フォトジェニックアーカイブPhotogenic Archive

親と子

投稿日:2018/1/30

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「僕の写真ってなんだろう」

最近ずっと頭の中で悩んでいました。どんな写真を撮っても、誰かの写真に似ている。
「KATSUらしい」という言葉が聞こえるのではなく、なぜかいつも僕が写真を撮っても違う人の名前が出てきました。
何年か前だったらその言葉は僕にとってほめ言葉でしたが、今の僕にとっては悩みでありました。
むしろ悩みを超えて、少し写真を撮ることに恐怖も感じていました。
しかし今のままではだめだ。何も楽しくない。
だから今の自分に降りかかってきた壁だと改めて自分自身で認識して打開しよう!
そう思い今まで写真を教わってきた先輩方から、写真を撮る上で何を大切にしてきているのか振り返ってみました。

西さんからは「光」「99%の必然と1%の偶然」
あかねさんからは「家族写真」と「インテリア」
ヘヨンヌナからは「写真の基礎」と「美しさ」
ムーさんからは「写真を作ること」「技術」
ボルボさんからは「1つのことを作り出すまでのプロセス」
工藤さんからは「写真の細かな部分の見方」「写真人文学」
キングからは「兄弟写真」「写真の撮り方」
これらのことを僕は先輩方から教わりました。
そしてこれらの内容は、先輩方が大切にしていることであり、1つの基準であるとも思います。
僕は「写真で影響力ある人間になりたい」と思っているだけで、自分だけの大切にしている基準というのが明確にないことに気づきかされました。
今までは向上心だけでがんばってきましたが、これからは自分自身の基準を作らなければならないと気づくことができました。

「自分の基準って何だろう」
~仕事をする上で大切な基準はなんだろう~
ライフスタジオで学んだことがたくさんあります。
・挑戦すること
・本質を追求していくこと
・継続して行うこと
・学ぶことの重要性
・自分自身で規定すること
・最善を尽くすこと
・変化と発展をしていくこと
様々なことを学び、またプロジェクトを通して「仕事」と「生きること」を僕に教えてくれました。
そして私がライフスタジオで学び、素直に1番喜びを感じたことは「人と一緒に、人と共に、人と追求して作りあげること」です。

フォトジェニックから学んだこともあります。
・十人十色の写真
・写真の見る視点・価値観
・その人のプロセス・思い
・写真を決めるに当たっての店舗討論・写真選定
その中で私が1番良いと感じたのは、写真を撮るプロセスにおいて「新たな発見」をし、それが自分の「新しい基準」となり、フォトジェニックを通して全店舗に共有できることです。

そしてライフスタジオの仲間の存在。
所沢店のヒロさんは、一緒にフォトジェニックを競争する仲間であり
自店舗の仲間は叱咤激励をしてくれ
一緒に働いた仲間達、他店舗の仲間達はいつも応援してくれます。
そんなライフスタジオのスタッフは仲間であり、「感謝」の気持ちしかありません。

整理してみると自分が仕事をする上で大切にしている基準が
・人と一緒に追求して作り上げること
・写真を撮るプロセスでの発見を自分自身に装着して新たな基準を作り続け、文章を通して証明・共有すること
・感謝を忘れないこと
の3つがあることが分かりました。

~自分の写真の基準て何だろう~
細かく言えばたくさんありますが、大まかにいうのであれば
・光
・説明できる写真を撮る
・主題を持ち撮影に挑むこと
・被写体と副主体の関連性
・被写体を美しく
こういった要素があげられます。
そして1番僕が撮影で大事にしていることは、「私が思うあなた」を美しく丁寧に撮るということ。
どんな特徴があって、どんな表情があって、どんな仕草があって、どんな行動をして、何が好きで、何が嫌いで。色んな面から観察して、75カットを通して色んな美しいあなたを残すことです。

