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投稿日:2016/2/26

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URAYASU Photo
Photo by volvo
Coordinate & Written by Kudo


『ひとりの人として。あなた自身として。』

私は常に、ひとりの“人”として、“私自身”として、
あなたの傍に在りたいと願う。

写真館とは接客業です。
接客業と聞くと、知らず知らずの内に私たちの意識の中で刷り込まれているのは、
お店側である「スタッフ」と購買者である「お客様」という二つの立場です。
その概念は知らず知らずの内に当然のように、私たちのお店の中での立ち振る舞いを決定付けます。
スタッフはスタッフのように、お客様はお客様のように、自分自身を"演じる"と言ってもいいでしょう。

しかし、私はその当然のようになってしまった「スタッフ」と「お客様」という概念の前に、
これも当たり前のことですが、ひとりの人間として「私」と「あなた」で在りたいと思う。
「ひとりの人」として見ることは、そこにしかいない、そのときしかいない、
世界でただひとつのストーリーを持った一人の人生を見ること。
その人の心に触れること。それは、この世界にたった一つのストーリーの中に入ること。
そのとき、スタッフとお客様という常識の仮面は、意味を失くします。

それは、「人」と「人」としての空間を作るということであり、「人」という存在はみな違うから、
「私」と「あなた」がいるその空間とその時間は唯一無二のものになります。

その“唯一無二さ”こそがライフスタジオの写真であり、空間であり、時間です。
目の前にいるお客様は私たちと同じ「人」です。
だから、その「人」自身を見つめ、話をし、その人たちに合った衣装を提案し、
その人たちとしか作れない空間と時間・写真を形にしていきます。

「人」として作る空間と時間、そして写真。
私たちが目の前の人たちを見るまなざしもまた「人」であり、相手からも「人」として接してもらうこと。
そのためには、私たち自身も「人」としてお客様の前に姿を表すことが必要であり、
自分は「誰か」を表現することが重要であります。
自分が「誰か」を表したときに、相手も「誰か」ということを徐々に出してくれる。
「誰か」と「誰か」、「人」と「人」、「あなた」と「私」が、触れ合ったときに、
その時間・その思い出・その写真には「人」でしか生み出すことのできない「体温」が生まれる。
このことが、私たちライフスタジオの写真に息を吹き込んでくれる最も重要な要素です。

「私」と「あなた」がいる空間と時間は一期一会で、だけど人の体温のように温かで血の通ったものであるから、
ライフスタジオで撮った写真は特別であり、唯一無二であると言えるのです。

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