTを店舗と個人で分けるならば、店舗イベントは店舗と個人が結合して作れる決定的な事業です。その理由について幾つかに分けて説明します。
1つ目に、店舗のイベントは自らの根拠を作る決定的な方法です。
私が日本で仕事ができる法的根拠は経営ビザです。法的根拠がないと不法滞在の状態で仕事をすることになり、根本的な不安が常に存在します。正当な権利行使に制限があり、堂々と仕事をすることができません。法人の大株主は法人を経営できる権限を法的根拠として付与されます。理事会を開催し、自身が理事長として社長を選任する権限を持っています。ライフスタジオの幾つかの法人は、大株主自らが社長の役割を行っています。会計と人事に対する権限を持っている根拠はありますが、構成員の心を引き寄せる根拠はありません。実は、ここから悲劇が始まります。会社を運営する権限はあるものの、会社をうまく運営する根拠とは別ものです。会社をうまく運営する根拠は戦略と戦術、疎通と努力が結合しなければなりません。
ライフスタジオは、生きるという問題についてはさほど問題がありません。ところが、生きる事に対して構成員自ら作り出したという根拠はあまり多くありません。2つの理由が挙げられますが、1つ目は、あなたでなくてもいいのか?2つ目に、あなたが作ったのであれば他の空間でも同じ状況を作り上げることができるのかについて応えなければなりません。あなたが辞めるからといって予約が減ったりはしません。ライフスタジオにある店舗の予約はほぼ同じ傾向があります。20店舗それぞれの内部文化も違いますし、お客様に対する姿勢や能力の違いはあるにしても、予約と撮影が大きく変わらないのは、特別な違いがないからです。店舗と個人の能力による予約と撮影ではなく、ライフスタジオ自体が持っている力量によって、生きるという問題が解決出来ているとも言えます。また、自身の能力でできるのであれば、自身が他の写真館に就職したり新規ブランドをオープンしたりしたときに、現在と同じぐらいの予約と撮影状況を作れなければなりません。実際はどうでしょうか。店舗で予約と撮影がされることに対する根拠が、自身から出ていないということから、自身の受動的な形態は始まります。自身の行動が制限され、分離される現象が起こります。このような問題は、ライフスタジオのオーナーからもよく見られる姿です。
お客様が予約をし、撮影ができるようにする要因は様々です。各自にはそれぞれの役割があります。広報をする人と撮影をする人、商品をきちんと作り、お客様に無事にお届けするまでの分業体系があります。自ら根拠を作るというのは、自身に任された役割の範囲と限界に関する話です。元々作られている枠を越えずに、決まったことだけをやるだけでは根拠は作られません。給料をもらい、定められた福利厚生のシステムの中で権利を確保することはできますが、仕事をやっていく過程の中で生じる疎外は避けられません。根拠は自身に任されている役割の範囲と限界の中で能動的に自らの流れを作った時に発生します。
自立経営店舗を作るための活動、[ホームページに道がある]のための様々な活動、ONE POINTの多くの活動がその根拠を作るための努力です。中でも店舗のイベントは、どんな活動よりも自ら根拠を作るために直接的に繋がる活動です。1つの店舗を取囲んでいるお客様は1000名を越えます。[お客様がライフスタジオに予約をする]と[お客様が○○店に予約をする]とでは根本的な違いがあります。外国人が[日本に旅行に行く]と[東京に旅行に行く]ことは、東京側から見ると根本的な違いがあります。[ライフスタジオに予約をするのに、自宅から近いから○○店に行く]ということと[○○店は私のお気に入りの写真館だから行く]とでは、根本的な違いがあります。ライフスタジオ全体側からみると、その全てのお客様はライフスタジオに来ていただく事になりますが、店舗側からするとその店舗に来ていただく事になります。その店舗が、お客様が次に訪れていただける根拠を作れたという部分で、根本的な違いが生じます。真の主体として、主人として根拠があるということは人間を構成する原理と一致します。自身の店舗に来るべき理由や期待、技術とサービスの相対的優位、繊細な配慮と特別な経験などはお客様にとってその店舗に行きたいという大義名分を提示します。その名分を自ら生産し実体が少しずつ作られている状態は、自身が店舗の主人になる過程であり、自らが表しやったことが成されたようにする魔法なのです。
