フォトジェニックアーカイブPhotogenic Archive

harmony

投稿日:2018/1/31

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ライフスタジオの美しさの表現とは何か
これは、ずっとライフスタジオのカメラマンであれば、避けては通れない課題でもあり、
自分が考える“美”について、ずっと問い続けなくてはいけないことだと言えます。
ライフスタジオのカメラマンは、各自が考える“美”について追及し、それを写真で表現しています。
だからこそ、写真が多種多様な、その人が考える”美“が、写真で表現されています。
私は自分が考える“美”を定義する上で、美しさの条件について考えてみました。
 
“美しさ”の条件とは、撮影をするにおいて、条件を軸におきながら、シャッターを押す瞬間をどう判断しているかということです。
私がシャッター押す条件とは、
 
  1. 被写体の表情としぐさ
  2. 被写体をひきたてるためのインテリアと小物
  3. コーディネーターとの関係
でした。
 
被写体の表情としぐさについて
被写体が表現する“表情”や“しぐさ”は写真において重要な部分だと考えます。
笑顔なのか、おすましなのか、
被写体の表情には、写真を見る人たちにイメージや背景を想像させるからです。
被写体の表情は、写真を表現するにおいて、見る側にイメージを一番与えるものであると言えます。
被写体が表す表情は、“感情”であり、撮影時、どんな状況だったのか想像することができるからです。
お子様にはじめて会った時、めちゃくちゃ元気でテンションが高く、撮影中も要所で、変顔をみせてきたり、いろんな表情を私達に見せてくれました。
そんな彼を一番表現したかった部分とは、彼の”自然な瞬間“でした。
私達に変顔を見せている彼は、彼を表現する一部であり、もっと彼の違う一面も知りたいと思ったからです。
それには、私たちと、彼との距離がもっと近づく必要がありました。
だからこそ、撮影中は、彼に自然な表情になってもらえるように、とにかく、いろんな話をしたり、彼と一緒に遊びを交えながら動かしていました。
彼が好きなこと、好きな物の話を聞きながら、ベットの上で飛び跳ねてもらったり、寝っ転がってもらったり、
そうやって互いを認識していく中で、徐々に彼の表情からも変顔が少なくなり、彼の中に、私という存在が見えはじめた瞬間押した一枚でもあります。
 
被写体をひきたてるためのインテリアと服
新横浜店のインテリアは”自然な姿“を引き出す為に考えられたインテリアです。
自然な姿とは、人の無防備な瞬間でもあり、
ベットの上でくつろぐ姿こそが、人間の一番“無防備な瞬間”を撮影することが出来ると考えたからです。
ベットの上でゴロゴロと姿勢を変えながら、時折見せる表情は、
その人の自然な“表情”や“しぐさ”が垣間見えた瞬間でもあり、
自然な”表情”や”しぐさ”をより一層引き立たせるための、“インテリア”でなくてはならないと考えています。
だからこそベットの上での撮影を選択しました。
そして小物についてですが、帽子を使った表情を引き出す為に、スーツを選択し撮影しました。
もっと、自然な表情を表現するには、被写体が着る服もシンプルな服をきてもらい、表現することも出来ると言えますが、今回はあえてしていません。
それはなぜか、この帽子が、自然な表情を引き出す為のポイントでもあったからです。
ベットの上で帽子を使い、ふざけていた彼。それこそ今回の写真がうまれたヒントがあったからです。
そしてインテリアの背景がアイボリーや白で統一されており、
被写体の着る服に“重さ”を持たせるためにも、今回はあえてスーツそしてグレーという色を選択しています。
白やアイボリーで構成されている色の中に、あえて濃い色を置くと自然と目線がいきます。
それは、被写体の”表情”や”しぐさ”に目をむけてもらうためでもあります。
 
コーディネーターとの関係
撮影において、コーディネーターはとても重要な役割だと考えています。
コーディネーターはただ服を用意したり、カメラマンのフォローする人だけに存在しているのではありません。
コーディネーターは“すべてを繋ぐ役割”を持っていると考えています。
だからこそ、コーディネーターの役割が、とても重要なのです。
今回のお子様は、私たちとはじめて会った時から、私たちに変顔やふざけた姿をみせてくれました。
そこには、彼が私達に感じている目では見えない“距離”がありました。
それを壊すために、ずっと彼や、家族に対して、コーディネーターが中心となって空気を作り続けてくれたからこそ、彼との距離を近づけられる架け橋となってくれたのです。
彼にクイズを繰り返したり、ぼけたりする過程の中で“笑い”がうまれていき、和やかな雰囲気がうまれたからこそ、彼がすこしずつリラックスをしはじめ、
はじめは何に対しても「やらない~」と言っていた彼が、心を開いていってくれたのだと言えます。
そういった過程があったからこそ、今回のような“自然な瞬間”の彼を写真で残すことができたのです。
 
美しさの表現とは、美しい瞬間を切り取るための条件を、自ら定義し、条件がそろった瞬間にシャッターを押し“美しさ”を表現することであり、その過程を文を通して整理する中で、再度“確認すること”でもあると、今回の分析で気が付きました。
そしてもう一つの、気づきもありました。
自分の中で”美”を表現する上で”自然な瞬間”こそが自分が考える“美”に近づける条件であるということも・・・

photo by oikawa
coodi by nasu
 
 
 
 
 
 
 
 

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