ライフファミリー
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【殿堂入り009】K Family(Kobayashi Kaori)
投稿日:2018/6/21
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再会と、はじめまして
ライフスタジオへ入社して7年目。
沢山の人に出会い、支えられ、今私はここにいます。
名古屋での2年、そして横浜青葉での4年、そして現在新横浜での日々。
毎日の出会いに感謝し、そして再会のたびに、嬉しい気持ちを沢山貰っています。
神奈川に来て4年が過ぎ、嬉しいことに名前を呼んでもらえることが増えました。
それは私だけが作りだした関係ではなく、お客様がいて、一緒にその空間を作り、支えてくれた仲間がいたからこそ。
今の自分があるのだと感じます。
今回は、私が忘れられない一人の女の子と再会したお話をしようと思います。
彼女とはじめて出会ったのは3年前。
青葉がオープンして1年たつころでした。
個人的な話をすると、その頃ようやく青葉の店舗も基盤が固まり、
これからどのように進んでいくのか店舗としても個人としても悩んでいた時期でした。
撮影は楽しいし、日々新しい出会いがやってくる。
だからこそもっと自由に、もっと幅広く写真の表現を広げられる自分でいたい。
写真に対し、向上心と、悩みがふつふつと湧き上がっていた頃でした。
写真の悩みをよく聞いてくれて、時には喝を、時には激励を熱く飛ばしてくれるムーさんに
アシスタントに一緒に入って貰う事も多くなり、そのたびに撮影や写真に対して語り、悩む日々。
そんな時に出会った彼女。
7歳の女の子。七五三でした。
おばあちゃんに連れられてやってきた彼女は、
小柄で可愛らしく、そのまっすぐな瞳はどこか不安気。
それでも勢いよくこんにちはー!!と入ってきた私やムーさんの問いかけにがんばって答えてくれていました。
それはそれは、戸惑ったことでしょう。笑
本当は、お母さんも一緒に来る予定でしたが、
その日は急遽お仕事で来ることが出来ず、おばあちゃんと二人できてくれました。
きっと、その頃、お母さんは仕事をしながら、
撮影はうまくいっているか、楽しい思いをしているか、大丈夫か、、、と不安だったでしょう。
とにかく楽しんで欲しい、楽しい思い出を、おうちに帰ったときにお母さんに話して欲しい。
そして、写真で彼女の姿、楽しい空間を伝えたい。
その想い一心で撮影をしました。
恥ずかしそうに俯き、少し緊張していた彼女。
選んだ着物はお店の中で一番大人ぽっい黒い着物でした。
ヘアメイクをして着物を着て、大きな瞳に緊張が大きく漂います。
どうにかこうにか楽しんで欲しい、ふざけたことばかり言って楽しませようと必死な大きなムーさんに、
かわいー!とか素敵ー!とか、わーきゃーうるさいめがねのお姉さん。笑
彼女がどう思っていたかは分かりませんが私達はとにかく必死でした。
そして結構な勢いでうるさかったことでしょう。笑
その気持ちが徐々に伝わったのか、少しずつモデルを楽しんでくれる彼女。
大きな瞳が緊張からうきうきに変わっていくように感じました。
一つ一つのしぐさが、戸惑いを感じさせつつも上手に動いてくれるので、そのしぐさごとに盛り上がる撮影者ふたり。
そしてドレスに着替えた彼女は、憧れのお姫様の髪形をしていました。
《ラプンツェル》です。髪が長いお姫様。
あこがれている女の子、多いですよね。
その頃、私は自分の写真の課題として『被写体を動かし、動きの間を捉える』ことに集中していました。
生命力を捉える写真とは何か。生きて動く『人』を撮る意味を考えていました。
それに正解は無く、今もきっとそれを探しながら試行錯誤写真を撮り続けているわけですが、
この頃の写真の変化が今の私の写真の軸になっているとも感じています。
固めて撮るのではなく、誘導しながらしぐさや表情を捉える。
