フォトジェニックアーカイブPhotogenic Archive
From LIFE
投稿日:2015/8/31
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photo by yatsu
coordi by volvo
写真で伝えることがある。
写真だから伝わることがある。
私たちが写真にこだわり続ける理由はそこにあるのです。
写真は、光を取り込むことで初めて目の前の像が浮かび上がります。
その光は写真を撮るための条件であると同時に、撮り手の概念或は思想に大きく依存します。
つまり、光は概念を形成する媒介であるということができます。
これは、写真は思想の塊でもあると表現できますし、
撮り手の内側を外側へと反映させる1つの表象とも考えられます。
普遍的な美に対する感覚は、私たちの無意識の中で常に内在しています。
カメラを通して起きる出来事を、理性的に自らの柔軟な理論を持って実体化させることが、
写真が保有する機能の、最も芸銃的側面であると私は考えています。
それ故に、写真は単に記録にとどまることなく、常に人を魅了し続ける存在でいることができるのだと思います。
初めての七五三。
慣れない着物を着て、初めての場所で、初めての人たちと空間を共にします。
緊張や不安。少し垣間見える好奇心。
そんな姿を温かく見守る父母の眼差し。
障子の強い光から作られた被写体のグラデーションは、
影になった彼の緊張や不安を温かく包み込もうとしています。
写真のフレーミング全体に暖かな光を印象付ける為に、
被写体の背中と障子の空間を広くあけ、横写真の両端に配置し、バランスをとることにしました。
理由もなく写真を撮ることはありません。
それこそ無差別的で一方的なものです。
私たちの求めている写真とは、無差別的で一方的に撮影されるものではありません。
私たちの求めている写真とは、被写体の内面を、それを見守る父母の眼差しを、
その場の様々な情報を集約したものを、紡ぎ、すくいあげ、光によって造形を成すものであると信じています。
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