フォトジェニックアーカイブPhotogenic Archive
意味のある横写真。
投稿日:2016/12/1
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横写真は縦写真より難しい。
人物を置く場所から始まり
空いた空間に何を入れ、
余白をどう残すかが問われる。
経験がないころは、まずは画面に余白ができないようにと、望遠レンズでインテリアを端から端まで入れることを考えた。
なのでカメラマンデビューしてからも、しばらくは横写真を撮るのは写す画角を横に広く変えるくらいの認識しかなかった。
時が経ち、私は圧縮という技術を教わった。
とにかく特徴を真似て何枚も撮影した。特に意味を知ることもなく撮り続けたが、お手本の圧縮写真にはほど遠かった。
何かたくさんの物を写したり、極端に余白を詰めれば完成するものではなかったのだ。
横写真と圧縮写真の最大のポイントは、まず一つに余白に意味が持たされているか、そしてその画面内の配置のバランスだ。
この写真を用いて説明すれば、
おおよそ横3分の1に被写体を配置し、それを強調するよう前ぼかしで垂直な線を引いた。
それだけでは、画面内で被写体の顔がある左上が極端に重くなってしまう。
横写真として全体を見たときに右の余白が無意をなくしてしまう。
そうならないよう左右の右下四角ふたつ分にぼかしを入れた。
このぼかしも単なる丸いぼかしでは画面から浮いてしまうため、四角の中の更に3分の1の部分に平行に入れた。
また被写体の身体の傾きと同じ斜めの線を右側にも配置した。
歪むことも偏ることもなく、上手くバランスをとって収めることができれば、写真の中で被写体がより引き立って見えた。
最近は楽しいという雰囲気だけでシャッターを押しがちだったが、このように几帳面に完成図を考えながら撮影をすると、やはり写真に必要なのは計算なのだと思った。
photo by Noro
coodi by Suzuki
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