2つ目に、店舗の内部文化が自ら表れる形式が店舗のイベントです。
内部文化をコレだ。と説明するのは難しいことです。例えば、食堂に入った瞬間その食堂から感じられる何かがあります。それが内部文化です。食堂で食事をしている様々な家族がいます。その家族ごとに異なる雰囲気が演出されます。それが内部文化です。1つの集団を構成する要素が集まり、1つの実体になった時に発生する作動の原理が内部文化です。生きぬくという問題は物理的な要素であり、どう生きて行くかは化学的な結合だと思います。この化学的な結合が内部文化です。店舗での出勤、撮影、業務などは生きぬくという問題に該当します。仕事を処理する方法、コミュニケーションの水準、決定の過程と実行の過程、追求する価値と実現等は内部文化であり、科学的な分解と結合の総合体です。内部文化は、人生の質と関係があります。1人の個人の撮影と写真を作りだすことは同じかも知れませんが、その過程の中で成される情熱・協力・満足は違います。人間から感じられる微妙な感情は、人生の質を決定する重要な要素であり、人間が共同体を作り、共に仕事をしていくうえで絶対的に必要なのです。そのため、ライフスタジオでは内部文化を持続的に強調してきました。
普通の会社では、内部文化を構築するための行為として誕生日にプレゼントをあげたり、定期的に食事会をしたり、海外へ社員旅行に行くぐらいのことを思い浮かべます。主に、人間関係に限って内部文化を考える傾向があります。仕事は仕事、人間関係は人間関係と分けて考えます。仕事と人間を分離したくて、このような結果が出るわけではありません。仕事と人間が混ざりながらいろんな問題が発生し、その処理の過程で仕事と人間の分離が成されます。仕事と人間の結合は、特別な能力と努力を必要とします。難しいことです。生き抜くという問題は比較的に分かりやすいですが、仕事と人間の結合は難しく、すぐに目の前に現れるものではないため、比較的に後回しになり、そのまま留まるのではないかと思います。段々と、会社という組織は仕事と人間の結合に対し特別な努力を注がなくなり、定期的な食事会ぐらいで終わります。しかし、内部文化は仕事をする理由と直接的につながっています。内部文化を作るために仕事をする訳ではありませんが、私達の人生そのものがつまり内部文化です。内部文化は仕事と人間の集まりです。仕事をする人間たちが集まり効率と価値を生み出し、その中で発生する関係がまた仕事に繋がります。仕事と人間、人間と人間、仕事と仕事は互いに衝突しあい、和解しながら次を模索する中で効率と価値が発生すると同時に内部文化が形成されます。
内部文化は、仕事と分離し別の空間で作られるわけではありません。会食だけ、誕生日にプレゼントをあげたからといって内部文化は作られません。仕事の過程で内部文化が始まり、人間関係がその基盤を提供します。店長になると必ず先に[うちの店舗はこういうテーマで進もう]と宣言をします。これはつまり[店舗の内部文化を作る]と同じ言葉です。仕事と仕事、人間と人間、仕事と人間を繋げる重要なパイプを作るということです。しかし問題は、この内部文化がやってもやらなくてもいいもののように扱われるということです。目の前にある仕事がたくさんあり、店舗が宣言したテーマや主題は山のような仕事を処理した後に残った時間にしてもいいという認識を持っています。何か順番がごっちゃになったような印象を受けませんか?家族の愛が内部文化なのに、現実の目の前にある仕事・教育・家計の問題を解決するために家族の愛は疎遠にする私達の日常と似ています。つまり、内部文化は私達の活動全般に溶け込まれなければなりません。仕事と仕事、人間と人間、仕事と人間の間に内部文化が結合されなければならないため難しいのです。ここで、店舗のイベントが登場します。
店舗のイベントを話すために、私達の認識転換に関する2つをまず抑えなければなりません。
1つ目に、店舗のイベントを単純な顧客サービスの次元で考えているという傾向です。お客様が好きそうなものを選択し、サービスを提供すると思っているため、別で努力とアイデアが必要だと思いがちです。店舗のイベントを[お客様に向けて店舗を投げだす]と認識を変える必要があります。もちろん、店舗を投げだすときはお客様に向かって行うため、お客様のことを考慮しなければなりませんが、核心は[投げる]ということにあります。店舗を投げるということは、店舗の内部文化を投げるということです。つまり店舗のテーマと主題、今現在自分達が行っていることを投げるということです。
