フォトジェニックアーカイブPhotogenic Archive

『椅子を使って家族写真を撮る100の方法』

投稿日:2014/10/15

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Photo by SU & Tae Yoshimura

椅子を使用しての家族写真というのは、家族のラインを整えやすくするための一つのツールになります。

このツールは使い方によっては、家族写真を堅苦しいものにしたり、被写体の自然な動きをころしてしまう可能性があります。


フォーマルな撮影時には、正しく使うことで写真を美しく整えることができる。
しかし、カジュアル(自然)なスタイルの撮影となるとそのままフォーマル撮影時の椅子の使い方では、良い写真は生み出せないことが多い。

けして椅子を使うことがいけないことではない。じゃあその椅子というツールを使うことで良い写真をつくれないかと考えて撮影されたのがこの写真。


ライフスタジオには様々な椅子が積み重ねられている。形や大きさは多種多様であり、その選択と組み合わせにより多くの椅子を使ったレパートリーができるだろうし、その座らせ方も含めれば無限です。

その多種多様である椅子を選び、座らせるという一連の流れを撮影者だけが考えるのではなく、家族を巻き込んで流れを作れたら、家族写真撮影に遊びと楽しい空間を作れるのではないかと考えました。

子ども達に自分の座りたい椅子を選んでもらい、次にパパママに座ってもらう椅子を決めてもらう。

そうすることによって椅子を「選ぶ」という楽しみから、自分の選んだ椅子に「座る」という楽しみが生まれ、さらに子ども達が「どの椅子を選ぶか」という楽しさがパパママにも生まれてきます。

そうすると、椅子に「座らせられる」のではなく「座ろう!」という気持ちに変化する。

それはつまり撮影が遊びになった瞬間であり、自由さと主体性が現れる瞬間でもあります。

セッティングは私が行うが、各々の被写体が自然に椅子に座っていく形となった。ある程度のところまで座り方説明しようとしたが、そこは被写体に委ねて、最終的な細かい修正だけできるようにした。

各々の椅子の座り方は、撮影者がひとつひとつポージングさせたものではなく、家族が自主的につけたものである。そこにこそ家族を形成するそれぞれの個性が現れているのであろう。

さらにこの後、同じセッティングで家族の位置だけがシャッフルされて撮影をしている。

いつまでも遊びは自発的にルールを変えながら続いていきます。

「次はど〜の椅子に座る〜〜〜〜るるるる!?」なんて、私も楽しみながら、

コーディも何が起こるかワクワクしながら、
そして家族ももちろん楽しみ、
みんなが遊びながら作りあげる家族写真。
そういう形もまた、ライフスタジオの家族写真ではないだろうか?

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