フォトジェニックアーカイブPhotogenic Archive

生命力

投稿日:2018/5/31

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photo by  Manami

codi by Nasu

 

 

ベイビー写真を撮る時は、被写体の動きに助けてもらう事がとてもよくあります。

ベイビー写真とキッズ写真が大きく違う部分は、ベイビー写真では赤ちゃんはまだ言葉をすべて理解できる年齢ではないという部分です。

赤ちゃんたちには言葉で指示が出来ない分、赤ちゃんたちの動きに任せて撮影する事も多いですが、その赤ちゃんたちの動きを最大限に見せる為には撮影者の意図をどうやって出していくかがとても重要になります。

今回被写体の赤ちゃんは人見知りもほとんどなく、撮影している周りの人たちの声などにもよく反応してくれました。

 

今回の写真にはポイント大きく2つあります。

 

①前ボケの効果

この写真には2つの前ボケが使われています。

一番手間にあるのが薄い緑の前ボケ、もう一つがシャボン玉の前ボケです。

シャボン玉は被写体の近くではなく、カメラの近くで吹いてもらいました。

カメラの近くで吹いてもらったのは、カメラとシャボン玉の距離が近くなればシャボン玉の形ではなく、シャボン玉の色を効果的に使用する事が出来ます。

シャボン玉には光を通すと虹色の様な色味が出ます。シャボン玉自体もとても薄い層で出来ているものなので繊細な色味を表現する事が出来ます。

シャボン玉をカメラの近くで吹いてもらった理由がもう1つあります。

シャボン玉を被写体の近くで吹いた場合、被写体がシャボン玉へより意識が向くので、シャボン玉の行方によって顔や身体の向きの自由さが増えます。

もちろん動きがある写真も可愛らしいですが、今回は被写体の赤ちゃんはシャボン玉に対して彼女なりの反応を示してくれていたので、それがもう1つのポイントでもありました。

 

②被写体の仕草と表情

彼女は自分が興味のあるものを見つけた時、目の前にあるものを一点に見つめながら口がちょっとすぼまる表情をしていました。

彼女は集中力がとてもあり、シャボン玉を吹いた時もすごく興味を示してくれて、

目の前にある不思議なものへの好奇心が彼女の身体全体から伝わってくるように、両手を上に向かってぐっと伸ばしていて、

全体を見ると座っていた足も、片足は最大限のばしながらも反対の足は中にぐっと納まっていて、

彼女の身体から出るエネルギーを感じてシャッターを切りました。

ちょうどシャボン玉も彼女の顔にかかるギリギリの部分にあったので、全体をつつむような前ボケの色味が彼女の仕草、表情をより活かし、無垢で優しい赤ちゃんの可愛らしさを出す事が出来たと思いました。

彼女のもつエネルギーは写真への生命力にも繋がっていると思います。

 

 

写真はそこにあるものを写しだすものですが、

その場所にあるものをカメラというフィルターを通す事で、撮影している人の意思と表現が生きる世界を作りだす事ができます。

だからこそ写真には1枚も同じものがなく、人の数だけ写真の表現が存在します。

表現の方法を模索しながら学んでいき、被写体に対して最大限に出来る事をその瞬間、瞬間、適切に出したり、意図をしっかりと持ちながら撮影する事で

被写体が表現してくれた事を更に、素敵に表現する事が出来るのではないかと思います。

写真に正解はないからこそ、無数の中から自分の最大限を表現できるように学びは終わらないと感じます。

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