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瞬間の交差点

投稿日:2018/1/31

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朝ごはんが美味しいと1日のテンションがあがります。夜ご飯が美味しいとよく寝れます。それくらい1日の中で食事の時間が楽しみです。みんなでワイワイ食べるもの、1人で黙々と食べるのも。美味しいはそれぞれ違えど味わう時間が至高なのです。

唯一のルールは「いただきます」と感謝すること。私の親はそう私に言い聞かせてきました。

日常でも会話の中に食べ物の話はよく出ると思います。

 

 

 

例えば

 

『新大久保と高田馬場のあいだに出来たラーメン屋、名古屋じゃすげー有名でさ今度行ってみようぜ!』

『なんでも〝台湾まぜそば〝だってよ』

 

こんな会話みなさんしませんか??

私の場合はよくします。雑誌や友人との会話の中で入ってくる情報を,実際に自分が食べに行った時の情報を共有したく話します。承認欲求というものですでしょうか。

 

好きな物へのアプローチなどにはいろんな形があって、それが写真でも同じと言えると思います。それがどれなのか何なのか知ってるのは私自身で、それをいいと思って貰えるために工夫をこらして日々の撮影を声を枯らし汗を水流して行っています。なのでこれからは撮影中に私は何をみたのか?被写体と出会い何を感じたのかそれが大事だと思い始めました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『瞬間の交差点』

 

Photo by CHIBA

coordi by SERIN

LIFE STUDIO JIYUGAOKA

 

 

 

 






 

いい写真ってなんだ??

そうざっくり考えたことないだろうか?

安易に考えていた私は、様々な写真を見てきた中でさえも「いい写真って何?」心でつぶやき、声に出しても言っていました。

ざっくりとした言葉『いい写真』

『光がいい写真』とか、『構図がいい写真』と視点を明確に話すべきではあります。しかしいいねって思うには直感だったり、話を聞いたりした時に思う部分もあります。

 

これこそ個人差がある話ですね。その写真をみて目が止まり、また観たくなるようにと。。。
 

 

ある写真家が言っていました。

『人生とは君の芸術だ。開かれ、覚醒した心が君のカメラだ。世界との一体感が君のフィルムだ。君のかがやく目と気楽な微笑みが君の博物館だ。』

 

 

生きていく中で私にしかない視点があります。ファインダーをのぞいて考え感じ、自分の観点で思いのままにシャッターを切る。その連続の中でまた新たな自分との出会いが待っている。心から楽しむのが写真の本質ということでしょう。

だからいい写真の基準は私にしかない視点があります。美しいと感じる写真、楽しくなるような写真。いいとおもうポイントは私の中にもたくさん存在しています。

 

 

 

 

◇今回の写真について
 

私は今回撮影したこの兄弟と会うのは2回目になります。2年前に一度私がカメラマンとして撮影しています。その時は七五三の撮影でした。記憶ではっきりしている部分がありました。それはとにかく元気いっぱいでとにかくしゃべる、笑う、走る、というところです。撮影側の私たちも負けじと元気になるような2人です。そんな2人にこの本棚の前で兄弟撮影をしようとしましたがなかなかじっとしてくれませんでした。だから脚立にお兄ちゃんを座らせて撮影をしました。その背景を知っているのは私とコーディネーターとお父さんお母さんです。撮影背景を知っていてこの静かな雰囲気の写真が撮れたというのがあるためクスッと笑ってしまう部分があります。ゆえにこの写真は楽しさのある写真だと思います。

 

 

 

わたしは撮影中少し困っていました。何度も何度も降りては笑う、少し大人が困るのが面白いくらいに感じていたこの2人は声も大きくなぜそんなにテンションが高いのかと。でも結局2人は最後までその元気な姿を私たちに見せてくれました。

そんな中、一つだけお願いをしました。

『パパとママとお兄さんとお姉さんに聞こえないように今日の夕ご飯何食べたいか相談して!絶対に聞こえないようにね!』

スタジオ内に響く2人の声は今度は小鳥のさえずりより小声で話しました。それがこの瞬間になります。

あんなに2人の声が響き渡る中、突然訪れた静寂な時間。時間が止まったようなそんな感覚が私の体を走ります。

 

 

シャッターの瞬間は撮影前から事前にセッティングした空間で行いました。白のレースと葉っぱの前ボケを置き、2人だけの空間、撮影者の存在を感じない写真にしたかったのです。ボケみがあることで、普段人前ではしないであろう2人の顔と顔を近づけたポーズにより神聖さを加えてくれます。この準備があってこそ、この瞬間を待てたのだと思います。正直こんなに顔を近づけてくれると思いませんでした。洋服の雰囲気とインテリアの雰囲気もありこの子達が表現したヒソヒソ話がすごく私の心に響きました。ゆえにこの写真は美しいと私は感じます。

 

 

上記の内容が今回の撮影で見た内容であり、準備した内容になります。

だから楽しく感じ、だから感情が入ってしまって、だから美しいと感じたのだと思います。

 

 

この一瞬には様々な背景が交差しています。

そのどれかでなく、それらの要素が詰まった写真だから私はこの写真が好きです。

 

 

好きな物は人に教えたくなります。それは食べ物でも写真でも同じです。自分がまず好きになっているというのが何なのか自分自身がわかっていることが重要だと思います。

 

 

Q.いい写真とはなんですか?

A.人に語りたくなる写真です。

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