とってもモデルが上手な彼女は指示を投げかければ上手にこなしてくれました。
それでもいいけど、かっちりきめたポージングではなくもっとナチュラルな表現がしたい。
彼女の魅力を見つけたい。と、うーんうーんと悩む私。
その気持ちを知っているムーさんもいっぱいサポートしてくれました。
そんなこんなで楽しい撮影はあっという間に終わり、出来上がった写真の1枚にふと目が留まります。
そのとき写真を見てくれていたムーさん、ボルボさんに『この写真良い。』といわれます。
その頃『良い写真ってなんだろうか』ということ投げかけられることも多く、
自分でもよく考えては悩み、悩んでは考えてぐるぐるしていました。
彼女のその写真は私の取り組みがぎゅっと詰まった瞬間。
被写体を動かし、動きの間を意図して捉える。
それは今までの私の写真が少しだけ変化した瞬間でした。
撮影後、彼女は小さな声で楽しかったと言ってくれました。
ママに、伝えてね。今日変なお兄さんお姉さんにあったこと。楽しかったこと。
写真を見せてあげてね。そして沢山飾ってね。
声をかけ、いつか再会出来る事を願い、私は彼女の写真をブログに載せ、
横浜に異動になってから、はじめてフォトジェニックにその写真をあげました。
その写真がこちら。
そして数日後、ブログに嬉しいコメントがつきました。
彼女のママからです。
いつか、ママに会えたら。成長した彼女に会えたら。と思いました。
その3年後。
青葉店から連絡があり、『こばちゃん、指名が入ったよ』といわれました。
正直、苗字だけを伺っただけではピンと来ず。
彼女の情報を見た瞬間、記憶がフラッシュバックしました。
今回の撮影はハーフ成人式。
ああ、もうあれから3年たったのだ。彼女はもう10歳に。
そして願っていたママさんとはじめましてを交わすことが出来るのです。
当日、実は彼女の小学校は運動会の日でした。
しかし天気は雨予報だったので、ママさんは延期になって来れるはず!と予測していたようで。
案の定、その日は雨で延期になりました。
私も会える事が嬉しくて、朝からうきうき。変なテンションでした。
珍しく雨にも感謝し、そして少しそわそわ緊張もしていました。
3年前の写真を見返しては、どうやって撮ろう、何を話そう、何を伝えようか。
そんなことばかりを考えていました。
そして彼女が来店。そのとき、奇跡が起こったのです。
彼女は悪天候だからこそ、運動会が延期になったからこそ、撮影に来れたのですが。
時刻は夕方15:00。なんと西日が差してきたのです。
まさかの天気復活・・・・!!!!!
彼女を以前と同じように強い自然光の中で撮影することが出来たのです。
運命しか感じられない・・・私は再会とママとはじめましてを交わして一気にテンションがもう最高潮に。
それを感じてか、一緒に入ってくれたなっちゃんも最初から最後まで盛り上げてくれました。
ママの後ろでチューチュートレインを披露するほどに。
本当にありがとう。私が笑った。笑
彼女は、あたりまえなのですが、とってもお姉さんになっていました。
大きな綺麗な瞳はそのままに。恥ずかしそうにしている姿もそのままで。
背も伸び、あご下のボブカットが何とも似合っていて。
何度も何度も、かわいいー!きれいー!!うらやましい!!と叫ぶ私となっちゃん。彼女はたじたじでした。笑
そしてママさん。明るくて、これまた美しい美人ママ。
2ショットを撮る時のテレ方が何とも可愛らしくて、まるでふたりは姉妹のようでした。
話を色々しながら、『前回、モデルまたやってね!といわれて本人は嬉しかったみたいですよ』とこっそり教えてくれました。
ああ、撮影が終わって、きっと仕事から帰ってきたママに写真を見せながら、話をしてくれたのだ、と嬉しくなりました。
撮影はというと、本当に、彼女の魅力が爆発していて。笑
シャッターを切るたびに私はめがねを曇らせながら『いや、かわいすぎる』と連呼してました。魅力爆発です。
