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【殿堂入り018】N Family(Kuroki Reiri)

投稿日:2018/7/16

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真っ直ぐに。
 

1年前、新横浜店での2016年の最終営業日、最後の撮影枠は、このご家族でした。


浦安店での、お兄ちゃんの1歳記念からのお付き合い。
新横浜店に異動した翌年、たまたま再会した彼は、1歳の頃から見違えて男の子っぽくなって、一般的には『魔の2歳』なんて言われる時期なのに、むしろスムーズにポージングをこなしてくれるような、奇跡の2歳児でした。いつもずっとニコニコしていて、私は彼の泣き顔を見た覚えがありません。

毎年撮影をさせてもらっていた彼に、昨年は妹が生まれました。新横浜店で行なっていた『New Birth Baby』撮影の、最後のbabyが彼女でした。泣き顔を一度も見たことがないお兄ちゃんと対照的に、その時彼女はずーーーーっと寝て、泣いて、寝て、泣いてを繰り返していました。なんだかまるで、見ることがなかったお兄ちゃんの泣き顔の分まで見せてくれているみたいに。



改めて振り返ってみれば、毎年の再会のたび、私は彼や彼女やご家族のことを、blogやPhotogenicに書いていました。その全ての記事を読み返すと、2歳の時の偶然の再会という喜びから始まって、気が付けばいつも『また、会える』という確信を持っています。指名でご予約をいただいた日に、私が別店舗での指名が入っていた時は、お話ししてご予約をずらしていただいたこともありました。
「私が、会いたいんです」
そのひと言で、お客様の都合を変えてもらうなんてそんな勝手を言って良いものか、その時は悩んで、悩みながら、それでも勇気を出して振り絞ったひと言でした。パパさんママさんは二つ返事で了承してくださり、私の「会いたい」という我儘が叶ってしまいました。笑ご家族から「会いたい」と思ってもらえること、そして私も「会いたい」と思うこと。相互に行き交う想いがあって、関係が作られていくように、思います。


一緒に撮影に入ってくれるコーディネーターは、撮影前に「この子は、どんな子なんですか?」と聞いてきてくれます。その度に私は、「本当に、すっごく、すーーーっごく、良い子だよ」と答えます。それは、ただ言うことを聞いてくれるとか、ポーズが上手だとか、そういうことではないのです。まだ幼い彼ですが、『ひと』に対してとても綺麗な心で向き合っていることが、いつも伝わってきます。3歳の頃の撮影では、自分の何倍も身体が大きくて髭もじゃもじゃのコーディネーター(※谷津さん)や、撮影で声を嗄らして完全にオカマ声(オカマの方すみません)だった私に対しても、全く人見知りなく、
怯むこともなく、穏やかにニコニコとその存在を受け入れていました。彼の、真っ直ぐで純粋なその姿勢は、大人として、『ひと』として、少し背筋を伸ばして向き合わせてくれるような、そんな気持ちにさせてくれる……彼は、私にとって、そんな存在なのです。
何度、パパさんママさんに「どう育てたらこんな素直な男の子になるんですか???」と聞いたかわかりません。
そう聞きながら、撮影を穏やかに見守ってくださるパパさんママさんの空気感を見て、このご家族の姿勢そのものが表れていることを、知ります。『ひと』に対して穏やかに、真っ直ぐ向き合ってくれる、その姿勢。それは、同じように彼の姿勢に表れ、
家族で過ごす時間が『ひと』を作っていくということを実感させてくれます。会う度に成長を重ねて、時には年相応のやんちゃさを見せながら、それでも彼は変わらず真っ直ぐで、綺麗です。そんな彼に、ご家族に、カメラを向ける時は、私自身もまた真っ直ぐでありたいと、そう願いながら、毎年彼らの前に立ちます。


初めて彼に会った時は浦安店で、その時の写真をPhotogenicにUPしました。
それは、デビューして間もないカメラマンだった私が、ただ彼の仕草を可愛いと思い、可愛かったということだけが書かれた昔ながらのPhotogenicでした。その1年後に、異動先の新横浜店でたまたま再会して、その翌年には横浜青葉店で指名していただき、その翌年もまた会うことができて……気付けば毎年再会を繰り返しながら、毎回その時の思い出を綴りながら、次の再会を待っています。新しい『家族』が増えた時の撮影が、昨年の最後の撮影でした。Baby撮影店舗だった新横浜店で、その特色をより明確に打ち出そうと企画した『New Birth Baby撮影』は、今にして思えば、私が初めて1年間を通して取り組んで、自分の意志で終わらせることを決めたプロジェクトだったのだと思います。期せずして、2016年の最後の営業日、最後の撮影枠は60組目の『New Birth Baby撮影』で、
そしてそこで撮影させてもらったのが、このご家族でした。
勿論、その撮影にかける思い入れは強く、気合いを入れて臨んだのですが……
冒頭でも触れた通り、それはもうずーーーーーーーっと泣いて、寝て、また泣いてを繰り返す、彼の妹。
落ち着くタイミングを根気よく待って、ライダーベルトで変身中の彼を呼び戻しては2ショットを撮って、彼女はまた泣き、眠り、私たちは彼とたくさん話して…………長い時間をかけて撮影した、75カット。その75カット目、2016年の最後の1カットは、『New Birth Baby撮影』の最後の1カットでもあり、私の2016年最後のPhotogenicになりました。