2つ目に、内部文化の中にお客様を含めて考えなければなりません。私達にはお客様という対象が常に存在します。私達の全ての活動の結果はお客様から表現されます。誰かを愛する時は、相手が存在します。私の感情の状態とは別に対象がそのまま存在します。私の感情は、お客様と直接的な関連の中にあります。内部文化と言うと、店舗の内部だけを考える傾向があります。しかし、私達の全ての行為は結局お客様から表現されるため、お客様と共にする内部文化は必然的なのです。
店舗のイベントは、単純に顧客サービスの一環だと思いがちですが[お客様に向けて店舗を投げだす行為]と考えるべきです。その結果、店舗が自ら現れるようになります。そのためには、店舗を再整備する必要があります。店舗を投げだすためには、店舗が一定した形を作らなければなりません。自店舗が一番うまく出来ること、店舗でやりたいこと、店舗の個々人が意欲的に進めていること等を動力として、店舗のイベントを計画しなければなりません。そうすると出来ることが拡張されます。お客様が好きなことを選択すると同時に、お客様の参加型店舗を作ることができます。
3つ目に、店舗のイベントは美しい競争の理想的な競技場(グラウンド)です。
ライフスタジオを運営しながら一番多く言われた指摘の1つが[ライフスタジオは評価基準がないから多くの問題が生じる]ということでした。きちんとした評価は同期付与に繋がり、結果的に組織の体系が作られるそうです。このような指摘をされた時、私はこう答えました。[評価するほどの内容がありません。評価のための評価は作らない方がいいです]。本当はライフスタジオならではの評価方法を作りたいです。評価は仕事が成される原理の中でも一番重要なポイントです。普通の会社のように評価が飛び交うのも問題ですが評価が全くないのも問題です。現在ONE POINTの中で評価方法が1つずつ作られており、そのうち本社からも計測可能な評価方法についての提案もさせて頂く予定です。
自立経営店舗を通して、各店舗が自律的に運営するためのスタートを切りました。独自的な会計と内部運営程度から始まり、これからは人事と勤務体系に関するより積極的な選択と実行を期待しています。しかし、自立経営店舗の制作が内部だけに留まりながら、現実に安住する方向へと少し移動しているように見えます。自立経営店舗は、変化発展の動力を店舗から見つけようという事業です。成果が出ていると同時に問題も登場しました。ここで、店舗のイベントの出番です。先述したように、店舗のイベントへの認識の転換が必要です。[イベント]という単語があるから一時的な顧客サービスという考えを持ってアプローチしています。これからは[お客様に向けて店舗を投げだす]と認識転換をして下さい。店舗のイベントはその店舗を自ら現す方法です。そうするとこんな事が発生します。ONE POINTの5店舗が同時に投げかけると、その中での差が明確に生じます。その違いから自身を確認することができます。その差異が評価の根拠となり、結果に基づいて各店舗は自分なりの判断をします。その判断は変化のきっかけを生み出し、新しい動力として動くという善の循環構造が生まれます。美しい競争が実現出来ます。店舗HPのアクセス数・閲覧数・SNSの活動・予約と売上の変化・店舗内部の環境の変化などは確認が可能な部分です。美しい競争が起こること自体が成功であり、これはつまり自ら現し、やったことが成される過程をみせてくれます。
店舗のイベントを通じた美しい競争は、店舗での多様なアイデアや活発な活動も必要ですが、同時にゲームのルールを作るのも必要です。各店舗で起こっている店舗イベントの進行状況と結果に対して評価し、共有し、現実に適応させるための特別な装置が必要です。来年の1月以降本社からこれについての具体的な計画を説明するようにします。
