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【殿堂入り015】Watanuki Family(Kuroki Reiri)

投稿日:2018/7/5

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かぞくのかたち


 

最初に出会った時、
ふたりはまだ、「パパさん、ママさん」と呼ばれ慣れていませんでした。

小柄なママさんはすっごくチャーミングな笑顔の持ち主で、
自分もそうなのにパパさんのことを「ワタヌキくん」と呼んでいて、
まん丸い大きなお腹を優しく撫でていました。

その姿は、本当にとても美しくて、カメラマンのEunjeongさんと何度もなんども、
「素敵なご夫婦だね」と言い合っていたのを覚えています。

その時私はアシスタントで撮影に入っていて、だからこそたくさんお話をさせてもらいました。
大人の撮影には、いないいないばあも、シャボン玉も必要ありません。
でも、だからこそ、人と人としてのコミュニケーションをじっくり図っていくことができます。
マタニティ撮影は、プライベートな空間作りを心掛けていて、
ふたり(と、お腹の中のひとり)で寛ぐ愛情深い時間にしてもらいたいと思っています。
勿論、撮影者という第三者としてそこに入らなければならないのですが、
私たちの存在が緊張感をもたらすものにならないように意識します。
近すぎず、遠すぎず、でも存在と熱を感じるくらいの距離感……みたいなイメージで。
その為には、まず互いの存在を認識し、
受け容れる準備が必要で、だからたくさんお話をしました。
自分がどんな人間なのか、どんな想いを持っているのか、
この時間をどんな風に過ごしてもらいたいと思っているのか……
それらを全て言葉で説明するような、無粋な真似はしませんが(笑)
例えば、気遣う言葉の端々だったり、表情だったり、態度だったり、行動だったり、
そういうもので自分の姿勢は示していけるのではないかなと思っています。

最初の撮影の時は、ママさんのお母様も一緒に来てくれていて、
一緒にたくさんお話をしていく中で、たくさんの共通点が見付かりました。
小学生時代の地元や、昔私がひとり暮らしをしていた街に住んでいたこと、
この時住んでいた場所や勤務地が近いこと……話題は主に地元トークですが(笑)
そういう共通点が見付かると、相互に行き交う共感が多く交わされ、より人となりが近しく感じられます。
撮影は終始穏やかな笑顔とたくさんのおしゃべりで終わり、
その時の写真はEunjeongさんのPhotogenicになりました。

(以下、Photogenicより抜粋)

『二人は生まれる前から当然夫婦になるのが決まっていたようにお似合いだった。
とても仲良い二人を見ていたらふと今までのストーリーが気になってくる。
二人の関係の始まりと続きはどうだっただろうか?
友達から恋人、そして夫婦へ。
(中略)
友達から恋人、夫婦へ繋がって来た二人の関係はもう”親”という新しい関係を築き始め、家族という関係に続いていく。
今までよりトキメキする一方、不安でもある始まりと続きになる予感がするけど、
今までの関係を誠実に築いて来た2人だからこそ信頼し合える夫婦の姿。
 
目に見えない愛の形を目の前にする瞬間だった。

Photo by eunjeong Codi by reiri in shinyokohama』



この時、お腹の赤ちゃんの名前を聞きました。
元気に生まれて来てくれますように、と、顧客情報のメモに書きました。
そしてその7ヶ月後、私は、その名前を呼ぶことになります。

「はじめまして……また会えたね…」

初対面だけど、再会のような、不思議な感覚を伴った、彼との出会い。
言ってみれば、たまたまマタニティ撮影を担当したただの撮影者でしかないのに、
こんなにもその誕生を、こうして会えることを、幸せだと感じました。
予約のお名前の中に、あの時聞いた名前を見付けた時から、
指名でもないのに『撮影に入る!』と息巻いて、楽しみで楽しみで仕方なかった。
くりくりした瞳でこちらを見詰める赤ちゃん。
パパさんママさんと呼ばれ慣れていなかったふたりが、しっくりと馴染んだ父の顔、母の顔を見せる瞬間。
『家族』って、こうして培われていくのか。
赤ちゃんが、パパに、ママにしてくれるんだ。こうして『家族』になっていくのか……。
そういうことを、目の前で見せてくれた、ご家族でした。


それから、
毎回カメラを持って、彼らの前に立つ時に、
時間がもたらす家族のカタチのちょっとした変化を意識して、撮影をしています。
1歳の時は、新横浜店でフレームのサンプルにさせてもらっていたマタニティの時の写真と一緒に撮りました。
ママさんに、お腹の前で彼を抱っこしてもらうと、
ほんの1年前にこのお腹の中に入っていたなんて、
信じられないような成長を感じさせてくれました。
今年、新横浜店から横浜青葉店に異動してからの再会では、
ママさんのお腹はまたまん丸く膨らんでいました。
パパさんとの2ショットを撮った時は、時間が巻き戻ったかのような既視感。
でも、あの時お腹にいた赤ちゃんは、立派な2歳(になる直前)で、
ママのお腹をぎゅうっと抱きしめてくれました。
「ねえねえ、赤ちゃんはどこにいるの?」と彼に聞くと、
自分の服をぺろんとめくって、そのぽっこりお腹を見せてくれたりして。
そこじゃない……!と思いながら、その仕草の可愛らしさに、私も、一緒に撮影に入ってくれたなっちゃんも、
悶絶して撮影が中断しかける有様。笑
赤ちゃんがお腹にいる、自分がお兄ちゃんになる、そのことを何となくわかっている。
でも、そんな彼もほんの数年前にお腹の中にいた赤ちゃんで。
ほんの数年。
大人にとっては本当に、ほんの数年という僅かな感覚の時間で、こんなにも、こんなにも変わりゆく。
お腹の中のbabyも、生まれてからも、パパさんママさんも、家族のカタチも。
積み重ねられていく時間と、その変化と成長を、喜ばしく思いながら、それでも少しだけ寂しいと感じます。
きっとそれは、目の前のその瞬間があっという間に過ぎ去ってしまうものだということを、私が知ったから。
残しておきたくて、覚えていたくて、
そしてそれが、何年も先の未来で、家族の積み重ねられた時間を紐解くような写真になって欲しくて、私たちはシャッターを切ります。
Eunjeongさんが残してくれた、最初の写真から、ずっと。


今年2回目の再会で、家族は4人になっていました。

「はじめまして。また会えたね」

初対面だけど再会で、
元気に生まれて来てくれたことが嬉しくて、
おんなじように赤ちゃんだった男の子が、兄として妹を見つめるその視線に心が動きます。
穏やかなパパさんと、笑顔が本当に素敵なママさんと、そのふたりに育まれていく兄と妹。
ふたりから始まった『家族』が、拡がっていく、その姿。
【『家族』という繋がりそのものが育まれていくその姿は、私にとって、
変化していくその過程を『写真』に残す意味と価値を、再確認させてくれる】。
そんなご家族なのです。


Butterfly 04 〜Watanuki Family



▶Kuroki Reiriさんのブログはこちらから




 

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それは、出会う全ての人が生きている証を確認できる場所になること。
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