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こんな時だからこそ。[ライフスタジオ青山店 Kuroki Reiri] -165

投稿日:2021/9/6     更新日:2021/9/6

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こんな時だからこそ。(for S Family)


『撮影検討中』と書かれたお客様情報のメモと、自分で書いた『黒木撮影入りたい』のメモを見ながら、少し複雑な心持ちで、その時を待っていました。2018年の春に撮影を担当させてもらって以来、今年3回目の再会となる、ご家族との話です。

今回は、世界的に蔓延している新型肺炎の流行によって、商業写真館である私たちの撮影においても、何の不安もないとは言い切れない状況が続いていました。予約していただいた日の前日に、ママさんから撮影をするか少し迷っている、というご相談の連絡があったと聞いた時、「そりゃそうだよな」と思ったのを覚えています。

私たちにできる最大限のことはしながらも、目に見えないウィルスを完全遮断することの難しさはわかりきっていて、お客様にも一定の同意を得た上で撮影をしていました。ご不安な方はお振替やキャンセルの対応をさせていただいていて、ライフスタジオとしても営業を続けていくことに葛藤が伴う時期でもありました。

しかし結局、その日、私たちは再会を果たしました。

お腹が捩れる程の大笑いが伴う時間。楽しくて楽しくて、ひたすら楽しかった撮影。私が、ライフスタジオで撮影をしている、その意味と理由を、再確認させてもらえた撮影でした。

前述の通り、彼らと初めてお会いしたのは2018年の春のこと。

賑やかな男子3兄弟は、そりゃあもうふざけまくっていました。長男はそこそこ思春期に差し掛かろうかというところで、できればちょっと澄ましていたいのに、ふざけまくる弟たちのせいでついつい笑ってしまうし、弟たちはとにかく当時流行のお笑い芸人のネタを繰り出してはスタッフを大爆笑させて誇らしげだし。

この時の撮影の中で生まれた写真たちは、横浜青葉店のLifebookのサンプルになったり、私の写真分析としてUPされたり、後々には青葉店のHPでの、家族写真Galleryのバナー写真になったりもしました。

その翌年。

私は、再び彼らと対峙することになります。

前回の経験を活かして、この時はそれぞれのソロ写真から撮り始めてみたものの、結局兄弟写真と家族写真でふざけまくる男子たち。しかも、撮影後半でボルテージが上がりまくっているので尚のことふざける。ふざけ倒す。

ママさんからは、2018年の写真分析へのコメントやライフスタジオのインスタイベントへの参加を通して、度々その胸中を教えてもらうことができました。

私たちにとって、『写真を撮る』ということは日々の仕事でもあり、毎日のことでもあります。しかし、毎日の1件1件ごとに、そのそれぞれのご家族ごとに、『写真を撮る』ということに求められている想いが、確かにあります。それこそふざけん坊ズな男子たちを追い回しながら、家族の日常は忙しなく、慌ただしく過ぎていくのでしょう。そんな日々の中で、年に1回の撮影に『何』を求めて来てくださっているのかを、私たちは知っていなければならないと、思っています。

子どもたちが増えて大きくなるにつれて、個人の写真、家族写真なんて日常に追われて全く残せていない我が家なので、こちらに1年に1回必ず撮影に伺うことにしました』(写真分析へのコメントより抜粋)

この写真を見ると、普段余裕のない母の気持ちもほっこり。子どもたちも成長していく中で、いつまで家族写真が撮れるかなぁと思いますが、この写真を超える瞬間をまた楽しみに今後もよろしくお願いします!』(インスタイベントでのキャプションより抜粋)

 

ママさんのこれらの言葉は、私がカメラを持つ手に、ファインダーを覗く目に、ふざけまくりの男子たちの耳に届くように声を張り上げる腹の底に、奮い立つものを与えてくれます。彼らのふざけっぷりを、得意げな笑顔を、ふとした瞬間の気配を、表情を、空気感を、隣り合う家族の体温さえも、思い出せるように記録したい。そうできる技術はまだまだ足りないけれど、そうしなければいけないし、そうできるようになりたい。

年に1回の、貴重な機会であるのは、撮影者にとっても同じだと、そう思わせてくれました。

2020年、3回目となる今年の再会は、本当に悩ましいところではありました。しかし、こんな時だからこそ、求めてもらえるのであれば全力で応じようと思っていました。一般的には、写真撮影は生活に必需なものではなく、見送ることもできるというのは重々に承知しています。決して、お客様に無理に来てもらうこともしません。でも、それでも『今、撮りたい』と望まれたのであれば、写真を生業とする者の端くれとして、求められた価値を提供したいという想いはありました。

いつかこの先、何年後かに、家族みんなで笑い合いながら写真を見返す日の為に。そんな未来に振り返れる『今』を残すことが、『写真を撮ること』の何よりの意味と価値だと、そう信じています。

結果的に、彼らはその日、やってきました。

サッカーボールを携えて、いつもと変わらないふざけっぷりで(いやむしろ年々パワーアップしてやしないか…?)、全然ひとの話を聞かない感じで、各々勝手に椅子を持って来たりひっくり返ったりしながら、撮影は幕を開けました。パパさんママさんは相変わらず大爆笑で、私とsakiちゃんはひーひー言いながら何とかかんとかまとめようと必死で、あっという間に時間は過ぎていきました。

「敢えて言わなかったけど、クロちゃんで良かった。もう、こんなにおふざけな撮影でも、クロちゃんならもう知っててくれてるから」と、ママさんは笑って仰ってくれました。ええ、十分に存じ上げております。そして、安心してください。ふざけん坊ズな彼らの記録を、10年後、20年後の家族団欒の場までお届けするのが、私の役目だと思っていますから。そういう写真を1枚でも多く残したくて、私はライフスタジオにいます。

【わたしがライフスタジオで写真を撮る、その理由】。

年に1回の貴重な機会をご一緒して、その時の楽しさを、ふざけっぷりを、その現場の熱量を、家族の空気感を、ありったけ写真に込めて記録する。そういう撮影をしたい。これからも、そうしていきたい。

あの日から少し経って、事態は少しずつ変化して、今はライフスタジオも一部臨時休業という措置を取らせていただいています。いつも通り、の日々のありがたさを痛感している毎日ですが、笑い声の溢れるあの撮影空間に戻る為に、今はこうして自分の中の理由や、写真の意味や価値について、改めて考えています。

生活に必需ではないけれど、ひとの心に温かいものを灯してくれるのが『写真』です。今を越えたら、きっとまた、みんなで笑い転げながら撮影する日々が戻って来ます。また来年も、あのふざけん坊ズたちに対峙する、その日の為に。その先にある、いつか遠い未来での、家族みんなで写真を見返す日の為に。写真を撮り続ける、その理由は、いつだってカメラの前にいてくれるそのひとたちに、あります。

 

こんな時だからこそ、ふざけん坊ズたちの写真が愛しくて、仕方ないのです。


 

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「あなたに会えてよかった」
これはお客様と私たちとの宝物のような出会いの記録。

このかけがえのない関係がこれからも続くように願いを込めた、私たちからのラブレターです。


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美しさを表現し、思い出を記録する、楽しい遊びの空間

人生の写真館ライフスタジオという名前に込めた想い。
それは、出会う全ての人が生きている証を確認できる場所になること。
家族の絆とかけがえのない愛の形を実感できる場所として、
人を、人生を写しています。

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