フォトジェニックアーカイブPhotogenic Archive

Accept

投稿日:2015/8/31

1021 0

 
「物事をあるべき姿ではなく、
あるがままの姿で受け入れよ、」
 
 兎に角、まずは受け入れることを信念に生きてきました。
そうもいかなかった時は、自分を叱咤、反省し、前を向いて歩んできました。
受け入れるという行為はとても難しいことです。
ときに受け入れるばかりで、自分がないのか?と問い詰めることもありました。
 
 この日、一歳になる赤ん坊は、日常から離れた写真館という世界へ連れられ、緊張してママから離れられませんでした。
よくある光景であり、私たちはそれを見て察知し、多くの思考回路を働かせて、行動を決定していきます。
 
それは興味をそそり立てるオモチャで、ママもとから少しずつ離していくことなのか。
または離れたところへ身をひそめ、コッソリと見つからないように望遠レンズを構えることなのか。
はたまた、緊張の面持ちの今の姿を受け入れ、そのまま寄り添いながらシャッターを切ることなのか。
 
そのとき私は信念に従い、先ずありのままの姿を受け入れました。
 
それを自分自身の心に止めるのではなく、
家族も共にそうありますように、願いを込めた言葉にして、
皆んなで受け入れようと宣言したのです。
 
ママの腕の中で眉をしかめた弟に、
兄が空かさず駆け寄り、
一緒に遊ぼうよ♪と姉が誘い、
皆んなをパパが温かく包み込む。
 
この一連の様子をつくりながら、私はあるがままを受け入れることから、
さらに新しい条件を作り、新しい価値を創り出すことができたと実感できました。
 
 
「自分が自ら条件を作り、価値を作り出す」
 
 
スタジオ空間に滞在する短い時間の中で、
家族一人一人がもっているものを捕え、受け入れ、
外に向けて表現することが、条件を作ることに必要不可欠です。
 
写真には言葉のボリュームはなくとも、
個々人の間に働く力が写り、
家族であることを一瞬で定義付けてくれるような気がします。
 
言葉はなくとも写真には家族であることを表現できるかもしれません。
だがさらに言葉を発して伝えることでさらに写真は力を宿し、
「絆」や「愛」といったさまざまな価値を無限なる形で表現していけると、
確信になったこの写真を今回のphotogenicに選出いたします。
 
 
Photo by SU & YU
 

この記事をシェアする