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【殿堂入り047】T Family(Kuroki Reiri)

投稿日:2018/9/24

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ノスタルジア〜since urayasu,

- T Family -


初めて、ファインダーを通して『お客様』を見たその日、私の前にいたのは彼女たちでした。
私を、カメラマンにしてくれたひとたち。
始まりのあの日のことを、忘れたことはありません。


2012年の3月11日。浦安店にて。2歳のリピーターの女の子が、私のカメラマンデビューの撮影でした。撮影が始まる前、カメラを持って固まっていた私に、「自信ないなら、やめなよ」とソンボンさんは言い、私は、「自信はないけど、勇気ならあります」と答えました。
…………今なら、「イヤ勇気じゃダメだろ」と言えるのですが(笑)とにかく、目の前の2歳の女の子の笑顔を、ひたすら追った撮影でした。カメラが重くて、震えそうになるのを必死で抑えて、緊張をごまかす為に喋りまくっていた6年前。その日から、私は『ライフスタジオのカメラマン』になりました。

それから、6年。春になると、私は彼女たちの撮影をさせてもらっています。浦安店から異動しても、彼女たちの予約が入れば浦安店に舞い戻り、たくさんの思い出話をしながら撮影してきました。あの時の2歳の女の子は、当たり前に年々成長を重ねていき、家族が増え、彼女の面影そのまんまの(でも性格はちょっとツンツン気味な)妹は如何なくその次女+末っ子の性質を発揮するようになり、そんなふたりを温かく見守るパパさんママさんとは、本当にたくさんの笑いと想いを共有させてもらいました。
昨年は、そんなふたりの七五三を、浦安店で撮影しました。そして、それは、移転前の浦安店での最後の春のこと。青い玄関も、赤いミニクーパーも、少し古い和室も、フラワーカフェも、天井の低いホワイトルームも……浦安店の、殆ど全てのインテリアで、それまでに撮った彼女たちがあちこちからひょこひょこ顔を出すようでした。浦安店での、カメラマンとしての最初の仕事が、彼女たちの撮影をすること。そして、私の浦安店での最後の仕事も、彼女たちの撮影をすること、でした。

それから1年。また春が来て、浦安店はなくなって、彼女たちは横浜青葉店に来てくれました。撮影前の、あんな緊張は、最近ではなかなか味わうことはありません。事務所のPCの前で、勇気だけで撮りきった最初の75カットを見返しながら、ほんの少しの震えがくるくらいの緊張感を感じていました。狭い範囲を何年も撮り尽くした浦安店に比べたら、彼女たちにとっては初めて撮影するスタジオで、どうとでも自由に撮れるのに、だからこそ、大切な彼女たちにどんな写真を残そうか……自分の中に蓄積された、写真の条件や情報の引き出しをひっくり返して、その構成を考えます。カメラを持って固まりながら、それでも、「今なら、自信を伴わせた勇気はある」と、思いました。

ライフスタジオ8回目にして、初めて浦安店以外の店舗を訪れたこのご家族に、最初の1枚目としてプレゼントしたのは、パパママと子どもたちを敢えて少し離した家族写真。「この距離感、新鮮!」とはしゃぐママさん。「浦安だと狭いから、密着度高めでしたもんね〜」そんな話をしながら、横浜で彼女たちの撮影をする不思議を噛み締めます。光も空間も違うのに、それでもその笑顔に、その仕草に、思い出される幾つもの写真が重なっていく。過去の記憶があるからこそ、相対的な比較で変化や成長を感じながら、変わらないものも感じさせてくれる。妹の立ち居振る舞いに、姉の面影を重ねて懐古します。姉の柔らかな仕草と表情に、これから彼女が備えていくであろう魅力の片鱗を感じます。今までと、これからと、今この瞬間を、怒涛のように感じさせてくれる、このご家族との撮影時間。

本来なら、きっと「最初のあの時がデビューだったんですよ」なんて話は、お客様とはするべきではないのかも知れません。もちろん当時は言っていませんが(笑)、今ならそれを、とても大切なこととしてお話できます。そこからここまで、繋いできたたくさんのご縁の始まりだから。あの日、あの時、勇気だけで踏み出したカメラマンとしての一歩。その先の道は、勿論勇気だけではやっていけなくて、足りないものを思い知らされながらも少しずつ進んで来ました。それでも、あの時に勇気を振り絞って良かったと、心から思います。カメラマンとして生きていく、そうさせてくれた、最初のご家族。この出会いが、私をカメラマンにしてくれました。

【私をカメラマンにしてくれたひとたち】。
彼女たちとの関係は、ただそのひとことに尽きます。たくさんのご家族と出会い、何千枚も撮らせてもらった写真の中の、最初の75カットがこのご家族の写真です。粗削りで拙い写真だったかも知れないけれど、大切な、本当に大切な写真です。



年に一度、積み重ねていく75枚ずつの、家族の姿。そしてまた、次の春に、私はものすごく緊張しながら、大切な彼女たちにどんな写真を残そうか考えているでしょう。勇気を振り絞りながら、彼女達の前でカメラを持って、そしてきっと、「カメラマンになって良かった」と、心から思うのでしょう。

▶Reiriさんのいる店舗はこちらライフスタジオ横浜青葉店です。

【殿堂入り】

Butterflyから選ばれた殿堂入り


大切な家族へ宛てた私たちからのメッセージ。
ただ単に撮る人、撮られる人ではなく、
「あなたに会いに来ました」と言えるような関係が増えていくことを願っています。


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美しさを表現し、思い出を記録する、楽しい遊びの空間

人生の写真館ライフスタジオという名前に込めた想い。
それは、出会う全ての人が生きている証を確認できる場所になること。
家族の絆とかけがえのない愛の形を実感できる場所として、
人を、人生を写しています。

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