Kyoto-Katsura
Photo: Kudo
Coordinate: Hina

生きていると、何かが心に触れる瞬間はいくつかあります。
いつかの映画を観た時。
あの日見た夕焼けの中。
ふと見た青空。
言葉ではない優しさを感じた時。
温かい掌の中。
きっとそれは受け取る人が違えば、全く違う瞬間に何かを感じることになるでしょう。

写真も同じで、
撮る人が違えば同じところにいても見ている物は異なり、写真に写るものも変わってきます。
写真を見る人が違えば、好きな写真も変わってくるし、良い写真の基準も変わってくるものだと思います。

人によって違うことだらけの世の中で、良い悪いなんてだれがどう判断するのかわからなくなります。
あの人にとっては良いけど、あの人にとっては悪いなんてこともあるでしょう。
その人その人が何を感じ、何を思うのかは自由だと私も思います。

皆が多様性を大切にしていく中で、唯一共通することは「私たちは同じ人間である」ということです。
皆それぞれが違うと言っても何か共通で良いものだと思うことはあるはずです。

私たちが共通する「心に触れていくこと」ができる写真は、物理的には数値やバランスというつまらない言葉で表すことのできる要素も多くあるかもしれません。
しかし、その数値や物理的なことを超えたその先に「心に触れる」ような領域があると信じて今日も写真を撮っています。

人間みな、何を感じ、何を思うのかは自由です。
それでも少しでも、共通する心に触れるような写真を撮っていけたらと願っています。