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【殿堂入り027】Yasuda Family(Kuroki Reiri)

投稿日:2018/8/3

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憧憬


ライフスタジオで、たくさんの撮影に携わりながら、素敵なご家族にたくさんお会いしてきました。
その中でも、特に印象深く、私がこの出会いに感謝しているご家族がYasuda Familyです。

私の中の『家族観』を大きく変化させてくれたのが、Yasuda Familyとの出会いでした。
それまでは、本当に率直に言えば、『家族』というコミュニティに対してコンプレックスのようなものがあったように思います。何しろ8人兄弟という大人数の中で育った私にとって、自分の『家族』というコミュニティの実体は一般的な基準とはかけ離れていました。そのことは、自分にとってはコンプレックスになっていると感じていました。

そんな自分が、ライフスタジオで撮影を通して色んなご家族と関わっていくことに、入社当初はものすごく戸惑いがありました。だからこそ、デパートの販売員時代に培われたマニュアル的な接客対応で、自らが強固に『お客様』と『スタッフ』という壁を築いていたように思います。自分のことは見せずに、『スタッフ』としてやるべきことに徹しようとしていた私は、目の前のご家族や子どもたちをカメラマンの指示通りにさせることに必死で、撮影を楽しんでもらおうとか、価値ある時間を過ごしてもらおうとか、そういうところまでは全く考えが及んでいませんでした。当然、顧客と親しくなることもあまりなく、子どもたちには「ここにいて」「じっとしてて」と言うばかりで、その表情はどんどん退屈していく……そんな撮影を繰り返し、「この仕事、自分には向いてないんじゃないかな」と思っていた研修期間。そんな研修期間が終わって(よくその時点でクビにならなかったものだと今なら思います)間もなく、Yasuda Familyとの最初の出会いが、訪れました。

ハーフバースデーのBabyと、4歳のお姉ちゃん。パパさん、ママさん。その撮影で、アシスタントだった私自身は特別何かをしたということはありません。ただ、撮影そのものを楽しむとっても明るくて楽しい『家族』の雰囲気に、自分が抱えていたコンプレックスみたいなものが、もの凄くどうでも良くなってしまった。そのくらい、このひとたちにはエネルギーがありました。子どもたちのことが大好きなパパさんと、とってもチャーミングな笑顔で痛烈なツッコミを繰り出すママさん。BabyだったHiroyaくんはころころ寝返りを打ちながらご機嫌で、姉のMihiroちゃんはそんな弟を優しく見守っていました。家族全員でこの時間を楽しもう!という、飾らない、無邪気で真っ直ぐな『家族』の姿。私は、そのひとたちのとっても愉快で明るいエネルギーみたいなものに巻き込まれて、何だかつい、素で楽しんでしまった、のです。撮影中も、モニターの時も、ずっとふざけ合って笑い合って、楽しみ尽くして帰って行く4人の姿を見送りながら、「家族って、素敵だなあ」と、心から思ったことを、良く覚えています。それまでの、自分のコンプレックスだと思っていた感情が、違うものだったと気付いた瞬間でした。

当時はそのことが整理されていなかったのですが、今なら少し、わかります。今読んでいる本に、『自己欺瞞』についての記述がありました。曰く、自分の感情を欺いている時、ひとは自分を正当化できるように周りを歪めて見てしまう、のだとか。私にとっては、『家族』というコミュニティに対して抱いていたのは、本当は『憧れ』という感情だったのだと思います。しかし、その感情を『コンプレックス』に置き換えて、自分が色んなご家族の前で『スタッフ』として取り繕いながら振る舞うことを正当化する理由にしていました。本当は、そうじゃなくて、私は『家族』というものに憧れを持っていたし、撮影を楽しみたいと願っていました。それを、素直に引き出してくれたきっかけが、Yasuda Familyというご家族の姿だったのだと思います。

撮影の楽しさって、こういうところにあったのか。こうやって、楽しんで良いものだったのか。当時の私にとって、それは大きなきっかけでした。『スタッフ』として徹底したビジネススタイルから、『わたし』という、ひとりの感情を持った人間として、お客様と関わって、楽しい時間を過ごしたい。だから、おっかなびっくり始めてみました。「いらっしゃいませ」から「こんにちは〜!」へ。「アシスタントです」から「れいりちゃんって呼んでね」へ。最初はたどたどしく、ぎこちなく。それでもあの時の楽しさが忘れられなくて、あんな風に楽しめるひとたちと一緒に楽しめるひとでありたいと、そう思いました。そう、思わせてくれたのがYasuda Familyで、私のその思いは色んなスタッフとの出会いも経て、『ライフスタジオでのわたし』を、変えました。

1年後の再会の時、私はカメラマンとしてYasuda Familyの前に立ちました。
変わらず明るいパパさんママさん、寝っ転がっているだけだったBabyのHiroyaは自分の足で立って走るようになり、そのHiroyaに追いかけられるMihiroは凄く、凄く優しいお姉ちゃんでした。楽しもうというYasuda Familyのエネルギーも勿論健在で、そして私は、そのエネルギーを受けるだけではなく、その楽しさを作り出していこうという姿勢を持つようになっていました。それが、ちゃんとできたかはわかりません。でも、そうしようという意思が自分にあったことは、1年前とは大きく異なる点だったのです。「また来年も来ます」、そのひとことが嬉しくて、再会が楽しみで、そう思えるご縁を自分も持つことができたことが、何よりも、幸せだった。

Yasuda Familyとの撮影は、毎年私のBlogに綴られ、パパさんママさんからのコメントはいつもとても、温かいものでした。おふたりの、ひととの出会いや縁を大切にしている姿勢。家族に対しての眼差し。一緒に楽しもう、ふざけようという遊び心。それらが私にとって、本当に素直に、憧れてしまうご家族の姿でした。そもそも私自身、あまり結婚願望がなく、家庭を持つということは縁がないような気さえしていたのです。そんな私が「結婚って、良いものなのかも知れないな」と初めて思ったのが、Yasuda Familyとの出会いでした。私にとっては、彼らとの出会いは、人生に関わる大きな価値観を変えてくれたものでさえあると思っています。規定するならば、【恩人】です。たくさんの、かけがえのない時間と、想いと、家族の大切さ、出会いの大切さを教えていただきました。

先日の撮影は、Mihiroのハーフ成人式。その日、極めて稀なことに、湘南店から黒木さん(※旦那)が別の指名撮影で来ていました。初めて「結婚って良いものなのかも…」と思わせてくれた、憧れのご夫婦に、自分の旦那を紹介することができるタイミングが来るなんて。笑それもまた、不思議な縁。



ライフスタジオで、たくさんの素敵なご家族にお会いしてきました。その、それぞれのご家族の魅力に気付けるようになったのも、『わたし』としてここに立つことができるようになったのも、ひょっとしたら自分が結婚して家族を持ったことも、Yasuda Familyとの出会いがきっかけでした。年に1回の撮影で、どれだけそんな想いをお返しできているのかわかりませんが、大袈裟なように感じられるかもしれませんが、それでも私は伝えたい。

私にとって、【恩人】と言えるこのご家族とのご縁は、本当に大切なものなのです。

 

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美しさを表現し、思い出を記録する、楽しい遊びの空間

人生の写真館ライフスタジオという名前に込めた想い。
それは、出会う全ての人が生きている証を確認できる場所になること。
家族の絆とかけがえのない愛の形を実感できる場所として、
人を、人生を写しています。

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