フォトジェニックアーカイブPhotogenic Archive
『愛、繋いで』
投稿日:2016/4/12
769 0
Photographer: Ryo
Coordinater: Kaori
Lifestudio : YokohamaAoba
2016年4月9日
世界のどこかでまた一つ、愛は繋がれる。
何故ここでこのような写真が生まれたのかはこの場所に居た僅かな証人達しかしらない。
人生とは人がこの世に生を受け、その生涯を閉じるまでの時間の事を示します。
人はその時間の中で、多くの経験をして、喜びや苦悩を味わい『今』に至ります。その条件には年齢など関係なく今この日この瞬を間生きている人たちに平等な条件です。
さかのぼる事50数年前、おばあさまが13歳のときに仕立てた着物は50数年後3歳の女の子が来ている。
そう、人の時間を形として残していくのは大切な思い出の品。
半世紀の時を越えて当時の愛は今へ繋がれている。
撮影をいやがる彼女へ、気分を変えて外にでも行こうかと声をかけた。
そんな一言を発した瞬間からこの時を待っていました。
時に伝えたい写真はいつも私達が居る空間とは別の場所に有る事が有る。
その瞬間私は単純にリアルを求めていました。
作られた環境ではなく、その人たちが一番居心地のいい場所で。
春の温かい日差しは、それが繋がれる写真が約束されていた場所でもありました。
ここでなければ、土に汚れた小さな手は、温かく優しい少し大きな手に小さな花を渡す事は出来なかったでしょう。
少し違う場所だったら、2人の赤色を囲む春色の緑も無かったでしょう。
そしてここでなければ、温かな日差しも無かったでしょう。
願わくばこの写真がまた愛を次へ繋ぐ物になりますように。
いい時間だった。この時事をそう記憶している。
7回目の撮影は私を私でなくしていたのかもしれない。
そこに居る私達含め全ての人が家族のようだった。皆が笑顔でその瞬間を見ていた。
そう、それだけで私達の写真の目的は遂げられていたのです。
技術的な設定も工夫し、自分の出来る技術全てをその一瞬に詰め込みワンシャッターでおさめたが、数字など細かい話はこの写真に必要なく思います。
必要なのはただ一つ目の前にある時を越え、繋がれた愛のみ。それで良かったのです。
この記事をシェアする