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四街道店
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記録
投稿日:2016/10/31
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写真分析。この言葉を聞くと、今だに写真分析をする前は、重たさが自分の頭の中に入ってきます。重たさを違う言葉にしたらプレッシャー、苦手な物、なかなか取り組みずらいものです。
こんなにはっきり自分で言うのは初めてかもしれません。むしろ堂々とは言ってはいけないですね。
しかし、この写真分析を終えると、いつも頭の中が整理され、清々しさ、新たな発見、新たな視点で見れた気がして、向上心が増します。
そんな言葉を書きながら自分という人間はどれだけ色んな物事に左右されているのだろうと感じます。改善していきたいものです。
今回この写真を選んだ理由があります。それは自分もこのような写真が撮りたいと思ったからです。いつか写真分析をしたときも、このような理由をあげたことがあると思いますが、今回は前回と違いまた、写真を見る目が少し変わったなと感じます。いきなり、1から10にはなることはできませんが、1から2に上がった気がします。写真分析は自分を確認するためにすごく良い方法かと感じます。
写真は長方形の中にいくつもの要素があり、その要素をうまくかみ合わせ、光を通して表現しています。写真は人によって感性が違うために、その撮った人の性格が出るものだと常々思います。そういった中で今回、今まで自分がみた写真を振り返ったときに、写真が人にどういった影響を与えてくれるのか頭の中に出てきました。やはり、僕の中で出てくるのはその時の記録です。写真を通してその時の記録が呼び起され、その時の思いを呼び起こしてくれ、自分が何をしていたのか確認することのできる物が写真であると思いました。そしてその写真達は美しいものがおおければ多いほどいいなと感じました。なぜか。例えば思いでの中には、良いものがあれば、その反対も必ずあります。苦い思い出はそ の時は苦い経験をしたかもしれませんが、振り返ったときに、そんな時もあったとその経験があるからこそ今は笑っていられるのかなと思います。しかしその時に、良い思い出は美しく、その反対の苦い思い出は、苦い思いでが思い出されるような暗い写真であったら、何年か先も苦い思いでのまま思いだされるのではないかと思います。色んなことが起こるから人生は楽しい。結果は楽しい人生だったと振り返るのであればどんな経験も自分にとっては美しいものばかりです。少し強引ですが、だから記録とされるどんな写真も美しい写真であればあるほどいいなと僕は思います。
この話の流れだと、今回の写真が苦い思い出だったのかとなってしまいますが、全く違います。それは勘違いしないでください。決して苦い思い出で撮られた写真ではありません。
僕が言いたいのは、人の性格が映るのが写真だということを言いたいだけです。どんなことも、どんなものも、人も肯定的にとらえる美しい心を持っている人が写真を撮ると写真は自然と美しい写真が生まれます。その中の美しい1枚を今回は写真分析したいと思います。
私はこの写真はバランスの取れた整理された写真だと感じました。
まず、1つ。写真の長方形の中には、色んな構成要素があります。その中で良い写真というのは、その構成要素1つ1つに説明が出来る写真であると僕は規定しています。
この写真の中での登場物は、光が差し込む大きな窓、被写体、後ろの背景になっているライトボックスです。あとは余計なものがなくとても綺麗に整理されています。この3つが何を意味しているのか。まず窓が写真の大半を占めており、その中で被写体がいます。これはただ窓をいれているのではなく、広角レンズの特徴をもって撮影しています。広角レンズは近くにあるものを大きく、遠くのものが小さく映る特性があります。それが何を意味しているのかというと遠近感が強調されるという特徴があります。写真は2次現ですが、広角を使うことにより、遠近感をだし写真を立体的にしてくれます。そのため窓が大きく映り、被写体の後ろの白のライトボックスが小さくうつり遠近感を演出しています。 また、カメラ位置を少し下から撮ることにより、広角レンズのゆがみをなくしています。これがまず1つめのレンズの特徴を生かした遠近感の演出です。
2つめ。色味。例えばこの緑が綺麗に映っている窓、そして窓の淵の茶い色、そしてバックの白で、被写体の子供の服と帽子が真っ赤だった場合この写真の色味は気持ちの悪い色合いになります。それに加え緑と青は色は相性の良い色です。さらに青の服の白のレース部分と窓辺の光で白になっている部分の統一感、茶色の帽子と窓の淵の茶色など、全体的に色が緑と白と葵と茶色で統一されています。そのため、写真の色のバランスがとても綺麗で自然です。
3つめ線。窓の銀の淵、茶色の淵、背景のボックスの淵の線がほぼ平行な斜めの線であり、人物はその中でまっすぐ見えるようにカメラを傾けて使っています。これも一つの技術であり、この傾きと被写体の、この線もバランスも不自然でなく綺麗です。
4つめ光。窓から緑の植物を通して入る綺麗な光と被写体の関係を表すために窓を広角を使って大きく入れているというのもある。
このようにして見るだけでも、写真の要素の中にあるものをうまくバランスをとって写真の中にいれているのがわかる。そのバランスというのは関係をうまく結び付けているということだ。
この写真のように、被写体とインテリア、レンズの特性、光と色味をうまく融合させている写真をみると、いかに関係性が重要というのが見えてくる。
この写真を通して、関係性の重要性がわかったが、一様に写真だけ関係性が重要ということではないはずである。同じようにレンズとボディーの関係、カメラマンとアシスタント、カメラマンと被写体のように、自分達が生きている世界は関係というのがとても重要であり、関係を自分自身で作っていくということが大事であることがわかる。
また、写真も偶然的に綺麗な写真を撮ることもあるが、必要なのは、自分で綺麗な写真を必然的に撮れるように条件をつくっていくことである。これは僕たちが生きている中でも必要なことで、偶然的に起こる奇跡をずっとまっているのではなく、奇跡が起こるように自分達が自ら動いて行かなければならないということを実感できる。物事は実は同じ原理が働いているのはないかと感じる。
関係を結ぶこと、その関係を結ぶためには美しい心でみないとうまく結びつかないということ、そして自らが条件を作って動かなければ関係すら作れないことを認識させられた1枚でした。
また、この写真が自分も取れるように、カメラマンとしての技術はもちろんのこと、このような美しい写真が撮れるように、自分自身の考え方、行動の仕方が変わっていければと強い意識ももつことができました。
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