フォトジェニックアーカイブPhotogenic Archive

作り悩ませ遊ぶこと。

投稿日:2015/3/5

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らしさとはなんだろう。
私の永遠のテーマです。
色々な家族写真があり、きっちりと整理された家族写真やくだけた家族写真などカテゴライズすると多くのカテゴリーが作られると思います。
そのカテゴリーには優越、または良し悪しは無いと思っています。
勿論のことどちらも必要ですし、どちらも良い写真です。
私もきっちりとした家族写真を撮ることも多いです。
 
ではその家族のらしさとはなんだろうと、改めて考えて見ます。
おそらく私の中では、「普段の姿」がらしさに繋がるのではないかと考えます。
写真を家族で撮りに行くことがそもそも普段とは異なるので、大人も子供も緊張をしていることは仕方がありません。
だからと言って普段が出せないかという事でもなく、いかに普段を作れるかがこの写真のテーマでした。
綺麗に見えるポーズはありますが、それを無意識に行えることが出来るのならばそれに越したことはありません。
しかし私もそうですが、そう簡単に人前で行えることではありません。
頭の先から足の先までポーズをつけてゆくことは可能ですが、一つポーズをつけることでらしさが-1されてゆくような感覚に陥ります。
例えば普段全くとらないようなポーズするのに10個指示するとすると、その家族のらしさが-10され、型にはまってゆくような感覚です。
しかし指示は写真を家族写真を撮る上で必ず必要です。
いかに家族に負担にならない指示を与えるかがとても大切なポイントになるのです。
今回この写真には「最低限の指示」のみを行いました。
人の配置と「合体して見て」くらいのことです。
とても抽象的な投げかけを行うことで、家族の中に「合体とはなんだ?」と疑問が生じます。
その後三人が思い思いの行動を行い、結果としてグシャっとくだけた写真が生まれたのです。
一人が動くことで、おのずと他の人も動くことが必要であり、おそらく各々思っていた合体とは違った物になったはずです。
私が予想していたものとも少し形が変わりました。
その変わった瞬間にこそ求めている「らしさ」が発生するのではないでしょうか。
お母さんの顔が半分隠れていようとも、それ以上に大切な何かがそこには存在します。
一緒に作り悩ませ遊ぶこと。
そのため私が欲していたらしさを引き出すには、最低限の指示のみが必要でした。

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