そしてここから1組のファミリーを紹介します。
僕の写真とは何かを具体的に導いてくれたファミリーです。

「親と子」
4人家族がご来店されました。ママ、パパ、4歳の兄、1歳の妹。
ママさんパパさんは撮影前で緊張もあったと思いますが、初めてあった僕たちに暖かく対応してくれるとても良い方でした。
4歳の兄は4歳なのにしっかり者で、照れ屋が若干ありましたが要求には何でも答えられる凄い子でした。
また1歳の妹ちゃんは、場所と人見知りがありながらも無邪気さが可愛い子でした。
撮影はママさんパパさんのご協力のもと無事に終えることができましたが、撮影が終わり何気なしに話をしていると妹ちゃんはママに、兄はパパの方に身を寄せていました。
その時その姿をみて気づきました。もしかして僕はまだ観察しきれてなかったかもしれない。
撮影に入るときにいろんな「 あなた」を撮りたいので、主題として観察をテーマに撮影に挑んでいます。
しかし子供に集中するあまり家族という単位で観察がしきれていなかったこと、そして「私が思うあなた」という僕の写真を撮る基準は、僕の主観が強すぎるとここで気づきました。
僕よりも子供達のことを知っている親、どんな子か詳しく聞けばよかった。当たり前だけど当たり前にやってこなかったとここで気づかされました。
実際ママさんパパさんに話を聞いてみると、パパさん曰く「兄は妹が生まれてから、妹がママに寄り添うので、気を使って僕の方に来てると思います」とおっしゃっていました。
この言葉を聞いたときに、パパの言葉に感動しながら、これからはパパが思う「子の姿」、ママが思う「子の姿」、そし てそれを知った「みなさん」を美しく撮るのが僕でなければならないと思いました。
そのため最後にまた「パパと兄」「ママと妹」「4人家族」を数枚撮らせてもらいました。
そして今回写真分析をしたのが「パパと兄」の写真です。

「モノクロにした理由」
写真の中には「目に見える物」と「色」が存在します。そしてカラー写真とモノクロだと少し違ってきます。
それはカラー写真は「目に見える物」と「色」があるのに対し、モノクロはカラー写真に対し「色」の情報量が少ないので、「目に見えるもの」が強調されます。
今回僕は「パパ」と「兄」という2人の関係性を表現したかったので、カラーより、モノクロの方が2人を強調できると思いました。
また他の理由として普段私たちの目はカラーで空間を認識しますが、モノクロは普段私たちの目から見ることのできない特別な色です。
この二人の関係は特別なものだったので、モノクロの効果とかけてみました。またモノクロにすることで色の統一感が生まれるので 1石3鳥と思いモノクロにしました。

「この空間を選んだ理由」
写真の情報量が少なければ少ないほど、写真を見る第3者のイメージをかきたてるといわれています。
では逆に情報量を増やせば、私の意図が明確に伝わるのではないかと思いました。
最初ホリゾントで撮った方が余分なものがないので、良いかとおもったのですが、越谷店が一部のインテリア工事をして、新たなコンセプトとして「癒し」を掲げました。
2人の関係はいつも家の日常にあり、イメージとして家のリビングでいつもの二人の様子を撮りたかったので、この新たなインテリアが1番2人に会うのかなと思い選択しました。

「小物と前ボケ」
写真は立体的でなければならないと思っています。そのため、まず被写体と僕の間にクッション、つみき、カゴを設置しました。
クッションとつみきは、リビングを想像させるため、カゴは背景に四角形が多く見えるので四角形の物を置いた方が統一感が出るのと、少しインパクトあるものをもってきた方がデザイン性があり面白いかなと思いおきました。
またipadを持ってもらった理由も日常を想像させるためです。
また撮る時にガラスと、ドアをカメラの左右に入るように設置して空間の整理をしました。

「撮る瞬間」
99%の必然と1%の偶然は、生きている写真を生み出す条件だと思っています。100%必然の写真は硬く作られた印象があり、100%偶然は、2度ととれない写真。
しかし、環境と条件を99%必然的に作り、残りの1%で被写体の素を引き出す投げかけを行えば「自然かつ本来の被写体の写真」をカメラマンの意思で作ることができると思っています。
そのため撮る瞬間、そのための過程も意識して作りました。

「2人の関係」
ママさんに2人が家でどんな感じですごしているのか聞いたら、この光景をよく目にするそうです。ということで普段の日常のポーズを作りました。

整理と撮影を通して、自分の写真とは何か分かりました。
また、今までは家族写真のレパートリーとして男性チーム、女性チームと分けていましたが、その家族だけの特別な事情も踏まえ家族写真を撮っていくことが、本当の価値ある家族写真だと学びました。

僕の写真とは「私とあなたで一緒にあなたと、みなさんの関係を表現していく」
これからもそのファミリーだけの形を残していきます。

2018年
「KATSU STYLE」構築していきます。

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