フォトジェニックアーカイブPhotogenic Archive
『Lighting』
投稿日:2015/10/31
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photo by Ryo coordi by Minna Yokohama Aoba
美しい光とはどのような状態の光を言うのでしょうか。
『美しい』と言ってしまうと撮影者や、見る人の好みも入ってしまいますが写真としての美しさには有る程 度の理由が存在します。
光という物は写す写真によって正解が違います。
その一枚に応じた適切な光は決して教科書的なセオリーにそった物とは限らないからです。
『その写真のための光』考え方によってはどの写真にも同じ事がいえますがこれを元に一度考えてみたいと 思います。
光は写真の質感(雰囲気)にも関わってきます。
拡散された柔らかい光なのか、それとも直射日光のような強く、固い光なのか。 この選択にで写真の質感は大きく変化します。
また、写真の雰囲気を作ると言う事は目に見た印象自体作ることが出来るという事でもあります。
写真はその一枚から見る人が想像力を働かせます。
人それぞれの感性により、同じ写真でも受ける印象は皆違うでしょう。
しかし、共通の感覚で光によって『美しさ』を感じる事が多いように思いますが、これは主にその一枚に適切な光を捉えた写真に対して感じる感覚なのだと思います。
光に違和感を感じた瞬間、その写真の美しさは半減してしまいます。
構図やポージング、表情、光、インテリア、コーディネート。
すべてが生きていて、そこを光が照らせば一枚の写真に魅力が生まれます。
人を引きつける写真は使用している光が美しく、その写真は様々な印象を人にあたえ、美しいという感覚か ら人の想像力を掻立ててくれます。
写真は見る人すべてに想像する自由が許されているのだと思います。
しかしイメージという物は人が組み立てる物のため、撮影者が写真にこめた感覚をそのまま捉えてくれると は限りません。
だから撮影者である私たちは、光を使い、その他の構成要素を利用し、イメージを伝えるために試行錯誤し ます。
今回の写真は日没後、自然光が全く入らない状態で撮影した一枚です。
ライトボックスを使い日中の光の質感、光量を再現することは光を知ってしまっている私達には少し難しい事でもあります。
ですから、ライトボックスでなければ作れない光の空間を作っていく必要があるのです。
自然光で表す事が困難な色、それにより演出される写真の雰囲気。
そしてカメラ内の設定によるカラー調整。
後から手を加える事無く、イメージをそのままライティングを使い再現していく。
私はこの作業に料理や工作に似たニュアンスを感じます。
制作者が居なければ完成しない何か。
それは作る写真であり、決して自然任せでは完成しない物です。
写真の可能性はそこらへんに無数に転がっています。
カメラの中にも外にも私達の表現の可能性が沢山あるのだと感じています。
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