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まなざし

投稿日:2016/2/29

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3参りの女の子。まだ少女でありながらも、どこか「女性」らしさを出していた。
かわいいというより、綺麗という言葉の似合いそうな雰囲気があった。
私がまだ子供だった頃、大人とはどういう風に映っていただろうか?
何もかもが丸っこい子供とは違って、大人の女性は細く、しなやかさが出てくる。
彼女はその変化の途中であった。細くきれいな指先、すっと通った鼻筋。
そして何よりも、そのまなざしが、大人びていた。
「大人びている」とは、なにも冷めているとか、落ち着いているという意味ではない。

慈愛とでもいうのか、自分以外の他者に対する愛情を持っている、それを感じさせるまなざしである。
事実、彼女には年の離れた弟がいる。

忙しいお母さんの代わりに、彼女は弟を抱っこしたり、お世話をしているようだった。
女性の美しさは、愛情や優しさを持っている内面から発せられる。
彼女はすでに、その美しさを持っている気がした。
優しく柔らかいそのまなざしがとても印象的だった。直接見つめるよりも、その整った顔立ちを活かしたくて、横から見つめることにした。

13歳という年齢は、微妙な年ごろだ。思春期というのか、人を意識し始める。
自分の世界の中に、人の存在を確認する時期だ。親、友人、兄弟、いろいろな人が彼女の中で、存在する意味を持ち始める。
その存在を、どう受け入れるのか。自分とは違うものだと拒むのか、それとも違いを受け入れた上で、愛するようになるのか。
子供だった私たちは考え始める。そうして私たちは大人になっていく。
大人の入り口に立った子供たちの姿は、私たちよりもずっと凛々しく、強く感じる。
 

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