カメラマンたるや、気持ちもどんどんあがっていきます。
2013年冬より、ハーフ成人式の撮影が定着した青葉店。
最初は撮影者の技術向上のためのジュニア撮影でしたが、
その意味は回を重ねるごとに変わっていきました。
もちろん、大人と同じように状況把握も出来て指示もとおる
10歳の撮影は技術無しには撮影が出来ません。
そして技術もカメラ技術だけではなく、
『魅力を引き出す』作業が低年齢の子よりも倍以上の技術が試される撮影です。
そして、その年齢だからこそ、写真を残す意味が強いと私は感じています。
過去の『あなた』からの成長を感じるもの。
未来の『あなた』にむけて残すもの。
そして、家族一緒の時間の思い出を。
10歳ともなると、自分の世界が広がり始める時期です。
何でもお母さんと一緒、ではなく。
学校にいる自分、友達といる自分、習い事をしている自分、家にいる自分。
そしてどんどん『自分の時間』が主軸になって行きます。
でもまだ、家族の時間も多くあって。すこしだけ反抗もしたくなって。
でもやっぱり一緒の時間が嬉しくて。
そんな時だからこそ、一緒の思い出をここで作ってもらえたら。
残してもらえたら。と、思うのです。
私の脳裏には、以前彼女の撮影をしていた私の思考がよみがえります。
自分が変化したときの思考は、何よりもクリアで。
それでも時としてそれを忘れてしまいます。
定着しているものの中に、自分が培ってきた全てが詰まっていて。
再会するお客様には、楽しい空間と共に、記憶や思い出と共に、
以前を超えた表現を提供したいと常々思っています。
彼女との再会は、私に昔の私を思い出させてくれました。
彼女も成長し、やはり自分自身も進んでいるのです。
ただただ再会が嬉しい、名前を呼んでもらえたことが嬉しい。だけではなく。
彼女に再会したからこそ、自分自身にもよみがえる記憶があるのです。
前よりも成長したあなたには、前よりも成長した自分で出会いたい。
それが、ここで再会するために必要な事だと私は思っています。
『改めて人とのつながりを考える。
相手の中の自分を見る。自分の中の相手を見る。
確認し、真につながる。
それが私にとって『あなたに会いに来ました』の規定となりました。』
以前のバタフライのブログに書いた、私自身の規定です。
名前を呼ばれることには必ず意味があります。
嬉しくも有り、何故?と考えることもあります。
あなたに会いたい。それが互いにつながることが、
ただ楽しく仕事をしていれば出来ることではないし、かけがえの無い自分の財産になることを知っています。
それは自信になり、自分の課題になり、また次に進むことが出来ます。
出会いに感謝。また会えた事に感謝。
また、来るといってくれた彼女。
また再会したらきっと私はまた同じようにハイテンションでカメラを構える変なお姉さんになることでしょう。
でもきっと彼女と、彼女のママは笑って受け入れてくれる。
その再会に備えて、わたしはまだまだ、歩みを緩めてはいけないのだと感じます。
『はじめましてでも。再会でも。
それを自分がその出会いをどのように考え、想い、つなげていくのかを確認し、発信していくことが何より大事です。
それが自分を奮い立たせ、また一歩踏み出す勇気に変わります。』
何が正解なのかはきっとすぐには出ないし、正解はきっと無いのでしょう。
それでも、納得のいく今、このときの、自分に答えを持ち続けることが必要なのでしょう。
だから、不恰好でも、言葉がつたなくても、出していこうと決めました。
素敵な出会いに感謝を。
そして誇りを持って、伝えて、つなげていくこと。
それが今の私の出来ることだと感じています。
彼女に、彼女のママさんに、本当に感謝しています。
ありがとう。
また、会える日まで・・・・。
▶Kobayashi Kaoriさんのブログはこちらから
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