殿堂入りHall of Fame

【殿堂入り077】Sekiguchi Family(Kuroki Reiri)

2018/12/26

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900/900 〜ライフワーク

- Sekiguchi Family -


彼女の存在は、私がカメラマンであり続けようとする理由の、ひとつです。

1歳のBirthdayから、ずっと撮影をさせてもらってきました。
彼女の成長を記録し続けた写真の、900枚目。


ちょうど1年前、私が初めて『Butterfly』を書いたのが、彼女でした。ライフスタジオで、One pointで、『殿堂入り』という事業がスタートした頃、その全体像が把握できないまま、それでも断片的な情報を繋ぎ合わせながら、『 撮影者と顧客との繋がり』について書くのであれば、いちばん最初はこのご家族についてだろう、と決めていました。私の、いちばん最初の『Butterfly』であり、いちばん最初に『殿堂入り』の認定を受けたのが、このご家族との繋がりです。今の『わたし』を構成している大切な出会いであり、私のファインダーに欠かせない存在であり、そしてきっと、これからもそうあり続ける、そんな大切な繋がり。

私が在籍している横浜青葉店は、『近すぎる写真館』として、顧客との関係性を考え続けています。それは、1年前にはまだ手探りでした。しかし、One pointの中に飛び込んだ横浜青葉店が、店舗としての確固たる内部文化を持たなければ、自律経営型店舗としての存在意義は危ぶまれ、自分たちはただそこにいるだけ、になりかねません。多様な価値観を持つひとりひとりのスタッフに、共通する目的意識。自分たちの関係構築にも繋がる共通言語、共通する概念となるものが、『顧客感動』という要素でした。


写真館のスタッフとお客様、というだけでは終わらない、終わらせないという私たちの意思。写真を撮ること、ではなく、関係を作ること、感動体験を提供すること、ひとと繋がり、ひとの心を動かしていくこと、そういうことを体現する店舗として、『近すぎる写真館』はスタートしました。だからこそ、同時期に始まった『殿堂入り』という事業に対して、『近すぎる写真館』は積極的な参入が必要でした。そして、私の唯一の武器とも言える部分は、『殿堂入り』という事業に、『近すぎる写真館』に、大きく貢献できる力になりました。自分がいちばん最初に書いた『Butterfly』は、私がぼんやりとしか自覚していなかった自分の武器を、強みと言える部分を、言葉にして整理するというひとつの『規定』。彼女の写真を撮る、撮り続けている、そうさせてもらえる繋がりは、どういうものなのか。彼女が私にとってどういう存在なのか。彼女たちご家族にとって、私がどういう存在なのか。そういうことを文章にして綴ることは、感覚的で掴みどころの無い主観的なものに、『言葉』という形を与えて、幾らかの客観的な根拠を得る過程でした。彼女たちとの繋がりがなければ今の私は無く、『Butterfly』としてその繋がりを整理したからこそ、自分の武器を横浜青葉店で、『近すぎる写真館』で、具体的に発揮していくことができたのだと思っています。


あれから、1年。
幾つかの『Butterfly』が『殿堂入り』として認定されて、リニューアルされたHPでは専用ページで紹介されるようになりました。そして、私のいちばん最初の『Butterfly』、『殿堂入り』となった写真と文章は、6月に先行設置された横浜青葉店のギャラリースペースに、キャンバスボードにまとめられて展示されていました。そのボードの前で、彼らの今年の来店を出迎えました。玄関から真っ先に視界に入るそのボードを見て、パパさんは驚き、いそいそと写真に撮ってくださっていました。


今回の撮影は、Ayanoの7歳の七五三。4年前、同じ場所で撮影した3歳のあどけない着物姿の写真を見返したあと、今年の彼女をファインダーから見詰めます。その瞬間の私ときたら、それはもう、頭の芯がくらくらしそうなくらいの感情が溢れてきて、その感覚に見合う言葉を、未だに見付けられずにいます。この7年、彼女を見てきました。撮影させてもらってきました。今回のラストカット、75枚目の写真が、累計の900枚目の写真になります。彼女の成長を、変化を、涙と笑顔と美しさを、記録し続けた、900枚目。その蓄積は、こうして言葉にならない感情を、気持ちを、想いをもたらすことがあります。

初めてお会いした時は、こんなに長いお付き合いをさせていただけるなんて、思ってもみませんでした。気が付けば7年経ち、赤ちゃんだった彼女は帯の着物を着て、制服を着て、ランドセルを背負って、笑います。成長していく彼女を撮影する為に、表現する為に、私もまたこの7年間、撮影者としての努力を怠る訳にはいきませんでした。そうさせてくれたのは、私を『がきさん』というひとりの人間として受け入れ、親戚のおばさんのような距離感で接し、それでもカメラマンとして敬意を払ってくださるこのご家族に対して、せめて誠実でありたいと思ったからこそ、です。「彼女が成人するまで、撮影をお願いしたい」と、かつてパパさんは仰いました。それは、決してその場限りの体の良い言葉ではなくて、未来を見据えた希望でした。勿論、本当にそうできるかはわからないし、私が腰や脚や目を故障するかも知れないし、確実にそうできる、そんな保証はないけれども、それでもそうしていきたいという姿勢だけは、持っています。
あと13年。そんな先のことは、正直なところわからない。でも、それでもそうしたいという、私の姿勢。それこそが、私がこのご家族に対して示すことのできる、せめてもの誠実さであり、出会いを繋げてここまで来れたことへの、ありったけの感謝です。誠実でありたい。その姿勢を保ち続けたい。それが、私の唯一の武器です。それだけが、自分の強みです。それ以外は、何もありません。でも、その唯一のものが、『近すぎる写真館』で、ライフスタジオで、私の生きる道を作ってくれたと思っています。


パパさんから後日いただいたGuest storyでは、『栄えある殿堂入りも頂きありがとうございました。』と書かれていました。『殿堂入り』に価値を感じていただける、そのことがまたひとつ、自分のこの1年を肯定してもらえたような気持ちになります。1年前は手探りで、願うような気持ちでやってきた色んなことが、1組のご家族の心に届いたこと。それは、幸せなことです。

【カメラマンであり続けようと思わせてくれるご家族】。この関係は、その一言です。写真の価値を教えてくれた、この7年の、900枚の写真たち。この出会いがあったから、この関係があったからこそ、この次の975枚目に向けて、私は進んでいくことができるのです。

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【殿堂入り】

Butterflyから選ばれた殿堂入り


大切な家族へ宛てた私たちからのメッセージ。
ただ単に撮る人、撮られる人ではなく、
「あなたに会いに来ました」と言えるような関係が増えていくことを願っています。

 


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