
私はフォトジェニックに載せる写真をどれにしようか探していて、この写真で手が止まった。
人ごみの中に好みの女性を見つけたような気分で、釘付けになった。
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なぜこの写真が良かったのだろうか?
なぜ私はこの写真を選んだのだろうか?
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私は写真を眺めて考える。
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一言で言えば「構図が良い」と思ったから目に止まったのだろう。
「構図が良い」とはどういうことなのだろうか?
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私は写真を眺めて考える。
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面の縦横を3等分して、その線が交わる4つの点のどこかに、撮りたい被写体をもってくるとバランスが良いと言われている黄金比分割。
他にも、三角構図や逆三角構図、日の丸構図、対角線構図、引き算の構図、シンメトリー構図とか様々な手法があるが、単にこれをすれば良いというわけではないと思う。
重要なのは被写体を惹き立たせる構図である。
構図を考え被写体を配置するのではない。
構図の構成は「線」で考えている。
カメラを覗いた時に見える無数の横の線、縦の線、曲がっている線、斜めの線、それらの線をどこに位置したら良いのかをなんとなく把握する。
そしてその線をどう配置したら被写体が惹き立つかを考える。
背景の棚の縦と横の線。
棚の上からぶら下がっている花の線。
白い床の手前から奥に伸びる線。
手前の曲がっている線。
とはいえ撮影時にこんなことをじっくり考えて撮影などしてないし、私にはできない。
パッと見て、配置しているに過ぎない。
これらの線がなぜ被写体を惹き立てているのか理論的に説明しろと言われても私にはできない。
ただ線が被写体を惹きたたせてる要素の一つ一つなのだとなんとなく思う。
そしてその線をなんとなくきれいに整理し配置することが、被写体を惹き立たせるのだと思う。
その「なんとなく」が私の蓄積された技術や感性や好みや固定概念や今の限界や写真に対する考えやいろいろなのだろう。
つまりこの写真は私のクセの塊なのです・・・