フォトジェニックアーカイブPhotogenic Archive
ギャップとそのまま。
投稿日:2015/3/29
887 2
S 1/100
f 1.2
ISO 1000
L 85mm
撮影場所は越谷店の衣装部屋の片隅で行いました。
とても暗い場所であり、光も蛍光灯が天井に有るため撮影に向いているといえる場所でなかったです。
その為なるべく光を取り込みたいため、85mmの単焦点レンズを使用、それらの理由によりISO1000に設定。
また被写体をより際立たせて存在感を演出するためにもこのレンズを使用し、F値1.2に設定をしました。
キーライトは被写体上部奥にあるタングステンの蛍光灯に設定。
しかしやや逆光気味になるために被写体の顔が大きく落ち込んでしまうので、カメラ後ろの玄関から入ってくる光をドアの角度によって調整を行い、補助光として使用をしました。
この時に注意を払うことは顔全体までに光が当たらないこと。
当ててしまうことにより肩から背中に掛けての影のグラデーションを出すことが出来ずに、臨場感を失う可能性が高い、その為この当てる角度は大変重要でした。
臨場感を出すことで第三者の想像性がより膨らむように、ドアを写真右3分の1に入れることで遠近感と人の一面を垣間見る感覚、これは映画ゴットファーザーラストシーンからアイデアを頂き、室内と室外の明るさで大きく差を付けることで、撮影場所の意味の付与と想像性を付与することが出来たと感じます。
何故この場所で撮ることにしたのか。
この子は七五三の撮影で来店をされました、本人は特に着物には興味が内容に見え話を聞いている内にとにかくドレスを着ることが楽しみだと情報を得ることが出来ました。
年齢の上がってきた女の子特有の自身が人の手によって施される喜び、化粧によっていつもと違う自分の発見をする驚きをタイムリーに写すことを再優先したため、更衣室にも使われる大きな鏡が有るスペースで撮影をすることが絶対条件です。
鏡のない状態でヘアメイクを施され、施される度に高まる自身の期待値、実際に鏡に写して見る自分の驚き、その為には最初に鏡を見る瞬間で撮影をすることが必ず必要です。
似たような顔の角度や仕草で撮影をすることは勿論可能ですが、本人が何を思うのか、その瞳に宿る力が有るのはリアルな瞬間にしか訪れることは無いのではないでしょうか。
その瞳の力とは心の内から出てくる感情であり、その感情が全ての色を決めるものだと考えます。
なので必要なのは物の配置、人の配置、カメラとの距離、光を設定し、あとは本人のあるがままを微調整する程度で、その子の感情を刈り取らなこと、そのままをとってゆく事が大切でした。
変身した瞬間。
この写真は多くのギャップを作ること。
明るい手前や奥とアンダー目の被写体。
ドレスと脱力感のある姿勢。
今までの自分と手を施された自分。
その為ポーズなどはピチっとしたポーズを付けることはしなく、あえてダラけた印象を持てる様な身体が楽な姿勢をとってもらいました。
表情も無理に笑顔にはしないこと、そのままであること。
この記事をシェアする