先日行われた直営リーダー制度の導入のための討論で、直営リーダーと店長に対する評価や資格についての話が出ました。店舗のイベントを[お客様に向けて店舗を投げだす]と規定するのなら、店長の評価基準の一番上位にある項目になります。店長の第1の役割は、店舗の内部文化を作ることです。内部文化を構成する様々な要素の中でも店舗のイベントはその頂点にある事業です。店舗と個人の協力により、自ら現す決定的な事業であり、自店舗だけの強力な経済エンジンとなり、究極的には自立経営店舗の実質的実現が出来るようにするのが店舗のイベントです。
2018年ONE POINTの集中していく事業として、店舗イベントが設定された理由は明確です。
店舗を自ら現すことが出来るからです。
店舗の内部に留まっていた論議を、お客様へと拡張していくということは、量から質への転換を意味します。この質的転換は、やった事が成されたことにするための努力です。
5. 個人プロジェクト
ライフスタジオで、今まで進行して来た学習と教育は[知る]の世界に進入するための選択でした。無気力の原因が[無知(知らない)]から来ると判断しました。[知る]という世界を経験することで無知から知の状態へ進む構造を自らが作り上げてくれるという希望がありました。[知る]と同じくらい強調してきたもう1つは、[成功経験]でした。自ら計画し、実行して、山を越える経験は[知る]の世界に向かう過程であり、無気力を克服し自尊感を確保できる良い方法だと思いました。そのため、ライフスタジオの全ての事業は個人に集中されていました。ところが、集団の影響を受ける個人という現実は突破出来ず、活動を中断することになりました。個人プロジェクトは、ライフスタジオが目標とする[自立した人々の経済共同体]を構築するための基本的な土壌を提供します。集団に隠れている個人は錯視現象を起こします。個人が[仕事が成される原理]に基づいて自らの道を作らない限り、どんな計画も砂の上の楼閣になってしまう可能性が高いのです。ONE POINTの全ての行為は個人によって動きます。個人が自ら現れることが出発であり、その過程1つ1つが蓄積されて店舗の内部文化として発展されます。2年間に渡る個人プロジェクト事業はあまり成果がありませんでした。様々な問題がありましたが、反対にその過程で基本的な枠は作られました。2年間の個人プロジェクトの成果と限界から分かった幾つかの方向に関する話をしてみます。
1つ目に、集団を考慮した個人プロジェクトであることです
ONE POIINTは個人と集団のバランスを強調します。ONE POINTは集団的な約束であり、集団的な実行です。集団の単位は店舗です。店舗に含まれている個人は店舗を単位としてONE POINTで約束したことをやっていきます。過去2年間の個人主題とプロジェクトは集団のやることに押され有名無実になった場合が多々ありました。集団の仕事が多くあり、それと別に個人プロジェクトがありました。2つのことが衝突した時は集団のことが優先になりました。個人と集団のバランスのために個人の部分を強化させる必要があります。
先ずは、2018年は個人が集団の仕事を個人化させなければなりません。集団の仕事であると同時に個人の仕事である必要があります。この中で個人と集団はバランスを保つことが出来ます。個人プロジェクトは個人の仕事でありながら同時に集団の仕事です。個人のプロジェクトが集まり集団が構成されなければなりません。従って集団を考慮した個人プロジェクトが必要です。集団と全く関係ない個人プロジェクトでも問題はありませんが、集団を考慮した個人プロジェクトが効率的であり[成功経験]の可能性を高めます。まず、2018年は集団を考慮した個人プロジェクトを通じて[成功経験]と店舗の内部文化を共に作り[成功経験]の繰り返しを通じて仕事が成される原理が姿を現すと個人の自立性に、より重きを置くことが良い方法だと思います。
2つ目に、具体的且つ現実的であるべきです
