フォトジェニックアーカイブPhotogenic Archive

アイデンティティとは

投稿日:2017/7/31

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Photography by oikawa
Coodi by takagawa
 
ライフスタジオのフォトジェニックを選ぶ際、未来やアイデンティティを表す写真がよいと言われています。
ライフスタジオのアイデンティティとはなにか
被写体の美しさ(その人らしさ)と、楽しみの空間(インテリア)がわかる写真こそ、ライフスタジオのアイデンティティがわかる写真だと私は考えます。
Life StudioのHPの中で、 Life Studioは写真館の定義を、美しさを表現し思い出を記録する楽しみの空間だと述べているからです。
対象が被写体だからこそ、被写体がメインになった写真が多くなってしまいがちですが、被写体メインの楽しい瞬間だけを収めた写真だけでは足らないということなのです。
インテリアがわかる写真と被写体との融合があってこそ、アイデンティティに近づく写真であると考えます。
 
“被写体”+“インテイリア”との融合“
インテリアと人の融合が見える写真こそ、今回の目的だったので、あえてモノクロを選びました。
モノクロは色がなくなるため、“光”や”色”などに左右されなくなります。
インテリア写真を考えるうえで、光や色だけを見るのではなく、小物などが写る背景についても考えなくてはいけません。背景について考えるということは整理するということになります。
整理するとは、どこでトリミングするかということです。
写真を整理する際、写真に写っている範囲を少なくすることで、整理された印象を与えますが、今回は被写体とのSTORYがあったのであえて横でトリミングをしています。
横写真は沢山インテリアが写り込む為、トリミングをする部分を慎重に決めなくてはいけません。
撮影スペース全体を見回した時、整理する部分は“衣装を展示しているスペース”と左の“窓”でした。
ファインダーをのぞくと“窓枠”が強調されてみえたので、被写体の動きとインテリア(背景)に目線が行くようあえて前ぼかしを使い、窓を消す必要があったからです。
ひとつのリボンで、前ぼかしで使ったとき、窓際を消しているという印象しか与えることが出来ず、左に余白ができるだけで不自然な印象を感じました。重たさをなくす為に、二本のリボンを使って前ぼかしを重ねています。スパンコールを前ぼかしにつかうことによって窓から差し込む光の透明感を表現することが出来ました。
 
次に被写体について
被写体について考える時、まずその被写体がどんな子なのか分析する必要があります。
被写体を分析することは、インテリアが持っている世界観と被写体とを繋げるためのSTORYを作ることができるからです。
被写体をただ立たせて表現するのではなく、その子らしさを理解し、演出しすることによって、被写体とインテリアが融合されていきます。
STORYのヒントは、撮影前に彼女が自分でドレスを選び、髪飾りなども自分で選ぶ姿に“こだわり”が垣間見えた瞬間があったからでした。
ドレスを着た彼女の表情は、心躍るようにワクワク感に溢れていました。
それをどうやって表現しようか考えた結果、“どんな洋服を着ようかなと、自分で洋服を選ぶ”楽しさ”を表現することで、インテリアとの融合に結び付けることが出来ました。
ドレスを着た彼女に、沢山の洋服と髪飾りが並んでいるインテリアの前に案内し、どんな洋服が似合うかな?
自分で選んで取ってみて。と声をかけました。
彼女は自分の好きなものがわかっており、自分で服を選ぶことが出来ることを理解しているからこそ、シャッターを構え、彼女が自分の好きな服を取るその瞬間を待って押した写真なのです。
 
被写体とインテリアを理解し撮影することがアイデンティティを表現する一枚だと考えるのです。
 
 

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