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四街道店
scrollable

撮る理由

投稿日:2016/12/12

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photo by katsu

カメラマンは光を操る人のことを言うんだよ。

僕が香川県に修行しに行った時に、末澤パパに言われた言葉です。ちなみに末澤パパは、香川県にある末澤写真館の2代目か3代目の方です。

曖昧ですいません。笑

そんな人生もカメラでも先輩である末澤パパから言われた言葉が今やっとわかって気がします。

光を操るってそもそも光を利用して写真を撮るんだから必然的にそんなカッコいい言葉使わなくても使ってるんじゃない?と何にも考えずただ単純にその言葉を頭の片隅に入れていましたが、そんな簡単な言葉ではありませんでした。

光を操るとは、光をツールとしてそこから新しい物を作り出すことだと感じました。具体的に何を言っているのかと考えていけば、光を利用して色味を出すこと、光を利用して伝えたいポイントを出すこと、光を利用して陰を作ること、光の反射を利用して新たな光を作ること、光に光を足して補足していくこと、光の特性をいかしてイメージを伝えること、光を利用して全体を統一させること。そして、光から生み出される要素を利用して、被写体となる人を美しく表現したり、イメージを表現したり、1つの形として出すことではないのかなと感じました。

つまり、光という1つの物から、量、形、色、方向、匂い、イメージ、質感などを作り、その時の状況、被写体となる物、人にプラスの要素として組み込んでいく事なのだと思いました。

これが僕の中で写真に取り組んでいきながら、今月に新たに見つけられたことです。当たり前のことが書かれているのかもしれませんが、いつも頭の中にある言葉達、理論達が実際の行動の写真として表現できたということで新たな発見として書かせてもらいました。

ではこの理論を用いて、実際にどのようにして写真を撮ったのか。

今回の写真は光の色に着目してみました。

光は色んな物を通して色味をだしています。そのため数多くの色がカメラを通して表現できます。しかし、光は物を通さなくても、そのままで色が変わるときがあります。それが夕日の光です。

1日中撮影していると、必ず太陽が沈む前はオレンジ色の夕陽がスタジオの中に入り込んできます。得に草加店の構成上、午後の時間帯はビンテージの一番光が入る窓から強く夕陽が入り込んできます。多分今までの自分だったら、この夕陽をそのまま使い撮影をしていたかもしれません。

しかし、1つの夕陽という光から色々条件を作っていけば、このオレンジ色の光が有効活用できると考えました。

そもそも夕陽が入りつつも、草加店の中にはメインでライトを使う化粧ゾーンがあります。夕陽が入り込むということは、段々暗くなっていくということなので、夕陽を使わず化粧ゾーンで撮影をしようと思いましたが、夕陽を使って撮影をしようと決断した理由がありました。

それは、被写体となる子供の服です。白シャツに黄色のパンツ、そしてストールには黒と黄色と緑を混ぜたような色の3種類。

そしてこの子供のオンとオフの時のテンションの違い。スイッチをこちらが押したら可愛くくしゃっと笑う笑顔、そして静かに雰囲気を作っていけば、どこか大人の雰囲気が漂う表情をします。

そしてその瞬間僕の頭にある、夕陽のイメージ(河原道で人影が悲しいような、さみしいような雰囲気で歩いているイメージ)をこの子供と合わせてみようと思い夕陽を使い、撮影しようと決断しました。

 

まず夕陽をイメージさせるために、太陽を入れました。これは僕が何を表現したいのが直接的に分かりやすさを伝えたかったからです。

そして望遠レンズを使い、背景をインテリアとして捉えるのでなく、ぼやかして色として表現しました。その中でも色の統一性を出すため、整理するためにカーテンで余分な所を隠し、なおかつ、逆光を利用して、カーテンに木の陰を反映させました。

そして子供の表情は子供のオフの時の表情をありのまま写しました。特にこちらから子供のスイッチを押さないように、静かな雰囲気で撮影を行いました。自分の中でのポイントは夕陽のイメージを子供に当てはめるのでなく、子供の表情に夕陽のイメージを組み込んでいくということです。

そしてただ逆光にしてしまうと、人の輪郭だけ光が当たり表情の部分が暗くなってしまいます。そうすると、背景が明るく、人には光があまりなく暗すぎる写真になり、表情に目がいかなくなってしまうと思い、ライトを使い、人にだけ光を当てました。そうすることにより、子供にも光が当たり、表情もそして、夕陽とあうコーディネートもマッチすると考えたからです。そして構図は、夕陽というのがわかるように、上の方に余白を作り、夕陽の色と背景の色を映し出しました。

このように4角形の中で1つ1つ光を使い、なおかつ要素それぞれを被写体と僕の中のイメージがリンクするように調整してみました。

これが僕の中でも光を操るということです。

 

また、この光を操るという言葉を考え、写真で表現してみましたが、これが日常でも言えることなのではないかとも考えました。

それは、1つの物から色んな可能性を作っていく。

何が言いたいのかというと、普段僕たちは、固定概念をもって生きています。日常にあるもの、人、考え、どんな状況でも、それをみればいつも同じ考えをもって、それを見ます。

しかし、違う視点で見て行くと、それが実は自分が思っていたものとは全然違うものであるかもしれない。違う視点で見て発見して自分に装着していくことで、自分の行動、習慣、人生が少しずつ変わってくるのかもしれない。そんな可能性を僕達は秘めているのだと思います。1つのものを、1つ側面からみるのでなく、細かく見る、見方を変える、1つの物を利用して色んな形として変えて行く。

光を操るから、まだはっきり鮮明に出てきませんが、何かが僕の中で見えてきたきがしました。

 

 

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