リーダーシップ教育プログラムの中心の内容は、個人プロジェクトです。巨大な哲学的概念から始まり、3~6ヶ月間の期間の間、達成可能な目標と具体的な計画までを出すプログラムです。教育の序盤は希望を元に始まりますが、終盤に向かうほど達成可能性を重視します。計画とはこういうことだと思います。2016年の始め、個人の主題とプロジェクトを設定する時は巨大な概念を設定しました。キーワードを設定するのは楽しいことですが、プロジェクトの出発と同時に段々と動力を失いました。1つ目の部分でも話したように、個人と集団の分離も問題であったし、ONE POINTでやっている仕事の量自体が多かったのです。その中で一番反省している部分は具体的で現実的ではなかったことです。具体的な目標と達成可能性、繊細な計画、現実的な条件に対する考慮が前提とされなければなりません。第1期のリーダーシップ教育で3ヶ月に渡る調整を通じて、足りない部分はあったものの具体的で現実的な計画が出て来ました。第2期リーダーシップ教育も1月から始まりますし、その中で5人の構成員が同じ過程を踏みます。2018年上半期までに、第3期リーダーシップ教育を進め個人プロジェクトを安着させる計画です。
3つ目に、個人評価の第1項目です。
この報告書で、評価に関する話が多くされていますね。個人プロジェクトはやってもやらなくてもいい事業ではありません。必ずやらなければならない事業であり、そもそもONE POINTの土台になるものです。1月に発表しますが、自ら現し測定可能な部分は本社が担当し、店舗でしか出来ない項目は店舗で評価をする計画を持っています。個人において測定可能な部分はホームページと個人プロジェクトが唯一です。また、この2つの部分はONE POINTの核心事業です。従って個人プロジェクトは個人評価の第1項目になります。では、いい評価を受けるためにあえて個人プロジェクトをやる必要があるでしょうか。それは皆さんが判断する事です。ただ、やるならば、1つ目の部分でも話したように、集団の仕事を個人プロジェクト化させる方法が一番良いでしょう。青葉店のれいりさんがやっている個人プロジェクト[殿堂入りチャンピオン]がいい例だと言えます。自身を現すためにONE POINTの土台を作ることを個人プロジェクト化するのが一番効果的ですし、それをみて個人を評価す
個人プロジェクトは各個人が現れる事業です。各個人の成功経験はつまり仕事が成される原理とつながります。個人的には4大事業の中で個人プロジェクトが一番重要だと思っています。理由は簡単です。私達の全ての努力は究極的に、各個人の変化発展プログラムを装着するためにあるからです。
6. 本社のオンライン
本社のオンラインは1月に個別の計画書が発表される予定です。その時にまたお話します。
★. 終わりに
もう一度、2017年一年間頑張ってきた皆さんに拍手をおくります。
自身のいる場所で黙々と仕事をしていくこと、それと同時に全体をみること、とても美しいことです。足りない人々が集まって、不十分な計画と目標を持って、足らない結果物にがっかりしたり、拍手をおくったりもします。ここまで書いた文章や計画は確かに重いです。私の筆力不足でもありますし、計画自体が矛盾だらけかもしれません。足りない部分はみなさんが上手く解釈しながら読んで頂けたら幸いです。
整理するとこうなります。2017年は成功です。可能性を確認しました。2018年はその可能性を確信に変える年になって欲しいです。私達は皆幸せにならなければなりません。今も幸せですが、これからもっともっと幸せにならないといけません。もっと幸せな人生を生きるための現実的な方法として私達はONE POINTをやっています。各個人と集団はもっと努力して変化発展しなければなりません。個人が上手くいくと店舗が上手くいくし、店舗が上手くいくとONE POINTがうまくいきます。ONE POINTが上手くいくとライフスタジオが良くなりますし、ライフスタジオが良くなると日本社会も少しは良くなっていくはずです。
この報告書はONE POINTを対象とするため、2018年の目標を[ONE POINT運営システムの持続可能性の確保]と設定しました。そのため、中断、日常、集中するものに仕事を分け、4大事業を決めてみました。大した計画ではありませんが、この中に含まれている全てのことがクモの巣のように繋がっています。成功する人も、目立つ人も、失敗して傷だらけになる人もいるかも知れません。もしかしたら辞めたくなる人も出てくるかもしれません。
しかし、確実なことが1つあります。
私達が今やっていることは日本では特別なことです。
ONE POINTという名前で私達が希望する、美しい世の中を具体的に作っています。
世の中の人々が気付かなかったとしてもこの事実は真実です。
ONE POINTのみなさん!
誇りを持って2018年、共に伝説を作り上げましょう。