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【殿堂入り041】Yamakawa Family(Kuroki Reiri)

投稿日:2018/9/4

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- Yamakawa Family -


基本的には、お会いしたことのない方からご指名をいただくことは、あまりありません。

と、言うのも、私が『写真』に特化している訳ではないからだと、自己解釈をしています。
撮影をすること、写真を撮ることは大好きですが、『写真』そのものの技術的な追求や芸術的表現の可能性についての模索は、まだまだ足りていません。『カメラマン』としてストイックになりきれない、そんな私は、その一枚で見る者の心に訴求するような、上手い写真が撮れるようなカメラマン、とはちょっと言えないのかもしれません。撮影を検討しながらライフスタジオのHPを見てくださるお客様は、たくさんの写真を見ながらご自身のご家族の写真をイメージするでしょう。写真を見て、この写真の撮影者に撮ってもらいたい、と思わせるような、ひとをそんな気持ちにさせるような写真……私の写真は、まだそこに至れていないのだと思うのです。

だから、お会いしたことのないこのご家族のママさんから、「黒木さんに撮影をお願いしたいんです」と伺った時には、最初は夫の方の黒木かと思ってしまいました。笑ご予約日の1週間前の、確認電話でのお言葉でした。お電話をしたのは私で、その前にかおちゃんが何度かお電話のやり取りをしていて、かおちゃんを指名してくれたけど妊娠中なので撮影には入れない、とお話しした経緯などがメモに残されていました。だから、最後に改めて「何かご要望はありますか?」とお伺いさせていただいたところの、予想外の撮影希望。「スタッフの方のblogを読ませていただいて、黒木さんの写真に対しての考え方が良いなあって思って」ママさんは、電話の向こうで恥ずかしそうにそう仰ってくださいました。これは、私にとって青天の霹靂とも言える衝撃でもあり、自分にとって唯一の強みが、『ライフスタジオのカメラマン』として自らを立たせてくれる根拠になったことが確認された瞬間でした。

『カメラマン』としてストイックになりきれない自分に、少なからず劣等感を感じていたこともありました。それでも、撮影の中で、写真を通して楽しんでもらうことや、ご家族にとっての大切なものに寄り添うこと、その瞬間に写真を撮る価値を知り、その責任を持ってシャッターを切ること、そういうことを大切にして来ました。自分の姿勢は、撮影に入らせてもらったご家族には好意的に受け止めていただくことも増え、ありがたいことに「黒木さんを追いかけて来ちゃいました〜」と言っていただけるご家族もいます。そういったご家族とのお話や、撮影中のエピソードを言葉にして発信していたのは、撮影に来てくれたその人たちへの、お手紙のような気持ちでした。その発信が、こうして新しい出会いをもたらしてくれました。しかも、ママさんが仰ってくださった「写真に対しての考え方が良いなぁと思って」という言葉。『写真』が良いなと思って、と言われたら、プレッシャーだったのかも知れません。1枚の『写真』、その1枚が生まれるには幾つかの条件があり、過程があり、『同じようなもの』を撮ることが現実的に難しい場合もあるからです。でも、『写真に対しての考え方』を好意的に受け止めていただいたということは、『わたし』というひとりの人間の目線を、主観を、大切にしているものを、肯定的に見ていただいたということでした。

この場合の条件は、ただひとつ。『わたし』が撮影をすること、です。
『わたし』にしかできない、そんな撮影の機会を新たに与えていただけたことを、心から嬉しく思います。

撮影当日、ママさんはスタッフ全員分の手作りのお菓子を用意して来てくださいました。とっても愛らしいお姉ちゃんと、むちゃくちゃ元気な3歳弟の七五三。コーディネーターのsakiちゃんを追いかけて、立ち位置からカメラまで走って来ちゃう着物姿の彼は、カラクリお茶汲み人形の動きを彷彿とさせました。笑
(でも多分、この早さだったらお茶全部こぼれてるだろうな……)「待ってー!!」「3秒止まってーーー!!!!!」そんな声が乱れ飛ぶ撮影空間。パパさんママさんの全力のディフェンスもすり抜けていく3歳男子、そんな弟を辛抱強く待ってくれる姉……!!ひょっとしたら、ハタから見たら、それは大変そうな撮影に見えたかも知れません。でも、当事者たちは案外そんなこともなく(笑)、賑やかで、ぐだぐだで、何が起こるかわからない全力投球なこの撮影を、心から楽しんでいました。



私は『わたし』として、この撮影を任せてもらえたことがとても、嬉しい。元気で、はちゃめちゃで、愛おしい彼女たちの姿を、ご家族の姿を、『わたし』が記録させてもらえる。『わたし』の眼差しで、写真を構成することができることは、何より自由です。こんな写真を撮るカメラマンに撮ってもらいたい、とは思わせられないかも知れないけれど、こんな撮影をするひとに撮影してもらいたい、と思ってもらえる撮影者でいたい。私が大切にしているものが、こうして誰かの共感を呼び、新たな出会いに繋がっていく、幸せ。

規定するならば、【ライフスタジオのカメラマンとしての私を確認させてくれたご家族】です。
カメラマンとしてストイックではないかも知れない、写真に全てを託すことはできないかも知れない。だから私は、出会いを大切にし、子どもたちを抱っこしながらその重さを感じ、触れ、笑い、汗まみれになりながらこの時間を共に楽しみ尽くしたいと、願う。撮影者とお客様、ではなく、同じ目線で、輪を作って、撮影の場を共に作った、その思い出も、感じたことも、悲喜交々のエピソードも、たくさんの言葉にしてきました。綴ってきたその言葉たちが、出会ったことのないひとにも『わたし』を見せてくれました。そして、『わたし』として出会うことができた、そんな新しいご縁の繋ぎ方。

またひとつ、大切なものが増えました。

▶Reiriさんがいる店舗はライフスタジオ横浜青葉店です。
ぜひ「近すぎる写真館」横浜青葉店の店舗の様子もご覧ください。

【殿堂入り】


大切な家族へ宛てた私たちからのメッセージ。
ただ単に撮る人、撮られる人ではなく、
「あなたに会いに来ました」と言えるような関係が増えていくことを願っています。

 


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人生の写真館ライフスタジオという名前に込めた想い。
それは、出会う全ての人が生きている証を確認できる場所になること。
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