フォトジェニックアーカイブPhotogenic Archive

『think and make』

投稿日:2016/8/29

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Yokohama Aoba Photo

Photographer: Ryo   Coordinater: Misato

 

 

 

カメラマンは何を材料に写真を撮っているのか。 

私自身写真を撮っていてたまにそのような事を考えます。

その場のひらめきはいったい自分のなかの何から 産まれるものなのか。

良い写真を撮るためには良い写真を沢山見る事が必要。そんな言葉を多く耳にします。

これは間違いない方法だと思います。

しかし、何故それをするのかを認識する事が大切です。

無心に写真を見て無意識に自分の中に感覚を植え付 けるのは非常に時間がかかるうえに、四六時中写真を眺めていなければ自然に入ってくる事などなかなかないと思います。
良い写真を沢山見る、何故良いのかを分析する、準備をして分析の結果を撮影で撮る。

この行程をしっかりと踏まなければいけません。 沢山の写真を見る事により自分自身がどのような写真が好きなのかを認識できます。

どんな写真が良い写真なのかを自分の中ではっきりと認識する事が、写真を見る事で得られる最大の収穫だと思い ます。 

写真集を見たり、雑誌を見たり、現代の世の中にあふれている多くの写真 の中から自分の好きと思える物を探す作業はとても重要です。

しかしこれは簡単な事では有りません、感覚の定着と言う物は起こりうる物ではなく、私たちの持つ感覚は 変化したらまた変化してします。

1万枚写真を見てつけた感覚は10万枚の写真を見た時にはまた違う物になって行くのです。

それでも、得た物を失う事は有りません。 どんどんプラスされて行くような感覚です。

常に吸収して行く意識を持てば良い写真の理由を探し、自分の 感覚を把握し、終わる事無く得た物は足されて行くのだと感じます。 

こんな写真がとりたい、あんな写真がとりたいと沢山のイメージが産まれてくるようになると思いますが、 その写真を撮影現場で再現するには技術的な部分が絶対的に必要になります。

 たまにイメージに技術がおいて行かれてしまう現象があります。

これは撮影において最ももったいない事です。 イメージは完成しているのに何故か思ったように写せない。

こういった場合はその写真を撮るための技術的な面が足りない事が多いと思います。

沢山の写真を目にして、感覚がふくれいけばそれに対応するための技術も大きくなって行かなければ望んだ 結果にはたどり着けません。 

人が直感的に良いと思う写真には撮影者の技術も詰め込まれています。 

切り離す事ができない感覚と技術、この双方がバランスよくのびて行かなければ自分の写真に大きなストレ スすら覚えるのではないでしょうか。これはもっとも良くない状況です。 

沢山の情報の中からうまれたイメージを写真として再現するためには素材を整理し、順序を踏む事が大切です。

 下に書く事は私が実際に行っている行程の一例です。 

・自分が好きな写真を探す
・何故それが良いかを分析する 。

・その写真が撮影できる条件を準備する。 

・撮影状況をよく見て、イメージから実現可能な範囲を決め足し算引き算をする。 

・結果の一枚を写す 。

この過程をしっかりと行うことはとても重要で、考えなければ結果物も存在しないことを証明してくれます。

考えてから写すこと、そして考え出されたイメージを形にすること。

しっかりと考えてから行動する。

それは一見硬い感覚なのかもしれませんが、人の感性を発揮するために必要な事なのだと考えます。

今回の写真もあらかじめイメージを持ち、コーディネーターに伝え撮影の際実際にイメージに沿って写したものです。

イメージは形になり写真は作られ、考えてから行動する事の意義を私たちに教えてくれます。

 

写真の楽しさとはその一瞬だけではなく、準備の段階からなのかもしれませんね。

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