フォトジェニックアーカイブPhotogenic Archive

受けとめる

投稿日:2017/4/30

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何かに没頭し、無我夢中で遊ぶ子供たち
その自然な姿が、あんなにも愛おしく美しいのはなぜなのだろう

子供たちは何にも縛られていない
どんな時も、ここがどんな場所であろうとも
世間のルールも常識も、関係ない
ただ世界をあるがままに受け入れて
その中で思いきり楽しむことだけを考えている

そんな風に"こころを自由に遊ばせている状態"が
本来私たちのあるべき姿なのかもしれない
そしてそんな姿は愛おしく美しい

-代々木店 overviewより-


スタジオに来た彼女は少し憂鬱であった。

心の壁の衝動が全面に伝わってくるそんな空気感が存在していた。


 撮影を始め少し緊張した面持ちの彼女は最初はどんな質問をしても「わからない」と返してくるだけであった。

カメラに対してそっぽを向き「撮られたくない」という意思表示を全面に表していた。

「年頃の女の子なら恥ずかしいよね」と考えれば簡単だが、それが彼女の中にある写真を取「撮られたくない」答えだというふうに私は思わなかった。

私は撮影をする中で彼女の答えを探していこうと考えた。

カメラを持ち始め少しずつ写真を撮り始めると、彼女は少し少し目をつかい私達の様子を慎重に伺っていた。

彼女は私達が自分自身を受け止めてくれるか私達の様子を見ていたのだと思う。

私自身も人見知りなので彼女の心は何となくわかったような気がした、
この人達は私を受け入れてくれるのかと新しい環境・初めての人と接したときはそう思うのが普通である。

彼女に心を開いてもらうために私はシャッタを切るよりも、そのために何をするかを強く考えた。

心を開いて欲しいという一心は私もコーディの優ちゃん同じだったと思う。

撮影も堅苦しい雰囲気ではなく、遊ぶように自由な空間を意識した。

彼女の心のドアを少しずつ少しずつノックすると恥ずかしそうな顔を少しずつ見せてくれ始め、関係性が出来たとき初めて彼女自身も私達を受け入れてくれ最高の空間ができあがっていた。

最後には沢山笑った撮影となった。



最初に画面構成は非常に明るくなっている。
また余白を大きくすることにより被写体の存在を印象的にしている。
この画面構成には大きな意味がある。

まず第一にあえて余白を大きくすることにより
自由な空間、何者にも汚されてない空間、彼女だけの空間を再現した。
それはまだ心を開いてくれてなかった彼女に自由な空間で心を開いて欲しいという意味づけであった。
余白は被写体の空想や心理状態などを表現することができ、その中の心理的描写を表現した構成となった。
更に線をしっかりと整理することにより画面構成がよりまとまった統一感を持つフレーミングに仕上げてある。
前ぼかしは彼女の視線に誘導するために自ずと余白に色を足した結果である。

第二に光に関しては比較的明るい表現をした。
それは上記の心理状態を表現するために自ずと導かれた答えであった。
更に光が髪の曲線を際だたせることにより被写体に柔らかな存在感を与えている。

第三にポージングであるが、最初に無理にポージングや仕草を指示することはあえてせず、少しずつ語りかけながら写真を撮れる状態に(顔がこっちに向いてるなど)して始めて写真の表現が成り立った。


第四に圧縮効果を使い画面内の距離感をなくすことにより一枚の絵のような表現をすることにより、また後ろの整理された線と相乗効果を生み
写真自体を引き締めている。
統一感を強め安定感をもたせたいる。


写真が人を無意識に否定することがある、写真とは本当に難しいものだ。
彼女はこの一枚を気に入ってくれ、この写真が彼女の特別な存在となったことを私は嬉しく思う。


写真:tomiki
コーディ:Yu
著:tomiki

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