(以下、Photogenicより)
『泣く妹をあやしてあげて欲しい、と頼むと、ライダーベルトで変身の真っ最中だった兄は、すぐさま妹の側に寄り添ってくれた。
彼のことは、1才の頃から知っている。1才の頃の彼の面影が、生後1ヶ月半の彼女にも見て取れて、ほんの5年前の彼自身を、容易に思い出すことができた。
それもまた、あの日の『記憶』を代弁する写真があったからこそ、より鮮明に思い起こされる。
あの時、小さな彼を見て、その仕草を見て、『可愛いなぁ』と思った。
その彼が、5年後に、こうして兄になり、泣いている妹をあやしている。
額から鼻へのラインも、目元も、とてもよく似たふたりの兄妹。
(中略)
この時、私の視点は、記憶の代弁者となる。
赤ちゃんだった彼の姿を鮮明に思い出した、あの日の写真のように、きっとこの写真が、この瞬間を呼び起こす。
兄と妹がどんなに大きな喧嘩をしても、あなたたちの『きょうだい』という関係性の原点を象徴する写真として。』


可愛かった、という想いだけだった、最初のPhotogenic。そこから5年を経て、私は改めて、あの日の写真を規定することができました。ただ可愛いなと思って撮った、最初の写真がきっかけで、繰り返し再会し、撮影し、積み重ねられた想いがあります。
彼らに対してのその『想い』は、今となっては『可愛い』とか『会えて嬉しい』だけでは足りなくて、色んな言葉を使いながら、多角的に綴ろうという努力はします。それでも、その『想い』がちゃんと表せているのか、いつも悩みながらなのですが。想いを言葉として綴ることは、自分の中にしかないものにカタチを付与して外に出す、ということだと思っています。ひょっとしたらそれは、自分の中だけではなくて、相手の中にも似たようなものがあるのかも知れない。それを知りたくて、まずは自分から、自分の中にあるものを出していきます。私にとって、あなたたちとの時間は、こういう想いをもたらすものなんです、いうことを。
あなたたちにとっては、どうですか?


今年再会した彼の妹は、あの日の泣き顔が嘘みたいに、ニコニコの笑顔を見せてくれました。そして彼は、七色に光るライダーベルトを唸らせながらやって来て(去年のやつと違うじゃん!毎年更新なの???)、ピカピカのランドセルよりライダーベルトについて熱く語ってくれるようになっていました。
そんなふたりが笑いながらじゃれ合う様子を、ファインダーから見詰めながら、ああきっと、この先また泣き顔を見ることはないのだろうなと思いました。昨年の、お兄ちゃんの分まで泣いているかのような彼女の泣き顔が、私にはとても貴重で、懐かしくて愛おしい、彼らとの大切な思い出になっています。

そしてまた今年も。来年も。きっと、その先も。
そんな思い出を積み重ねていけることを、信じています。
このご家族との関係は、
【私が会いたいと思っていて、再会に備えた準備をすることを楽しめて、
そしてまた、真っ直ぐに彼らの前に立ちたいと思える関係】であると思っています。

真摯でいたい。
そう思わせてくれる、大切なご家族です。


Butterfly05 〜Nishioka Family


初めましての方も、お久し振りの方も、いつもどうもー!の方もこんにちは。
黒木玲理です。

ライフスタジオ7年目、2018年現在は横浜青葉店に在籍しています!

それぞれのお客様の「想い」にFitした撮影をしたいと思っています。
皆さんが、どんな想いで撮影に来てくださっているのか、色々聞きにいきますので教えてくださいね^^

Blogでは
Butterfly 〜 with AISHI-AISARE project〜
写真分析
Photo 写真のこと
blog そして「はじめまして」は続く。
Let me see… わたしのこと
を主に発信しています。

お気軽にのぞいてみてくださいね。

 

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それは、出会う全ての人が生きている証を確認できる場所になること。
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