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【ライフファミリー113】共感と信頼(Kuroki Reiri)

2019/7/26

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共感と信頼

- Shirakawa Family - 



 

「黒木さんに撮って欲しくて」

電話口でそう仰ってくれたこのご家族とは、数年前に新横浜店で何度か撮影をさせていただいて以来のご予約でした。嬉しくて、ふたつ返事で撮影担当することをお約束したのが、昨年秋のこと。

しかし、その後私は2019年の1月をほぼ1ヶ月休職させていただくことになりました。そして、1月のスケジュールの中には、このご家族の名前がありました。『黒木さんに撮って欲しくて』、そんな光栄な言葉をいただきながら、それに応じられない不甲斐なさと歯痒さは、私にとって看過できないもので。悩みながら、お詫びのお電話をした時、電話口のパパさんは、「そうですか…いや、黒木さんに撮って欲しいと思っていたので、ちょっと相談して良いですか?」と仰ってくださり、その後ママさんからお電話をいただきました。

ママさんは、「別にいつでも良いんです」と仰いました。「誕生日の記念とか、この日じゃなきゃダメとか、そういうのではなくて、黒木さんに撮って欲しくて予約したので、ご都合が合わないようなら別の日を予約します」そしてその言葉通りに、改めて3月のご予約を取って下さいました。

「…誠心誠意、撮らせていただきます。」

そうお伝えするのが、その時の私の精一杯でした。写真を撮られることが苦手なパパさんが、自然体で撮影できた最初の撮影の感動が忘れられないということ、私のblogもたくさん見てくださっていること、blogを見て改めて私の視点での撮影を希望しているということ……ママさんは、電話口でそんな話をたくさんして下さいました。私の都合でご予約を変更してもらう心苦しさと、それを超える使命感は、休職後の私がまず目指すべき場所になったように思います。誠心誠意、そんな言葉を、この時は本当に大切に使いました。3月になったら、絶対に、この言葉を体現する撮影を提供しよう。そんな想いで、1月を過ごしていました。

 

そして、再会の日。

記憶の中では、大きなパパさんと小さな赤ちゃん、というコントラストが印象的だったのですが、数年の時を経て、その赤ちゃんはすっかりお姉さんになっていました。パパさんは寡黙に、そしてママさんは弾けるような明るい笑顔で「お久し振りです〜〜!」と再会を喜んで下さいました。撮影は、カメラが苦手なパパさんの為に、後ろ姿から始めました。『自然な感じ』、それが実際のところどのくらい難しいのか、撮られることが苦手な私にとってはよくわかります。カメラを意識しないことなんてできないとわかっているから、後ろ姿から始めて、適度な距離感で寛いで座って、子どもが戯れるようにパパさんの上に乗っかってもらったりもして撮りました。家族の日常の中で、いつもしている仕草や、距離感や、戯れ合う時の感じを出しやすいように。ご家族の『普段』に、こちらがちょっとだけお邪魔させてもらう、そんな感じで。無理をしなくて良いように。肩の力を抜いて、楽しんでもらえるように。私の『誠心誠意』は、そういう部分に表していきます。Babyからすっかり成長したRikoちゃんは、天真爛漫な笑顔で私とNokoちゃんを魅了して、悪戯っぽく笑い、軽やかに動き、そしてどきりとするくらいの眼差しでこちらを見詰めてくれました。彼女の動きを、視線を、その魅力を、撮らせてもらえることへの純粋な喜びや楽しさがある撮影。少なからずの使命感を持って臨んだ撮影ではありましたが、気付けば穏やかに撮影を楽しむ空気感が流れていました。

撮影させてもらったその75カットを見た後、ママさんはたくさん、本当にたくさんの想いをお話ししてくれました。
『あなたのための、あなたの写真』。私がよくblogに書いている、私が撮りたいと思う写真、その想いに、ママさんは深く共感してくださっていました。家族がいて、愛されている日々があって、『あなた』の存在を肯定できるような、『あなた』の美しさを表現した写真を撮影したい。私はいつも、そう思って撮影をしてきました。そういうものを確認できる『写真』があれば、きっと人生のどこかで困難な時があったとしても、自分の存在を信じて前に進んでいけるんじゃないか。『写真』にはそんな力があるんじゃないかって、そんな願いを込めながら撮影をして、そういう想いをblogにたくさん綴ってきました。そして、ママさんは、そのblogを読んで、数年前に撮影したきりだった私にもう一度撮影をお願いしてくれました。「黒木さんのblogを本当にたくさん読ませてもらって。ああ、そうそう、そういう写真を残したいと思ってるんだってことを、黒木さんはわかってくれる、共感してくれると思ったんです。だから、黒木さんに撮ってもらいたかったんです」と、ママさんは真っ直ぐに私に伝えてくれました。

その時の私の感情の昂りは、お会計の為に事務所に戻ってから涙になって溢れてしまいました。ママさんが深い共感を示してくれた、その想いは、自分が『ひと』を撮る撮影者として、何年もかけてようやく辿り着いたひとつの信念でした。そのひとの『今』を美しく記憶する写真、いつかそれが、誰かの為の力になる。だから、目の前のそのひとの為の撮影という瞬間に、いつだって必死で、全力を注ぐこと。それだけが、私の撮影者としての武器でした。それがただの独り善がりではないことを、信じています。それでも時に、それだけしかない自分の無力を痛感してしまうことがあって、その度に自信を失いそうになる時も、ありました。そういう時に、こうして、強い共感を真っ直ぐに伝えてもらうことが、できました。

言葉にしきれないようなたくさんの想いを、どうにかして伝えたくて、残したくて、毎日必死で書き綴ってきた【Butterfly】。それを読んで、「そうそう!」と共感してくれる人が、こうして撮影に来てくれます。「そういう視点で、撮って欲しいんです」「子どもが大きくなった時に写真を見て、愛されて育っていたんだなって、そう思えるような写真を撮って欲しいんです」ママさんからのその言葉は、時に迷ったり、自信を無くしたりする私を立ち戻らせます。何度でも。

【共感による信頼で繋がったご家族】。

私にとって、そんなご家族です。迷ったり、弱ったりした時には立ち戻る場所となる小さな信念を、共に支えてくれる共感。それがあるから、もう一度、前を見て進もうという勇気をもらえます。たくさんのお礼をお伝えしたいのは、私の方です。次にお会いする時には、きっとまた、共感し合えるたくさんの想いをお話できるでしょう。その日まで、私は、『また撮って欲しい』と思ってもらえるような、そんな信頼に応えられるような撮影者であり続けたい。共感してもらった、その信念を大切に、進んでいきたいと思っています。

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「あなたに会えてよかった」
これはお客様と私たちとの宝物のような出会いの記録。

このかけがえのない関係がこれからも続くように願いを込めた、私たちからのラブレターです。


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