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【ライフファミリー087】想い出をなぞる。(Kuroki Reiri)

2019/4/9

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想い出をなぞる。

- S Family - 


留守番電話に入っていたメッセージは、『IDを忘れてしまって予約が取れない』というお問い合わせでした。折り返しのお電話をして、電話番号から検索をしたところ、HITしたのは見覚えのあるお名前。過去に私が新横浜店で、3回撮影をさせていただいていたご家族でした。「あれ、ひょっとして、Eちゃんのママさんですか?」と尋ねた私の言葉に、ママさんは「覚えてくれているんですね」と嬉しそうに答えてくださいました。

このご家族のことは、撮影に一緒に入ったコメとの間でもよく話題にのぼりました。3年前の、最初の撮影の時は、眠くて眠くてたくさん泣いて、泣きながらちょっと恨めしそうにこちらを見る、そんなbabyに申し訳ない気持ちを抱きつつの撮影でした。それでも、ママに抱っこされた彼の涙と、優しく包み込むように彼を撫でるママの手はとても、とても綺麗でした。その光景は、今の自分が見るとちょっと新鮮なくらいの、何だか透明感のある写真に仕上がっていました。

https://www.lifestudio.jp/studio/yokohama_aoba/staff_blog/nishigaki/123871

この時の写真は、新横浜店でフレームのサンプルにさせてもらいました。babyの写真を撮る、という、ひとつの視点として、新横浜店に飾らせてもらったサンプルの写真。babyのニコニコの笑顔は、勿論無条件に可愛いけれど、どこまでも素直で純粋なbabyという時期だからこその泣き顔や涙、そしてそれをあやすママの表情の美しさは、写真にして残す価値のある瞬間だと、信じていました。それから、あんなに泣いていたのが嘘みたいに元気な男の子に成長した彼の1歳記念と、これから生まれてくるbabyをお腹に宿したマタニティの撮影をご一緒しました。その後、私は横浜青葉店に異動になり、それ以来お会いしていなかったご家族。「もういちど、最初に撮ってくれたカメラマンさんに撮ってもらいたくて。でも、お名前がわからなくて、指名ができるかもわからなかったので……」と、ママさんは仰ってくださいました。この1本の電話で、私は、わざわざ探して予約を取ってくださったことへの嬉しさと、探させてしまったことへの申し訳なさと、もう一度、このご家族の写真を撮らせてもらえる、という期待感を目まぐるしく味わいました。そして、『最初に撮ってくれたカメラマン』という過去の自分に、少しプレッシャーを感じてもいました。

そして果たした、約2年振りの再会。すっかり「男の子」に成長した、あの日のbaby。お腹の中にいたもうひとりのbabyちゃんは、少し恥ずかしがり屋の妹さんでした。そして、変わらない笑顔のパパさん、ママさん。おじいちゃんおばあちゃん。ご家族皆さんと「お久し振りです!!」とご挨拶しながら、大人にとってのわずか2年の間に驚異的に成長を遂げている子どもたちに驚かされます。それでいて、青葉店の少し狭いホリゾントを走り回るお兄ちゃんの笑顔は、前回私が撮らせてもらった撮影の時に、楽しさのあまり1シャッターごとに飛び出してしまっていた、躍動感溢れる家族写真を思い起こさせました。

生後半年の、あの泣き顔の時には想像もつかなかった、やんちゃで元気な男の子。かと思えば、こちらを窺うちょっと恥ずかしがり屋の妹さんの目線は、あの泣いていたbabyの顔にそっくりでした。普段はなかなか笑わないという妹さんでしたが、この日はコーディネーターの吉澤たくみが全力で汗をかいてくれて、がっちり子どもたちの心を掴んでくれました。はしゃぐお兄ちゃんにつられてか、元気に走り回ってくれた妹さん。子どもたちの楽しさは、大人の心に伝播して、その空間は温かな空気で満たされていきます。

たくさんの家族写真を撮りながら、途中はしゃぐお兄ちゃんにぶつかって泣き出してしまった妹さん。顔を真っ赤にして、涙をポロポロ零しながら泣く彼女を優しく抱っこしたママさんと、思わず顔を見合わせて「あの時の…………」と、お互いに同じ写真を、思い出していました。

泣く彼女の恨めしそうな視線を受けて、思わず苦笑いをしながら、シャッターを切りました。『最初に撮ってくれたカメラマン』としての、3年前の私が撮った写真。3年の時間を超えて、ここでまた再現される、家族の想い出をなぞる、写真。そして、それにすぐ思い至る、共感。ああ、そういうことなのかな、と、腑に落ちたような気持ちでした。『もういちど、撮って欲しい』、そう思ってもらえたのはきっと、私のそういう感情的な部分が、良い形で作用することができたから、なのかも知れません。兄妹写真の撮影が終わった瞬間には自然と拍手が巻き起こり、それぞれのソロ撮影の間もご家族や私たちの間で思い出話に花が咲き、そしてモニターが終わった瞬間には「もう、大満足です、最高でした!!」と仰っていただけた、至福の時間。撮影者として、こんなに幸せなことはないでしょう。

 

『最初に撮ってくれたカメラマン』という3年前の自分に、プレッシャーを感じる部分もありました。条件も環境も違う中、最初、という特別感を超える感動値を提供できるかどうかは、確実ではないといつも思っています。指名していただける喜びと同時に、前回の自分を超えなければならないという覚悟も持っているつもりです。でも、共有する記憶と、共感する想いがあることは、そのご家族の想い出の延長線上に立つこと、でした。1回の撮影が『終わり』ではなく、前回の撮影と、今回の撮影と、ひょっとしたらこの先の撮影でさえ、『続き』を伴うStoryとして繋がっていける、ということ。

規定をするのなら、【再会を喜び、一緒に楽しみ、想い出を懐かしむ、そんな物語を共に作っていくひとたち】と言えるのではないでしょうか。感情移入と、共感。私の中にあるそのふたつが、こうして撮影を通して出会うご家族との縁を繋いできてくれました。『家族』の時間は、続きます。その『続き』を一緒に残していきたい、そういう想いがあることが、

「また会いましょう」、そう言っていただける理由のひとつなのかも、知れません。


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「あなたに会いに来ました」と言えるような関係が増えていくことを願っています。

 


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