フォトジェニックアーカイブPhotogenic Archive
DIVERSITY
投稿日:2014/8/31
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No.99 Yokohama Aoba
Coordinaite by Satsuki
Photo by Volvo
ライフスタジオの写真の構成要素の中で、全店舗で共通している事のひとつに「インテリアと衣装」があります。一般的に「かわいくておしゃれ」と言われるそれらを使って撮影をしていく事で非日常的な体験ができ普段とは違ったイメージを形に残す事ができます。私達はインテリアという作られた空間に合わせた衣装を選択しその空間に合わせた撮影をしていく事で一種の統一的な世界観を生み出す事ができます。統一的な世界観は写真にストーリー性を持たせ、一枚としての完成度を高めてくれる為に包括的な構成要素として常に意識していなくてはなりません。
しかし私達は人を撮っています。
どんなに統一感のある環境を提供できたとしても「写る人」によって世界観は大きく変化していく為、どの撮影でも必ず同じような世界観が提供できるわけではなく、また、それを無視していつも同じように提供すると言う事は「写る人」のダイバーシティ(多様性)を確認していない事になります。
コーディネーターは衣装の提供をする時に「その子に似合う衣装はなんだろうか」と頭を悩ませます。
これが多様性を認めると言う事です。
それなのにカメラマンがいつもと同じように撮影をするのであれば「その子の個性」は統一された環境の中に消えてしまいます。
では、逆に「写る人」の個性を第一優先に撮影を進めていけばいいのでしょうか?
個性は重要視すべきですが、それだけではいつも言っているように「あるものを撮る」ことしかできず「作るカメラマン」から「見つけるカメラマン」になってしまいます。
この写真の姉弟は年齢も大きくなってきて、いつでも仲良しというわけではなく時には喧嘩をしたり、話もしなかったり。自分も経験がありますが、きょうだいというのはそういうものだと思います。写真を撮るという行為も、必ずしもうれしい年頃ではなくなってきます。
それでも協力してくれる三人の人間性を感じ取りながら撮影者が発揮できる最大限の統一性(光、表情、衣装、インテリア、フレーミング)によって包括的な構成要素を損なう事無く多様性を認める事ができ、別々だけど統一感のある、笑ってないしそれぞれのところをみているけど一枚画として成り立つ、そうした一枚になったのではないでしょうか。
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