フォトジェニックアーカイブPhotogenic Archive
好奇心
投稿日:2018/2/28
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Photo by Tamada
Coordinator by Shibata
好奇心
知らないものを知ろうとすること
その日出会った彼からは撮影の中でたくさんの興味と、それに反応する表情を見ることができました
アシスタントと一緒に何かをして遊ぶ、というよりは
ひとりで駆け回り色々と散策したりする姿が多かったです
撮影の中で驚いたり笑ったり、時には自らの世界に入って何かに集中することも
たくさんの動きの中で今までの撮影で見たことなかった彼ならではの様子がありました
それは屋根裏部屋をイメージしたインテリアの中で、彼に箱をひとつ渡し
「中から音がするかな?」
と簡単な投げかけをしてみた時です
多くの子供は箱を振ってみたり、
耳に当ててみたり、勢いよく叩いてみたりします
しかし彼は箱を包んでいた包装紙を躊躇なく破り始めたのです
普通だったら撮影道具でインテリアの一部の為、止めたり他のおもちゃに変更して遊ばせたりすることが多いと思うのですが、
この時溢れた感情は
「今まで見たことなかった新しい動きが見れて面白い!」でした
一緒に撮影に入っていたしばちゃんもそれを汲み取ってくれたのか、「いいよいいよー!」と止めることなくその姿を見守っていました
子供が屋根裏部屋に隠れて、たくさんある箱を散らかしたり開け始めるというその悪戯っ子のような小さな彼の姿がインテリアととてもマッチしており、そんな彼の好奇心が溢れている様子を覗くことができました。
いつしか大人になってから
全てを知っているようで、まだ知らないものとの出会いが溢れていることを忘れてしまっていることがあります
動かなければ、その狭い世界だけで知った気になって留まってしまう
逆に少し動いてみるだけでも予想していたことより何倍もの新しいことが見つかったりもします
知りたい
この先に何があるのだろう
そんな気持ちが子供の頃は特に大きく私の中にもありました
それは大人になっただ今でも残っており、きっと幼い頃に新しいことへの道を開く楽しさを実感していたからだと思います
以前、今まで暮らしていた関東から三重県という行ったこともなく知り合いもひとりもいない土地へと大きな距離を引っ越しをするということがありました
その時も新しい土地への不安やうまくやっていけるかという恐怖より
こういう機会がないと行けないし、まだ新しい人との出会いがあるだろう!と楽しさやわくわく感のある気持ちが大きかったのを覚えています
子供の頃から自分の中で制限をかけて
あれをしちゃダメ、これは禁止、など身近なものを次々とシャットアウトさせてしまっていたら、
その新しいことへの好奇心は今より遥かに薄れてしまっていたことでしょう
こどもが見ている世界にはたくさんの新しい発見や遊びの基があります。
その体験をより多くさせてあげて、こころ踊る時を実感させてあげること
それが大人になっても忘れられない大切な記憶となり、また新しい何かを生み出していくのだと思いました。
Tamada
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