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四街道店
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バランス

投稿日:2016/8/31

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カメラマンということもあり、日々写真を見ることがあります。そのため、ある写真を見ると、きっとすごく元気な子だったんだなとか、この子は緊張していたのかなとか、撮影の雰囲気が楽しかったんだろうなとか、写真を見ながら感じることがたくさんあります。
それと同時に手が止まる瞬間もあります。
それは自分の中で綺麗な写真を見つけたときです。それが今回の1枚でした。

自分もこの写真が撮りたい、どのようにして撮ったんだろう、この写真を撮るためにはどのような声かけをしたのだろうか、撮影中のみんなの雰囲気はどんな感じだったのか。
このような衝動にかられたので今回この写真を分析しようと思いました。

そしてこの写真綺麗。なんか魅かれる。この写真で手が止まる。その理由を綺麗という言葉で規定して、これから写真分析を通して、どんな写真が自分の中で綺麗なのか、その綺麗の中にはどんな要素が含まれているのか長期的に探していこうと考えています。

まずこの写真はどのようにして撮るのだろうか。
まず光という部分を見ていくと、逆光をメインとして撮影している。逆光は後ろから光が入っているために人の輪郭に光がいき、それが髪、服、肌を綺麗に演出してくれます。
そしてこの逆光は背景のインテリア、子どもの前にある木、写真左側にある前ボケとなっている木にも光が届いて、輪郭が光で包まれています。そのため全体的にふわふわとしている印象があります。そしてこの子を見ていると分かりますが、この子を立体的に綺麗に写すために、逆光でも少し角度を付けて、顔に陰影を作っています。陰影があることにより、写真が立体的になり、さらに逆光を使っているので鼻たち、顔の形などが綺麗に写されています。

次に構図。
この写真をバランスという点で見るのであれば、バランスが良い写真といえると思います。この写真の核心と言えるかもしれません。
この写真は縦に長方形ですが、左上の葉っぱと前ボケの木、右下の人物を1枚の長方形の紙の上に乗せると考えると、重さが同じくらいにつりあっているのが分かります。またはこれを左下から右上にかけて斜めに折りたたんで考えても良いかもしれません。同じくらいの重さになると思います。そういった意味でこの写真はバランスがうまくとれているので、写真が不自然でなくまとまった1枚の印象があります。
また、草加店の写真を見ていくと、この写真の様な構図で被写体となる子供が左斜め上を向いている写真がありますが、実際にその目線の先に何も写っていないことが多々あります。そういった中で、写真を客観的に見たとき、この子供は植物を見ている綺麗な姿と、写真をみた人達に簡単にイメージしてもらうことが出来ます。

次に色。
人物の色味です。全体的に緑と薄い茶色と白が多くを背景で占めていますが、その中に色の濃い着物が入ることにより、人物の主張がされ目がこの子に1番先に向かいます。そしてこのときに、着物の中に緑が入っているので、この背景の中に入っても違和感がなく、むしろ統一感がある色味になっています。

次に前ボケ。
前ボケにも前ボケを使って新しい色を出してグラデーションを作る、隠れててどこからか覗いている演出をする使い方、立体感をだす使い方などありますが、今回の前ボケは、前ボケを入れることにより3次元にさせ、さらに右の部分の背景にある茶色の柱と左側の前ボケの色を合わせて写真に統一感をよりださせるために使った前ボケといえます。

そしてこの写真を撮るための声かけ。
この写真を見ると、子どもが口を閉じて葉を見つめています。
マジマジと見ているというよりは、葉を見て何か考えているようにも思います。
この写真を自分が撮ろうと思ったら、まず植物と子供の関係を作ります。つまり、子供に植物に対しての興味をもってもらいます。
そのため、まずは子供に葉っぱの所まで自分の足で行ってもらいます。その時に、葉っぱにてんとう虫がいるかどうか探して来てといってもいいかと思います。
そして葉っぱの所まで子供が着いたら、てんとう虫いたー?と声を、かけて実際にてんとう虫はいないのでいないと答えると思います。
てんとう虫のネタで子供が植物の事を認識したので、次に子供に、その植物に付いてる上の葉っぱが本物か偽物かどうか聞きます。そして子供が葉を見て考えてる瞬間に撮ります。
そのようにしたら、真剣な表情で植物の葉を見て考えてる表情が撮れるのではないかと考えています。
子供の年齢によって声かけ、撮り方を変えていますが、大きい7歳の753は、意思疎通ができる分、子供の自由な姿を撮るだけでなく、意図的に自分がそのようにさせる声かけ、写真を撮る事を意識的に撮るようにしなければなりません。
このどのような声かけをして写真を撮ったのかを考えることの大切さは、この写真分析の文字を書きながら気がついた気がしました。
意図的に作るということは、このように撮りたいという自分の明確な物があります。そのために、どのようにしたら、撮れるのか、ある種論理立てて、それを実行しなければならないという、理論と実践が撮影の現場にあると気が付きました。
自分はそれをライフスタジオの哲学を通して理論と実践を学びましたが、日常の生活の中でよくよく考えてみると、理論と実践の行動を無意識にしていることがわかりました。
これからは、その無意識的に行っていることを自分が再認識して小さい理論と実践から、深い理論と実践に自分が意識的に変えていく必要があり、この意識を変えていくことが写真の変化にも、アシスタントをする上でも必要な変化に変わっていくのではないかと感じました。

撮影中はどのような雰囲気だったのだろうか。
この写真1枚を通してならば、集中した子供の姿を撮るために、ガヤガヤしているのではなく、静かに声をかけることによって、周りの雰囲気も静かだったと考えることができます。
全体の雰囲気は写真1枚から書くことはできないので、私が撮影中に大切にしていることを1つ書きます。
私がいつも撮影の時に注意しているのは、子供と自分たちカメラマン、アシスタントだけで撮影が行われて、両親が撮影中に関与されないことです。
撮影中は静かになったり盛り上がったり、波を打つようにして雰囲気が緩急しているが、その中で見守っている両親にも一緒にその緩急を体験してもらわないと、楽しさ、感動がライフスタジオで体験出来ないと考えています。
そのため、撮影中にママ、パパを見てもらったり、一緒に問題を出し合ったり、話をふったり、撮影以外の話をしたり、自分達のことをしってもらったり、ご来店されてから、お帰りになる2時間、2時間半の撮影の雰囲気を、映画を見ている時のように流れを作らないといけないと感じています。
そのために、自分がこの波を作るように自分という存在を出して、主導権を握って撮影に挑まなければならないと考えています。

今回の写真から学んだ綺麗の要素。
写真分析を書きながら、写真の部分が少なくなってしまいましたが、結論から言えば、バランスが良い写真は綺麗と言われる写真の要素の1つであると自分の中で規定しました。
写真を見た時に、被写体に目がいくが、それの以外の写真に移っている要素が、関係のないものでなく、被写体との関係を表すものであり、なおかつ、写真を1枚の白紙の紙としたときに、写真に写っている要素を重さと表現し、その1枚の紙の上に載せていくと考えたときに、その重さのバランスがとれ、偏っていないそのようなバランスの取れた写真は、綺麗であると考えました。
また、この綺麗な写真を撮るためには行うための過程と、自分の取り組むときの意識、また撮影の場を、主導権を握り行い、撮影の雰囲気に波を作ることも重要であることに再度認識させられました。
よくライフスタジオで耳にする、全てのことは関連しているという言葉がありますが、この写真分析を通して改めてしることができました。
また、この写真を自分が撮れるように行っていきます。
 

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