フォトジェニックアーカイブPhotogenic Archive

Fly me to the moon

投稿日:2016/8/25

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Lifestudio kokubunji
Photography:Shiiba
Coordinator:Tansho
 
 
写真とは現実にあるものを再定義するものである。
 
 私達はカメラを通してなにを撮ろうとしているのでしょうか。
美しいものを撮るのか、人がきづかない美しい部分をクローズアップして見せたいのか、
事実をそのまま表現したいのか、美しさではない部分をあえて見せたいのか。
写真とは本当に不思議なもので撮った人がどういう人なのかが色濃くでます。
機械をひとつ通すだけなのに、未だに不思議でなりません。
 
私達は被写体に長くはない時間で多くのことを投げかけそしてキャッチします。
しかし、それだけではなく被写体もまた私達を引き出してくれているのです。
人には人を引き出す力があります。だから思いもよらないことが人と話しているときに出て来たりするのでしょう。
3才の女の子が来るという情報があると私達も頭の中でこういう子かなー?と想像し
準備します。しかし予定とは違うことが起こり、想像の範囲を超えることが出来るのです。
 
準備、練習そして想像はとても大切なことですが、そこに私達が引き出される隙間を作っていなければ対人の写真はどこか味気ないものになってしまうのかもしれません。
 
それらが重なり合って、そこに新しいものが生まれる時にいい写真といわれるものが出てくるのではないでしょうか。
 
そしていい写真はその人を再定義することが出来るのだと思います。
私達は日々生きていて、この人はこういう人である。とかあの人はこんな人であるとかという風に人を定義したりします。それはいい意味でも悪い意味でも。
しかし写真の力では写真を通して私達が生きているベクトルと少し違う場所からその世界を覗くことが出来るのです。いい写真では被写体のまた違った一面を正当に表しているのです。だからこの人はこういう人だと思っていたけれど、こういう一面もあったのかと驚いたり納得したり。説明出来なかったものが写真を通して説明されるのです。
 
人に身をゆだねるというのはすごく難しいことです。それが撮影の1時間という短い時間でも。しかしそれが出来た瞬間はとても心地が良く、きっとその気持ちは被写体も同じことを感じてくれているのではないのかなと思うことがあります。この写真もその瞬間の一枚でした。もっともっとそんな瞬間を多く作れるようになっていきたいです。
 
 
 
 
 
 
 
 

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