店舗フォトジェニック集Photogenic

柔らかであたたかな

2019/11/30

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Photo by Ayako Kai

Coodinate by Izumi hashimoto

Written by Izumi Hashimoto

 

「草加店の特長といえばあたたかな日差しの差し込むインテリアである。」

こんなはじまりで書かれた写真分析はおそらくこれまで数えきれないほどあるのではないか。そんなことを思ってしまうくらい草加店は日の光の恩恵を受けているスタジオだと思います。その雰囲気を好んで選んでくださるご家族も少なくはないですし、実際それに助けられている場面もあります。
しかし、ただ日が出ていて明るければいい写真が撮れるのならば、カメラマンもコーディネーターもいりません。カメラマンが被写体と向き合い意図をもってシャッターを切るからこそフォトジェニックと呼べる写真が生み出されるのだと思います。

今回取り上げるこの写真はそんな思いを裏付けてくれる一枚です。

妹ちゃんの七五三記念でのご来店。
彼女はまさに天真爛漫で、こちらが投げかけた言葉にけらけらと笑ってくれる元気な女の子でした。
一方お兄ちゃんも負けず劣らず奔放で思わず笑ってしまうような斜め上のリアクションをしてくれる男の子。
二人はとても仲が良く、スキンシップはとても激しめ。お互いのことを兄妹というよりはライバルと思っていそうな関係性でした。
だからこそ2ショット撮影の時は二人ともハッスルしまくり。この写真のような穏やかな雰囲気の一枚は残りませんでした。
そう、この写真は偶然が生み出したのです。

着物を脱いでドレスでソロ写真を撮り始めてからしばらく、穏やかな雰囲気の写真を残したいと小道具として彼女に1冊手渡したことからこの写真は生まれました。
本の内容が気になったのか、さっきまで車で一人で遊んでいたお兄ちゃんがふらっと妹ちゃんの元にやってきたのです。
あまりに自然で私は声を掛けるタイミングを逃してしまいました。

お互いを意識するとついつい張り合ってしまう二人ですが、二人とも意識が本に向いているからか不思議といつものようになることもなく、穏やかな空気が流れていました。

無意識だからこそ自然と滲み出たお互いへの親愛。それはまるで始めから2ショットを撮るつもりであったような素敵な空間を作り出していました。
スタジオは丁度夕焼けに差し掛かった日差しが逆行から降り注ぎ、二人の間をあたたかく包み込んでいます。
二人の心情と光が合致したようなその瞬間。シャッターは切られこうして写真として残されたのです。

ただ撮ろうと思っていたものを撮るだけでは決して生まれない、被写体の空気をそのまま封じ込めたような写真。
それは撮影の間常に被写体と向き合いどんな瞬間も見逃さない姿勢から生まれるのではないでしょうか。

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