フォトジェニックアーカイブPhotogenic Archive

写真を楽しむ

投稿日:2017/12/31

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photo by HIRO
coordinated by volvo


ライフスタジオで写真を撮り始めてちょうど一年。
気づけばいつの間にか時間は過ぎ、一つ目標にしていた一年が経ちました。

この一年間を振り返ればたくさんのご家族に会い、たくさんの思い出を綴る手助けをさせて頂き、改めて人の人生の1ページに携われる仕事なんだなと感慨深い思いになります。

人の心に響く写真をどうしたら撮ることができるのか。
人に見てもらう写真を撮る仕事なので、この問いは永遠の課題であるでしょう。
スタジオの写真だけでなく、誰かに見てもらいたいと写真を撮るなら必ず考えないといけないものです。
でもこればかりは人の気持ちなので、
100%心に響く写真になるとは言うことができません。
より100%に近付けるために、その方法を探したり、その為のスキルを磨いていくことはできるかもしれませんが、
マニュアルのような確実な方法は存在しません。
自分がうまく撮れたと思った写真でも見る人には何も伝わってないかもしれないし、逆にうまく撮れなかったと思う写真が心に響いていたりするかもしれません。

そんなことを考えながらこの一年間撮影をしてきましたが、今思うのは人の心に響く写真を撮るために一番必要なこと、
それは
「写真を楽しむこと」
なんじゃないかと思っています。
あまりにも当たり前で、あまりにも楽観的かもしれませんが・・・。

人によって写真の何を楽しむかは違うでしょう。
写真で人を喜ばすことに楽しみを感じる人もいれば、
新しい世界を写真で創造することを楽しみとする人もいるでしょう。
自分の表現としての楽しみもあれば、被写体の内面を表現することの楽しみもあるでしょう。
写真を楽しんで撮ることの形はいろいろあるかもしれませんが、その楽しむという心から向上心も生まれるし、被写体とも向き合うようになるし、写真にプラスαを生み出して、それが人の心に響く何かを生み出すのだと思います。

今回の写真は自分の中で、いつもの自分の習慣から抜け出し、ワクワクしながらプラスαを作れた瞬間でした。
被写体は七五三を迎えたクッキリな瞳が印象的な3歳の女の子。
七五三の撮影で来てくれていて、少し緊張気味でしたが落ち着いて頑張ってくれていました。
その日は天気は曇りで、どちらかというと少し落ち着いたトーンの写真が多くなっていました。
彼女は大笑いするタイプの子ではなく、優しく笑う子だったので、写真のトーンと合わさって少し大人しいイメージに。
彼女のキラキラした瞳に合うように本当はもっと光を入れた写真も撮れたらいいのになと思いながら撮影をしていました。

1シーン目の撮影の時からシャボン玉に興味があって、微笑みを見せてくれていた彼女。
ドレスでの撮影の時にも、彼女の興味を引こうとコーディネーターのボルボさんがシャボン玉を吹いてくれました。
そのシャボン玉に目を輝かせシャボン玉を見つめている姿を見て、彼女の輝きを光を入れて表現する方法を見つけました。
「このシャボン玉が光に反射するのを前ボケにして、光の輝きを入れよう。」
ボルボさんが彼女の目線がカメラに来るように、カメラの前でシャボン玉を吹いてくれていたのに合わせて、表現の方法を決定しました。

構図は彼女が光に包まれてるよう、横に流れていくシャボン玉の光が広く入るように横構図に。
アングルは彼女が見上げた表情が可愛いのを事前に見つけていたので、いつも登らない段に登ってハイアングルに。
画面下に白いハッキリとした前ボケを大きく入れて全体にボケ感の統一感を出し、シャボン玉の光に包まれている世界観を更に演出しました。
あとはシャボン玉が流れていく隙間に、彼女のキラキラした瞳が現れる瞬間を狙いシャッターを押しました。

モニターの時、この写真が流れた瞬間パパさんがとても喜んでくださり、
彼女の魅力を更に表現しようとチャレンジしたプラスαが心に響く何かを届けられたんじゃないかと感じました。


以前に自分の大好きな写真家さんとお話しをさせていただく機会があり、
その時アドバンスを頂いたのは「自分の心が動く瞬間を大切にする」こと。
良く聞く当たり前のことかもしれませんが、自分の心が動かなければ、見る人の心を動かすことはできないのでしょう。
だからやっぱり写真を楽しむことを忘れたくない。
いつもワクワクを忘れないで撮影をしていけるようにしたいです。
きっとその先に出会えたご家族や、写真を見て下さる方の心を動かす写真があることを信じて。

最近写真を通してたくさんの人と繋がれたり、新しい世界が見れたり、感動を頂いたり、本当に写真の力と魅力を実感する日々です。
2018年はとにかく写真にもっと没頭したいと思っています。
そして、もっともっと写真を楽しんで人の心に響く写真を目指していきたいです。
2018年もよろしくお願いいたします!

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