フォトジェニックアーカイブPhotogenic Archive

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投稿日:2016/10/31

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写真には撮影者の性格が表れるといいます。
繊細な性格であれば、計算された美しい写真に。
大胆な性格であれば、思い切った写真に。

かつての私は”物事はこうあるべきだ”という考えがあり、それに則して自分の行動を決めていた。
教わったセオリーに忠実に、正しさを守ることが全てだった。

とても頑なな気持ちの持ち主で、しばしばそれが写真を撮る際に邪魔をした。

美しい写真はこうあるべきなのに、そのようにならない状況では、どう表現したら良いかわからず苛立ちを覚えることすらあった。

2年前の自分は、誰から指摘されてもその考えを譲ることはできなかった。

その考え方が間違いだと感じるまでに長い時間がかかった。

正確に言うとお客様と過ごした時間や出来事の中で
自分の中の正しさの基準を満たすことよりも
目の前にいる人をもっと集中して見なければならないことに気がついた。

人の気持ちや動きを引き出して、
それをもっと美しく撮ることを考えるのだ。

美しさの表現はその人の良さを見つけるところから始まる。

彼女は外見も愛らしい顔をしていたが、
柔らかく動く表情や明るい笑い方に人懐こい魅力がある。

もっともっと彼女に自由な振る舞いを求めた。

その時、私の中にあった撮影の緊張感やつまらない固定概念はなくなっていた。

彼女の振る舞いを見て私も開放的な気持ちになって、もっと近くで見たいと近づき、
伸び伸びした動きに余裕を持たせたいと思ってレンズを広角にした。


彼女が彼女らしく、
私が私らしく撮影された1枚になった。

photo by noro
coodi by shibata

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