フォトジェニックアーカイブPhotogenic Archive

一枚絵

投稿日:2015/3/30

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Photographer:Volvo
Coordinaite:Oikawa
 
 
私は私に対して、成長させる為に一体どのような条件を課してきただろうと思い返すことがあります。
時に厳しく、時に甘く。どちらかというと甘い方が多かったかもしれませんが、思い返すとたくさんの事をしてきたように思います。
 
人の成長とは一律ではなく、同じ事をしたとしても成長はそれぞれです。
でなければ今頃サッカー少年は皆メッシになっています。
だからといって「どうせ自分はメッシになるセンスは無い」と悲観に終わるのが普通でしょうか。
 
これは違う側面から見ているに過ぎないのかもしれませんが、例えば「メッシと同じ練習をする」事を「自分がメッシのようになれるための練習をする」と言い換えてみると似ているようで行動は違ってきます。

そう言い換えたらそりゃ良いように聞こえるし、そんなの当たり前だろうと思いますが、自分の写真を見ているとこれが難しく実践できていないことに気づきます。
 
ようは「人は皆違う」と言いつつも人と同じ事をする自分を振り返ると、成長するための
適切な方法を取っていないことに気づくのです。
もちろん我流でやるべきだと言うことではありません。
知らない人間が我流でやってうまくいくことはありえません。
 
自分が成長する為の適切な方法をとることができるようになるには「自分を理解する」事が
絶対的に必要な事です。
よく自分を知ることが重要だとは言いますが、自分を知ることというのは何を知ること
なのかその具体性は中々見いだすことは難しいです。
 
今まで私は新しい発見や挑戦に価値を置いてきました。
そうすることで自分を突き動かす原動力になり、写真への情熱を常に持ち続けることができました。
 
実際に自分の感覚には無かったものが多く入り、知識と経験として間違いなく糧になっています。
 
しかし、私の目標は一枚の写真を残すことではなく、撮影空間そのものを包括した原本を目指すところにあります。
その観点から見てみると「自分の中にあるものを精査していく作業」が必要であると判断し、最近は「シンプルなものをより美しく」写す事を心がけるようになりました。
 
この写真の大きな特徴は85ミリの単焦点レンズを使用しているところと、被写体と背景の統一感を持った整理をしている点です。
85mmの単焦点レンズは、私たちの撮影に大きな幅をもたせてくれます。
大口径レンズの特徴である綺麗なボケ味を生かした前後圧縮と、ファインダーの中に見えるすべての構成要素を視覚に取り入れ、過不足なく整理すること。
光は窓からの自然光のみにし、絞りをできる限り開けることで飽和した光が全体の彩度を下げ、表情に合った一枚絵としての雰囲気を作り出すことができました。
 
与えられた環境や条件に対し、自分がそうなるために必要な事を実践する術を見つけ、それを実践することが「主体の意思の自由」と言えるのかもしれません。

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