フォトジェニックアーカイブPhotogenic Archive

Special common

投稿日:2014/11/30

1010 2

No.99 Yokohama Aoba 
 
HairMake&Coordinaite by Kaori Sasaki
                         Photo by Volvo
 
ライフスタジオの写真がオープンより8年間培ってきたものを次のステップに進める為に
オープンした『.with』というスタジオがあります。
.withのオープンによって提示されたカメラマン達への次のステップが「大人を撮る」という事でした。
 
 
なぜ子供写真館なのに大人の写真を撮る事が次のステップとなるのか。
それは一言で言えばライフスタジオの活動目的のひとつに「関係性の創出」があることがあげられます。
 
写真は「人に対する技術」と「写真に対する技術」の両面へのアプローチが必要だと西さんの写真分析には書いてありました。
より生命力のある写真を撮る為には写っている被写体の「人間性」を知る必要があり、深く入っていかなくては
良い写真を創出する事はできません。
互いの人間性を知る為には、多様性を認めてある種の「新しい価値観」を与え合う事で関係が作られていきます。
 
 
コーディネーターのかおちゃんに「今日はどういうヘアメイクでいくのか?」と訪ねたら「会ってから決めます」と
即答で返ってきました。
当然のように聞こえるかもしれませんが、案外こうした考えは行っていないもので、つい型にはめ込んでしまいがちになってしまいます。
 
こうした人間の多様な部分は、年を重ねるごとにその人の特徴として表れていきます。
それは外見も同様です。
大人になればなるほど心の壁は種類も増えて厚くなり、気をつけなくてはならない部分も増えていきます。
 
私達が本当に「関係性の創出」を求めているのならば、そろそろ次の段階に上がるべきではないのか?という
事に対するひとつの道筋が「大人の撮影」だったのだと思います。
 
この写真は10歳ではありますが条件は大人と変わらず、光を細かく設定し、カメラの設定でコントラストを強め、できるだけ無駄を省いたフレーミングをし、自然なポーズを人工的に作り出す作業をできるだけナチュラルに誘導しました。ナチュラルに実践する為には深く相手に入っていかなければ結果として写真には不自然さが表れてしまいます。
 
良いカメラマンは人に深く入れる事が条件なのかもしれません。

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